TRIAL LESSON レッスンを体験しませんか
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まことに遺憾です

 

前回からのつづき

 

音名と階名、それぞれがどんなものかをお話ししてきましたが、違いが整理できましたでしょうか。

それでは、実際には音名、階名それぞれで、どんな名前が使われているのでしょうか。

 

前回、「ふるさと」のメロディは階名で「ドドドレミレミミファソ」になると言いましたが、じつは日本では音名にも階名にも「ドレミ」が使われていることが多いのが現状です。

 

これ、思いっきり「?」ですよね。

 

前々回の写真の鍵盤の位置、および今回の図の音符、これ、いずれも音名は「ド」と呼ばれていたりします。

でも、キーがFメジャーキー(へ長調)だとすると、階名は「ソ」になるわけです。(詳しくは後述します。)

そして、音名での「ファ」が階名では「ド」になると。

 

・・・・・。

 

わけわかんないですよね。

 

音名、階名の区別がしっかり整理されていて、自分なりに頭の中でちゃんと理解している、もうずっとそうやってきている、という人ならいざ知らず、これから知って、整理し、理解し、音楽と仲良くなっていこうとしているみなさんにとって、こんなに理解し難い名づけ方というのはいかがなものか。

 

なぜそんなことがまかり通って、マジョリティにまでなってしまっているのか。

私はそのあたりの歴史にはさほど明るくないので、ここで多くは語れませんが、おそらくは戦前から戦後にかけての「絶対音感教育」ならびに「固定ド唱法のススメ」が生んだ歪みではないかと思っています。

 

この名前の混同のせいで、階名の認知度が低くなり、相対音感が育ちにくくなり、ひいては気軽に音楽を楽しむ人の数が増えないことにもなっています。まことに遺憾です。

 

このことも含め、はっきり言って、音楽を始めようとする大人の方にとって、ここ日本でそれを学ぶためのインフラは壊滅的、というか「無い」です。涙。

 

悲観していてもしょうがないので、当スクールでは、歪んだマジョリティに取り入ることなく、「本当に」楽しむための力が身につくにはどうしたら良いかを考えて考えて、レッスンに落とし込こむことを断行していきます!

 

まず、「音名はCDEの英語で」「階名はドレミで」とし、きっちり音名と階名を使い分けることで、生徒のみなさんの混乱を避け、整理と理解を促進していきます。

 

つづく

「ピー」と「ポー」

 

前回からのつづき

 

「階名」は音名と違い絶対的な音の高さを表すものではなく、ある基準の音からの音程(関係性)を表す、相対的なものです。

ですから、単独の音を階名で表現することは、本来はありません。

 

例えば、救急車の「ピーポーピーポー」というサイレンの「ポー」を基準としたとき、「ピー」の音がどのくらい高くなっているか。そうしたときに、基準の音に一つ名前を与え、高くなった音にもその高くなった度合い(音程)によって名前をつけ、階名とします。

 

カラオケのキーチェンジ機能はご存知ですよね。あれの要領で、「ピーポーピーポー」のサイレンのキー(キーについても後日お話します。)を上げたとしましょう。すると、当然「ピー」も「ポー」も音が高くなります。ですが、「ピー」と「ポー」の関係性(音程)は変わらないので、しばらく聞いていると救急車のサイレンとして、違和感なく聞こえると思います。もし、この関係性(音程)までもが変わってしまったら、救急車のサイレンには聞こえないはずです。

 

さて、こうやって「ピー」と「ポー」が関係性(音程)を保ったまま、音が高くなったり低くなったりしたとき、最初につけた階名はどうなるか。

 

どうなると思いますか?

 

じつは変化しないのです。

ピーの階名が「ミ」、ポーの階名が「ド」だとすると、その二つを関係性(音程)を保ったままに、いくら高くしようと低くしようと、ピーは「ミ」でポーは「ド」だということです。

 

童謡の「ふるさと」のメロディの音を順に階名で言うと「ドドドレミレミミファソ」となります。

そして、この曲のキーをいくら上げようと下げようと、要はキーが何であっても、階名は「ドドドレミレミミファソ」のままなのです。

ということは、一つずつの音というよりも、その関係性に名前がついていると捉えることもできます。つまりは相対的な名前だと。

 

分かってきましたか?

 

音楽の要素のうち、音の高さや音程は、この「音名」と「階名」の2つを使って理解していきましょう。

とくに「階名」は、相対音感を身につけるうえでとても重要になってきます。

ひきつづき、もう少し「音名」と「階名」についてお話していきますので、お付き合いください。

大事なところですので、あやふやにしないでしっかり整理しておきましょう。

 

つづく

「音名」と「階名」

 

前回からのつづき

 

ソルフェージュや相対音感の話をするうえで、ひとつ整理しておきたいことがあります。それは音の名前です。

 

音の名前と言えば「ドレミ」を思い浮かべる方が多いと思いますが、そもそも日本では「イロハ」がそれに当たるものでした。

「ドレミ」はイタリアでの音の名前です。

他にも、ロックやジャズを少しかじると「CDE(シーディーイー)」のアルファベット(英語読み)や、クラシックでの「CDE(ツェーデーエー)」のドイツ語読みなんかも聞いたり見たりしたことがあるかもしれません。

 

これらは国(読み)の違いはあれどみな音の名前なのですが、音の高さを表す「名前の付け方そのもの」に大きく二種類あることをご存知でしょうか。

 

それは「音名」と「階名」です。

 

聞いたことありますか?

義務教育の音楽の授業の中で、せめてこれくらいはしっかり教えていただけると良いのですが……。

 

何でもそうですが、「知らない」ことは、得体が知れなく感じられ、不安で、怖く、近寄り難く、不可能に思えます。

逆に「知る、理解する」ということは、親近感が湧き、安心が増し、怖くなくなり、近寄っても大丈夫に、できるんじゃないかという気になってくることに繋がります。

ですので、整理していきましょう。知っていきましょう。理解していきましょう。

 

はい、「音名」です。

これはそのまんま音の名前ですね。もう少し丁寧に言うと、絶対的な音の高さに対する名前です。

例えば、我が家の洗濯機は洗濯の完了が近づくと「ピーッピーッピーッ」と音が鳴るのですが、これは日によって音が高かったり、低かったりと変化することはありません。基本的にいつも同じ高さです。そうしたときに、この洗濯機の音の高さを言い表すのが「音名」です。

 

この写真の、指で押さえている鍵盤は、しっかり調律さえしてあればどのピアノでも同じ高さの音が鳴ると思います。この任意の、ある鍵盤で鳴る音の高さを言い表すのが「音名」です。

 

どうでしょうか。ある高さの音に対して1つの名前が付けられているということですね。

 

では「階名」とは何なのでしょうか。

 

つづく

ソルフェージュをしよう

 

前回からのつづき

 

相対音感をもってすれば、基準の音から導かれる様々な音程を判断することができ、そのそれぞれに名前をつけていくことが可能となります。

それが、所謂「ドレミ」というやつです。

 

スクールでは、少し前にお話ししたリトミックの一環、というかそれと並行して、「ソルフェージュ」という練習を、これもいずれのコースにおいても実施していきます。

 

「ソルフェージュ」というのは、いろんなメロディをドレミで歌ったり聴き取ったりする練習です。

これによって、楽器はなんであれ単線のメロディは「歌えれば演奏できる」ようになりますし、歌もより正確に音程を認識して歌うことができるようになります。

 

そして、ここ重要です!よく覚えておいてくださいね。

この相対音感は、絶対音感と違って、大人になってからでも身につきます!

ホントですよ!

 

というか、そもそも音感というのは、ほぼ全ての人に備わっています。

例えば、同じ言葉でも地方によってイントネーションが違うのが分かりますよね。それで十分、音感はあると言えます。

要は、漠然とただ「語尾が上がった」とか「語尾が下がった」くらいにしか認識していない、その上がり具合や下がり具合を「音程」として掴んでいきましょうということです。

 

ただ、とっても悲しいことに、この相対音感を身につけるための練習やソルフェージュは、専門に音楽を学ぶ場では必須の項目ですが、趣味で音楽を楽しもうとする人に対しては、ほとんどその重要性が語られることも、レッスンでとりあげて練習することもありません。

 

なぜなんでしょうか。ずっと疑問です。

もう、趣味の方たちへのレッスンでは、そういう核心には触れずに、なんとなく表面的に音楽をやっているような気分に浸ってもらえればそれで良いでしょ、っていう、ぶっちゃけそういうの教えるのめんどくさいよね、っていう、そんなレッスンがまかり通っている気がしてならないです。

 

このコラムがひと段落したら、相対音感を身につけるためのプログラムの一部を、このブログでもご紹介していこうかと思っていますので、ぜひトライしてみてください。

少しづつビルドアップしていくので、最初はけっして難しくないですよ。

 

つづく

やっと本題の「○○音感」について

 

前回からのつづき

 

絶対音感がなければ音楽を楽しめないなら、既に成人していてその能力を持っていない人は、この先もずっと楽しむことができないことになります。

そんなわけありません。心配しないでくださいね。絶対音感がなくたって堂々と音楽やって良いんです。

 

クラシック音楽の世界は別にして、プロでもアマチュアでも、素晴らしい演奏をしている人、音楽を楽しんでいる人のうち、じつに多くの方が絶対音感を持っていません。

 

ただ、絶対音感を持っていなくても、先に述べた「歌える曲であれば演奏もできる」力を、彼らは持っています。

そしてそれはやはり、音を頼りにして、ということです。

 

絶対音感に比べると、かなり認知度が低いと思いますが、「相対音感」というものがあります。

聞いたことありますか?

 

この「相対音感」こそ、具体的な「音楽を楽しむための力」としての主だったもののうちの一つです。

具体的な話をすると言ってから、実に6回目にしてついに出てきました。でも、まわりくどいようでいて、全部大事なお話なんです。ホントに。

 

さて「相対音感」とは何なのか。なんとなく予想ができますか?

要は「絶対」に対しての「相対」ということなんですが、相対音感だけでは、絶対音感のように、ある高さの音を聴いてパッとその音の高さを判断することはできません。

しかしながら、一つでも基準となる音を与えられれば、それ以降に聴いた音の高さは、すべてその基準からの関係性、つまり相対的に判断ができます。

 

うまく伝わっていますでしょうか。

「この音がドだよ」と聞かされれば、その他は「じゃあこれはレだな、次はソだな」といった具合に分かるということですね。

 

どうですか?

「あ、オレ、相対音感持ってるわ」という方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。

 

つづく