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ビギナーのためのサックス入門その4「リード」

 

サックスはリードというパーツを息で震わせることで発音します。

だからリードがなければ演奏することができません。

小さいですが非常に大切なもの、それがリードです。

リードは消耗品で、いろいろな商品があります。

サックス奏者はみな、自分のお気に入りのリードを見つけて使っています。

 

リードはケーンという植物の茎というか樹皮?を薄〜〜く削ったものです。

とくに先端は薄くなっており、簡単に割れてしまうので、丁寧に取り扱ってあげましょう。

リード1枚の値段はどんどん上がっており、今やソプラノのリードで400円くらい〜バリトンのリードで1,300円!?ほど。

ちょっとでも割れたり欠けたりしたらやっぱりNGなので、ほんとに大事にしましょうね。

 

前回のマウスピース同様にリードも吹奏感や音色に影響するため、とくにポップスやジャズを演奏する多くのサックスプレイヤーは、自分が気に入るリードを求めてあれこれ試すのが通例。

まあ、楽器本体を頻繁に替えてはいられないので、マウスピースやリードでいろいろ試すこと自体はいいと思います。

とくにリードは消耗品ですからね。

 

で、リードにはどんな種類のどんなものがあるかと言いますと、まず天然のケーンでできた一般的なリードと、人工の樹脂でできたリードに大きく分けられます。

そもそもはケーンでできたものだけでしたが、15年ほど前かな?樹脂製のものが発表され話題になりました。

私はもっぱら天然のリードしか使っていませんが、樹脂製のものも近年になってすごく使えるようになってきていると聞きます。

そろそろ試してみようかな〜と思っているしだいです。

 

リードのバリエーションには大まかに「厚さ」「カット」という2つの項目があります。

 

・厚さ

厚さとは=硬さですね。

薄いリードは音色が明るく、少ない息でも振動しやすい(つまり発音しやすい)ですが、コシのないペラい音にもなりかねない。

また、唇の締め付けの影響を受けやすいので、ピッチが安定しづらいとも言えるし、細かいコントロールが可能だとも言えます。

厚いリードは太い音が鳴りますが、鳴らすにはしっかりした息の入れ方が必要になってきます。(抵抗感が強い)

厚さ(硬さ)は数字で表されています。

数字が小さい方が薄く、大きいいと厚い。

 

どのくらいの厚さがいいのか、についてはじついろいろな意見があり、どの意見にも一理あったりするので面白い。

ただ、学生の吹奏楽部において上手な人ほど厚いリードを使う、という認識があるようですが、これはどうなんでしょう?

そんな単純なものでもないように思うのですが。

 

じゃあでのくらいの厚さがいいんよ、と問われましたら私は「ムリのない厚さ」と答えるかな。

というのも、楽しくサックスを吹いていただきたい、という気持ちがあるから。

ある程度、息を入れたら素直に音になってくれた方がいい。

なかなか鳴らないなんてイヤじゃん。

でも薄ければ薄いほどいいかと言えば、今度は薄いことのネガティブな面というか難しい面が出てきますから、けっきょくのところ真ん中くらいの厚さがいいのでは。

メーカーにもよりますが、だいたい2半(2と1/2)〜3くらい。

それで吹いていって問題なければ、上達していくにつれ厚くしたり薄くしたりする必要もとくにないと思いますけどね。

 

・カット

次にカットです。

リードの樹皮の部分と削られている部分の境目がどうなっているか、これの違いです。

文字で説明するのはダルいので、写真を見てくださいね。

左がアンファイルドカット(もしくはアメリカンカット)、右がファイルドカット(もしくはフレンチカット)といいます。

アンファイルドはマイルドで深みのあるサウンド。

ファイルドはクリアで繊細なサウンド。

ジャズやポップスのプレイヤーはアンファイルドを使うことが多いのですが、それも絶対じゃないのでいろいろ試してみるといいかと。

実際の商品は、この2項目以外にも先端の厚さや両サイド側の削り加減などによって違いがあるわけです。

 

・リードのメーカー

リードはフランスのヴァンドレンと、アメリカのダダリオという2つのメーカーが大きなシェアを持っています。

ダダリオはギターの弦などで有名なメーカーで、リコという大手リードメーカーが傘下に入ったことで今はダダリオのリードとして売られています。

他にもいろいろメーカーはあるのですが、なにしろこの2社が強い。

ヴァンドレン(野中貿易のページ)

ダダリオのホームページ

 

・青箱

日本でサックスを始めようとするとまず紹介されるのが、通称「青箱」と呼ばれているヴァンドレンのトラディショナルというリード。

吹奏楽部ではもっぱらこればっかりだと思います。

サックス用品を少ししか取り扱っていないような楽器店の場合、リードは間違いなくこれが置いてあります。

このモデルはファイルドカットになります。

で、よく使われているだけあっていい物なんでしょうけど……はっきり言って私は好きじゃないです。ごめんなさい!

私にとっては吹きにくく、音もうーーん…。

ジャズやポップスを吹こうとこれからサックスを始める方にも、私だったらおすすめしないかな。

 

・とりあえずおすすめは

じゃあどれがいいんよ、と問われましたら、とりあえず私が使っているダダリオの「セレクトジャズ」をおすすめしときます。

セレクトジャズはアンファイルドとファイルドの両方のカットがありますが、アンファイルドの方で。

あと、セレクトジャズは厚さの表記がちょっと特殊というか、分割が細かいですが、2Mか2Hくらいを使ってみてください。

ヴァンドレンだったら、緑色の箱の「JAVA」がいいかな。

ダダリオのセレクトジャズ

ヴァンドレンのJAVA

 

・マウスピースとの組み合わせ

あ!前提として、リードだけでなくマウスピースとの組み合わせが重要です。

こればっかりは一概に言えないので試していただくしかないのですが、開きが広いマウスピースをお使いならやや薄めのリードを、開きが狭いマウスピースをお使いならやや厚めのリードを試してみてください。

マウスピースがメイヤーの5Mだったら、とりあえず2半くらいで。

 

・個体差

天然のリードはやはり天然のものなので個体差があります。

例えば10枚入りを1箱買っても、こりゃいいぜ!ってのが2枚くらい、なんじゃこりゃ!ってのが2枚くらい、あとのはフツー、といった具合。

人によっては、なんじゃこりゃ!のリードは捨ててしまうのだそうで…。

でも、吹けないわけじゃないですからね。私は捨てるなんてめっそうもない。

 

・コンディション

そしてコンディション。

湿ったり乾燥したりすることでコンディションが変化します。これも天然の植物だからしょうがない。

カラカラに乾いているとなかなか鳴りません。

リードの保存に湿度管理などを丁寧にしている人もいます。

私はケアに関してはけっこういいかげんな方ですが、つい先日のライブで、当日のサウンドチェック時にはバッチリだったリードが2時間後の本番でカラカラになっていたのには焦りました。

リードの消耗は、乾燥と湿潤をくり返すことで加速します。

 

・リードの寿命

リードは使い続けることで徐々にコシがなくなり(繊維がヘタり)、ペナペナな音になっていきます。

また、少ない息でも簡単になるようになってくるので楽は楽ですが、音が暴れてコントロールが難しく(リードミスしやすく)なります。

寿命がどのくらいかと聞かれても、その人がどのくらい吹いているのか、どんな吹き方をしているのかで変わってくるのでなんとも言えません。

ただ、新しいリードと吹き比べたとき、あまりにも吹奏感のギャップが大きいのはもうアウトでしょう。

そこで、リードは1枚を使い倒すのではなく、吹くたびに替える「ローテーション方式」で使うことをおすすめします。

 

・樹脂製のリード

そういう意味でも人工の樹脂製リードはちょっと気になる。

樹脂製のリードでは、レジェール、ファイブラセルなどが代表的。

1枚の値段は高い(3〜5,000円)ですが、個体差も少なく、コンディションに左右されない、そしてかなり長い間使えるわけですから。

 

ということで、リードについて長々と書いてみました。

ご参考になれば幸いです〜。

 

ビギナーのためのサックス入門その1「楽器の選び方」

ビギナーのためのサックス入門その2「サックスメーカー」

ビギナーのためのサックス入門その3「マウスピース」