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ビギナーのためのサックス入門その7「メンテナンス&リペア」

 

サックスという楽器は非常に細かく繊細なメカニズムでできていますが、丁寧な扱いをしていけば相当長く使うことができます。

実際、私が使っている楽器は何十年も前のものですが現役です。

 

ということで今回はメンテナンスについて。

私自身は楽器の扱いは決して丁寧な方ではありませんが、ちょっと棚に上げてお話しさせてください。m(_ _)m

 

サックスは真鍮でできた本体管とたくさんのキー、革を張ったタンポ、バネ、コルクやフェルトといったパーツの組み合わせでできています。

このうち、真鍮の部分は多少の腐食があったとしてもへっちゃらですが、それ以外のパーツは言わば消耗品です。

それらのパーツを交換していけば、楽器として長く使えるわけです。

 

また、パーツが消耗していなくても、ネジが緩んだりちょっとしたことで音が鳴りにくくなってしまうので、調整が必要です。

サックスの調整では、サウンドホールが隙間なく閉じるかどうかのチェック、キーアクションがスムーズかどうかのチェックなどをし、問題があればそれを解消します。

 

おいおい、随分と手がかかる楽器だな…と思われましたか?

そうなんですよ。サックス、手がかかるんです。

サックスにかぎらず木管楽器ってのは、けっこう手がかかる。

でも!

カッコいいじゃないですか、サックス!

だからたくさん手をかけてあげましょうよ。ええ。

 

サックスの調整は、サックスを売っている楽器店でしてもらえるかと言えば、必ずしもしてもらえません。

専門のリペアマンがいて工房がないとできないのです。

近くにそういう場所がなければ、楽器店に預けて楽器店が工房に依頼することになると思います。

でも、できればリペアマンがいる工房に直接持ち込んでいろいろ話を聞いてもらえるようになると、あとあと心強いです。

個人でやっている工房が意外といろんな場所にあるので、インターネットで調べてみてください。

楽器を発送して診てもらうこともできますが、十分に楽器をケアした梱包をしてあげましょう。

 

ここでよくある質問が、調整の頻度です。

これはもう、日頃どのくらいサックスを吹いているかによって変わってくるので一概には言えないのですが…。

少なくとも1年に1回は診てもらうと安心です。

状態の悪いサックスを吹いていると、上手くいかない原因が自分にあるのか楽器にあるのか分からなくなってしまう。

そういう懸念がないように、ということですね。

毎日のように吹くような方は半年に1回くらいは診てもらっていると思います。

一方でまったく吹かずにに置いておいても、いい状態はずっとはキープできません。

何年もケースに入っていたような楽器は、再度吹くにあたっては調整が必要になります。

 

調整にかかる費用もこまめに診てもらっているとさほどかかりませんが、どこかに不具合が出てから持っていくとけっこうかかります。

チェックしてバランスを調整するだけなら数千円、オーバーホール(全分解して傷んだパーツをすべて交換する)となると何万円もかかります。

あきらかな不具合が出る前に診てもらうのが賢明だっていうことですね。

あきらかな不具合がなかったとしても、調整に出して帰ってきた楽器を吹くと…ワオ!吹きやすい〜気持ちいい〜、となるのですよ。

すごいですね〜、リペアマン。

 

ちなみに、そんなに金がかかるのなら自分でやっちゃえば…と思う方もいらっしゃるでしょうが、素人にはまずムリです。

楽器1本を練習台にと割り切って弄るならトライしてみてもいいかもですが。

たまーにリペアの講習とかやってるのも見かけますが、専門の学校があったり、長く修行したりしてリペアマンになれるのでしょうから、1日2日じゃやっぱり難しいんじゃないかな…。

いや、自分でできたらいいですけどね、マジで。

 

ということでサックスの調整について書きましたが、そもそものデイリーなケアが大事なのは言うまでもありませんね。

スワブを通して水気を拭き取ってやるのはもちろん、楽器を倒した、楽器を落としたなんてのは言語道断ですからね。

我が子のように大切にしてあげましょう。

ビギナーのためのサックス入門その6「備品」

 

サックスの演奏に必要なのは楽器本体、マウスピース、リード、リガチャー、ストラップの4点です。

いっぱいありますね。

でも心配しないでください。楽器を新品購入すればおおむね付属していますから。

リードくらいですかね、別途購入するのは。

 

が、まだあります、必要なもの。

それは、楽器を吹き終えたあとのお片付け時にないと困るものです。

それがお掃除用具です。

 

・スワブ

サックスは寒い中で吹いていたりするととくに、外気の温度差で結露して管内に水分が溜まります。

吹いている最中はしょうがないのですが、吹き終えて楽器を片付ける際に水分を拭き取ってやらねばなりません。

サックスのトーンホールを塞ぐタンボは革でできていますから水気がNGなのは当然ですね。

金属部分も錆びたり劣化につながりますから、とにかく水気はNGです。

手の届かない管内を拭くためのスワブという道具があります。

布に紐と重りがついただけのやつですけど。

重りを管に通して反対側から引っ張ることで布も管を通り、水分を拭き取るというシンプルな仕組み。

一手間かかるのですが、本体に関しては最低でもこれだけはやっておきましょう。

ということで、スワブ!大事です。

 

あ!そうだ、これ書いとかなきゃ。

よくあるのが、スワブを管の中に詰まらせてしまうというトラブル。

私も最初のころやったような記憶があります。

これ、マジで焦るし、最悪、自分ではニッチモサッチもいかなくなってしまいます。

そうなったら病院行き(リペア工房行き)です。

恐ろしい…。

スワブをぐしゃっと団子状にして入れたまま反対側からひっぱってしまうと危険です。

布の部分はちゃんとのばしてから入れていきましょう。

 

・クリーニングペーパー

革のタンポに水分が付いてしまったら、放っておいてはダメです。

専用の薄い紙がありますので、こいつで拭き取ってあげましょう。

ティッシュで拭いたりしちゃダメですよ!

拭くときはペーパーをトーンホールとタンポで軽く挟んであげましょう。

強く挟んだ状態からペーパーを引き抜いたり、ゴシゴシ擦ったりしてはいけません。

タンポはデリケートなもの、かつ交換するとけっこうお金がかかるもの。

優しく丁寧に扱ってあげましょう。

タンポが濡れていなければ毎回毎回すべてのタンポを拭く必要はありませんが、ホコリを落とす意味でもたまには拭いてあげるといいと思います。

 

・パウダーペーパー

サックスをケースから出し吹き始めると、ときにタンポがトーンホールにペタペタと貼りついて思ったように吹けないことがあります。

キーを開けても音が変わるタイミングが遅れてしまったり、吹き始めにG♯/A♭キーが開かなくなっていたりするのは、あるある。

だいたいはクリーニングペーパーなどでのタンポのケアが不足していることが原因です。

やっぱり日頃のお手入れは大事ですね。

とは言え今すぐにこのベタつきを解消したい!というときに使えるのがこのパウダーペーパー。

サラサラした粉が付いていて、クリーニングペーパーの要領でこいつでタンポを軽く拭いてやると貼りつかなくなります。

しかし!こいつは使いすぎるとタンポの劣化につながるので、どうしようもないとき以外は使わない方がよさそうです。

 

・コルクグリス

ネックの先端はコルクが巻いてありますね。

ここにマウスピースをねじ込んでいくわけですが、購入したばかりの楽器やコルクを巻き直したばかりだと、かなりキツくて大変です。

ここでムリをするとネックやオクターブキーを歪ませてしまいますので注意してください。

こういうときはコルクグリスを薄く塗って滑りをよくしましょう。

それでもキツい!という場合はもう少し薄いコルクに巻き直してもらいましょう。(次回、楽器の調整について書きます。)

コルクグリスも塗りすぎは禁物です。

理由はベタベタになるから!

 

あとこれは必要というわけではないのですが、個人的にはあると嬉しいのがスタンドです。

サックスは置き方にもちょっとした注意が必要で、変な置き方をすると楽器によくありません。

右手のテーブルキーを天井に向けて置いていただければ問題ありませんが、スタンドがあるとサッと置いて、またサッと手にとって吹くことができます。

サックスの練習環境を確保するのはなかなか大変だとは思いますが、もしご自宅で吹ける方がいらっしゃったらスタンドの利用をおすすめします。

いちいち楽器をケースに閉まうとなると、その出し入れのひと手間が拭くことへの腰を重くする可能性があるからです。

 

もう1つ、肩に掛けられるサックスケースもあるといいですね。

木の板で作られた純正のケースなどはとにかく重く、持ち運びが大変です。

その分頑丈で安心ではあるのですが…。

持って歩くとちょいちょい足にぶつかったりしてなかなかにしんどいです。

そうなると、外に持ち出しての練習にもまた腰が重くなってしまうかもしれません。

ある程度頑丈で軽く、肩から掛けられるケースをおすすめします。

ビギナーのためのサックス入門その5「リガチャー・ストラップ」

 

マウスピース、リードと書いてきましたが、サックスの演奏にはまだ必要なものがあります。

マウスピースとリードを1つにまとめて留めておくためのリガチャーと、演奏時に楽器を吊るためのストラップです。

リガチャーとストラップはいずれも新品で楽器を購入すれば付属していますが、これらもやはりいろいろな製品があります。

プレイヤーは自分の好みのものを選んで使っている場合が多い。

 

 

ではまずリガチャーからいきましょう。

一般的には金属でできており、2本のネジを締めることでマウスピースとリードを留めます。

たったそれだけの役目ですが、これによっても吹奏感や音色が変わるんですね。

めんどくさい

繊細ですね〜。

マウスピースやリードしかり、自分の口に近いところほど重要なのです。

 

いろいろなメーカーが工夫を凝らしたリガチャーを作っており、形や素材もさまざま。

ワイヤー状のものやただの輪っか状のもの、ベルトのようなもの、バネのようなもの。

ネジを締める位置も、リード側で締める順締めとマウスピース側で締める逆締めがあり…。

そしていろいろな金属、いろいろなメッキ、革製のもの、ゴム、繊維でできたものなど。

 

これだけいろいろあるんだから、さぞかし違いがあるんだろう、と思うじゃないですか?

じつは…

あるんですよ、違いが!

手で握り込めるくらいの小さなパーツなのに、不思議ですね〜。

 

そんな小さなパーツですが、数万円するようなものも珍しくありません。

そりゃー効果も期待しちゃいますよね。

 

私も以前はいろいろ試してみましたが、アルトでずっと使っているのは古〜いメイヤーのマウスピースに付属していたリガチャーです。

もう、なんてことないやつ。

テナーはメーカーすらも分からない、これまた古〜いやつ。これもなんてことない。

ソプラノはヴァンドレンの金属製のやつだったかな…。

バリトンは、う〜〜んなんかベルトのやつだな。

…つまりはさほど関心がございませんで、すみません。

というのも、あくまで個人的にはですが、リガチャーに音の輪郭を際立たせたり音を明るくしたりということをあまり望んでいないのです。

ちゃんとマウスピースとリードを留めててくれればいい。

 

ただ、たまに形が歪んでしまっているリガチャーを見かけるのですが、あれはいただけない。

マウスピースやリードに触れる場所や面積が不均等で、音も暴れてしまうのでNGです。

踏んづけたりしたら一発でアウトですから、大切に扱ってあげてください。

 

で、おすすめ?

うーーん、あまり高価すぎないところで、GB社の布製のモデルや、ロブナー社のゴム製のモデルはどうでしょうか。

楽器付属のリガチャーは金属(真鍮)製だと思いますので、思いきって布やゴムを試してみると面白いかもしれません。

 

 

次にストラップ。

サックスは金属の塊なので、手で持って演奏するのはめちゃめちゃキツイです。

だから楽器はストラップを使って首から吊っていきます。

(ここ大事なので、そのうちちゃんと書きます。)

 

バリトンサックスなんかもう、首から吊っても首が取れるんじゃないかってくらい重いです。

そんなときは肩からかけるようなタイプのストラップを使ったりもします。

 

アルトサックスですら「思ったより重いんですね…」とよく言われます。

せっかく楽しもうと思っても、首がしんどくて少しの時間しか吹けない、というのはイヤですよね。

というわけで、快適に演奏するために超重要なのがストラップ

 

楽器付属のストラップは、なんというか…紐です。はっきり言って。

首と肩の間にめり込みます。

これでバリトンサックスはマジでエグい。

 

ということで、首や肩への負担を軽減すべく考えられた製品がいろいろございます。

とりあえず首に当たる部分にふかふかしたクッションが付いているだけでもだいぶマシです。

 

あと、純正のストラップは楽器本体に取り付けるとき、ただ引っかけるだけのフックのものだったりします。

これは慣れないと、気づいたらストラップが外れていた、なんてことがザラに起きます。

ともすれば楽器を落として一巻の終わり。

なので、スナップフックっていうんですかね、バネでパチンと閉じるやつ。そういうフックがおすすめです。

 

いろんな製品がありますが、代表的なやつをご紹介しておきます。

 

・バードストラップ

胸元にV字が開いたような金属のプレートがあり、これによって首元の圧迫感を感じることなく演奏できます。

首のパッドもふかふか、もちろんスナップフック。

色やサイズがいろいろ選べるようです。

 

・ブレステイキング

首元を大きく開けて、背中から脇の下を通すもう1本のストラップがあるブレステイキング。

首や肩への負担軽減ということにおいては抜きん出た製品。

 

私?私はもうず〜〜っと古いヤナギサワ純正の紐を使っております。はい。

 

ビギナーのためのサックス入門その4「リード」

 

サックスはリードというパーツを息で震わせることで発音します。

だからリードがなければ演奏することができません。

小さいですが非常に大切なもの、それがリードです。

リードは消耗品で、いろいろな商品があります。

サックス奏者はみな、自分のお気に入りのリードを見つけて使っています。

 

リードはケーンという植物の茎というか樹皮?を薄〜〜く削ったものです。

とくに先端は薄くなっており、簡単に割れてしまうので、丁寧に取り扱ってあげましょう。

リード1枚の値段はどんどん上がっており、今やソプラノのリードで400円くらい〜バリトンのリードで1,300円!?ほど。

ちょっとでも割れたり欠けたりしたらやっぱりNGなので、ほんとに大事にしましょうね。

 

前回のマウスピース同様にリードも吹奏感や音色に影響するため、とくにポップスやジャズを演奏する多くのサックスプレイヤーは、自分が気に入るリードを求めてあれこれ試すのが通例。

まあ、楽器本体を頻繁に替えてはいられないので、マウスピースやリードでいろいろ試すこと自体はいいと思います。

とくにリードは消耗品ですからね。

 

で、リードにはどんな種類のどんなものがあるかと言いますと、まず天然のケーンでできた一般的なリードと、人工の樹脂でできたリードに大きく分けられます。

そもそもはケーンでできたものだけでしたが、15年ほど前かな?樹脂製のものが発表され話題になりました。

私はもっぱら天然のリードしか使っていませんが、樹脂製のものも近年になってすごく使えるようになってきていると聞きます。

そろそろ試してみようかな〜と思っているしだいです。

 

リードのバリエーションには大まかに「厚さ」「カット」という2つの項目があります。

 

・厚さ

厚さとは=硬さですね。

薄いリードは音色が明るく、少ない息でも振動しやすい(つまり発音しやすい)ですが、コシのないペラい音にもなりかねない。

また、唇の締め付けの影響を受けやすいので、ピッチが安定しづらいとも言えるし、細かいコントロールが可能だとも言えます。

厚いリードは太い音が鳴りますが、鳴らすにはしっかりした息の入れ方が必要になってきます。(抵抗感が強い)

厚さ(硬さ)は数字で表されています。

数字が小さい方が薄く、大きいいと厚い。

 

どのくらいの厚さがいいのか、についてはじついろいろな意見があり、どの意見にも一理あったりするので面白い。

ただ、学生の吹奏楽部において上手な人ほど厚いリードを使う、という認識があるようですが、これはどうなんでしょう?

そんな単純なものでもないように思うのですが。

 

じゃあでのくらいの厚さがいいんよ、と問われましたら私は「ムリのない厚さ」と答えるかな。

というのも、楽しくサックスを吹いていただきたい、という気持ちがあるから。

ある程度、息を入れたら素直に音になってくれた方がいい。

なかなか鳴らないなんてイヤじゃん。

でも薄ければ薄いほどいいかと言えば、今度は薄いことのネガティブな面というか難しい面が出てきますから、けっきょくのところ真ん中くらいの厚さがいいのでは。

メーカーにもよりますが、だいたい2半(2と1/2)〜3くらい。

それで吹いていって問題なければ、上達していくにつれ厚くしたり薄くしたりする必要もとくにないと思いますけどね。

 

・カット

次にカットです。

リードの樹皮の部分と削られている部分の境目がどうなっているか、これの違いです。

文字で説明するのはダルいので、写真を見てくださいね。

左がアンファイルドカット(もしくはアメリカンカット)、右がファイルドカット(もしくはフレンチカット)といいます。

アンファイルドはマイルドで深みのあるサウンド。

ファイルドはクリアで繊細なサウンド。

ジャズやポップスのプレイヤーはアンファイルドを使うことが多いのですが、それも絶対じゃないのでいろいろ試してみるといいかと。

実際の商品は、この2項目以外にも先端の厚さや両サイド側の削り加減などによって違いがあるわけです。

 

・リードのメーカー

リードはフランスのヴァンドレンと、アメリカのダダリオという2つのメーカーが大きなシェアを持っています。

ダダリオはギターの弦などで有名なメーカーで、リコという大手リードメーカーが傘下に入ったことで今はダダリオのリードとして売られています。

他にもいろいろメーカーはあるのですが、なにしろこの2社が強い。

ヴァンドレン(野中貿易のページ)

ダダリオのホームページ

 

・青箱

日本でサックスを始めようとするとまず紹介されるのが、通称「青箱」と呼ばれているヴァンドレンのトラディショナルというリード。

吹奏楽部ではもっぱらこればっかりだと思います。

サックス用品を少ししか取り扱っていないような楽器店の場合、リードは間違いなくこれが置いてあります。

このモデルはファイルドカットになります。

で、よく使われているだけあっていい物なんでしょうけど……はっきり言って私は好きじゃないです。ごめんなさい!

私にとっては吹きにくく、音もうーーん…。

ジャズやポップスを吹こうとこれからサックスを始める方にも、私だったらおすすめしないかな。

 

・とりあえずおすすめは

じゃあどれがいいんよ、と問われましたら、とりあえず私が使っているダダリオの「セレクトジャズ」をおすすめしときます。

セレクトジャズはアンファイルドとファイルドの両方のカットがありますが、アンファイルドの方で。

あと、セレクトジャズは厚さの表記がちょっと特殊というか、分割が細かいですが、2Mか2Hくらいを使ってみてください。

ヴァンドレンだったら、緑色の箱の「JAVA」がいいかな。

ダダリオのセレクトジャズ

ヴァンドレンのJAVA

 

・マウスピースとの組み合わせ

あ!前提として、リードだけでなくマウスピースとの組み合わせが重要です。

こればっかりは一概に言えないので試していただくしかないのですが、開きが広いマウスピースをお使いならやや薄めのリードを、開きが狭いマウスピースをお使いならやや厚めのリードを試してみてください。

マウスピースがメイヤーの5Mだったら、とりあえず2半くらいで。

 

・個体差

天然のリードはやはり天然のものなので個体差があります。

例えば10枚入りを1箱買っても、こりゃいいぜ!ってのが2枚くらい、なんじゃこりゃ!ってのが2枚くらい、あとのはフツー、といった具合。

人によっては、なんじゃこりゃ!のリードは捨ててしまうのだそうで…。

でも、吹けないわけじゃないですからね。私は捨てるなんてめっそうもない。

 

・コンディション

そしてコンディション。

湿ったり乾燥したりすることでコンディションが変化します。これも天然の植物だからしょうがない。

カラカラに乾いているとなかなか鳴りません。

リードの保存に湿度管理などを丁寧にしている人もいます。

私はケアに関してはけっこういいかげんな方ですが、つい先日のライブで、当日のサウンドチェック時にはバッチリだったリードが2時間後の本番でカラカラになっていたのには焦りました。

リードの消耗は、乾燥と湿潤をくり返すことで加速します。

 

・リードの寿命

リードは使い続けることで徐々にコシがなくなり(繊維がヘタり)、ペナペナな音になっていきます。

また、少ない息でも簡単になるようになってくるので楽は楽ですが、音が暴れてコントロールが難しく(リードミスしやすく)なります。

寿命がどのくらいかと聞かれても、その人がどのくらい吹いているのか、どんな吹き方をしているのかで変わってくるのでなんとも言えません。

ただ、新しいリードと吹き比べたとき、あまりにも吹奏感のギャップが大きいのはもうアウトでしょう。

そこで、リードは1枚を使い倒すのではなく、吹くたびに替える「ローテーション方式」で使うことをおすすめします。

 

・樹脂製のリード

そういう意味でも人工の樹脂製リードはちょっと気になる。

樹脂製のリードでは、レジェール、ファイブラセルなどが代表的。

1枚の値段は高い(3〜5,000円)ですが、個体差も少なく、コンディションに左右されない、そしてかなり長い間使えるわけですから。

 

ということで、リードについて長々と書いてみました。

ご参考になれば幸いです〜。

 

ビギナーのためのサックス入門その1「楽器の選び方」

ビギナーのためのサックス入門その2「サックスメーカー」

ビギナーのためのサックス入門その3「マウスピース」

ビギナーのためのサックス入門その3「マウスピース」

 

サックスという楽器はいくつかのパーツを組み合わせた状態で演奏します。

本体以外にマウスピース、リガチャー、リード、そしてストラップが必要です。

その中で今回はマウスピースについてお話ししていこうと思います。

 

新品で楽器を購入すると、たいていは黒い樹脂製のマウスピースが付属しています。

もちろんこれを使って吹いていけばいいのですが、じつはマウスピースはそれ単体でいろんなメーカーのいろんなモデルがあり、とくにジャズやポップスを演奏する多くのサックスプレイヤーは、自分が気に入るマウスピースを求めてあれこれ交換するのです。

なぜか。

それはマウスピースが吹奏感や音色にもたらす影響がとても大きいからです。

 

私は以前、レッスンでいろんなメーカーのサックスを使っていた時期があります。

中には価格の安い楽器もありましたが、ちゃんと調整してありさえすれば問題なく使用していました。

ただし、マウスピース(リガチャーやリードも含む)はいつも決まったものでないとNGでした。

逆に言えば、自分の使い慣れたマウスピース(リガチャーやリードも含む)であれば、ぶっちゃけ楽器は何でもいい。…というのは言いすぎか。

 

とにかく大事なパーツなんですよ、マウスピースってのは。

直接口に当てて息を吹き込む部分ですからね。

発音する部分。

そりゃベルの先端の形状なんかより重要なのは分かりますよね。

 

ここからはクラシックの演奏ではなく、ジャズやポップスの演奏を前提としてお話ししていきます。

まず、最初に付属しているマウスピースってのは、メーカーにもよりますが良くも悪くも標準的なものである場合が多いです。

あるいは安価なサックスの場合、ちょっと精度が低くあまり吹きやすくないマウスピースが付属しているかもしれません。

精度が低い場合は言わずもがな、いいマウスピースの購入をおすすめします。

セルマーやヤマハのサックスを購入した場合も往々にして、表現の幅を求めていずれは別途マウスピースを購入していく人が多いということです。

 

マウスピースの製品によっては「ジャズ用」となっているものもありますが、それを使ったら演奏がジャズになるわけでもないので、あくまで目安ですね。

クラシック奏者が好んで使うマウスピースを使ってバリバリジャズを吹く人もいるでしょうし。

そういう意味では、マウスピースのモデルもさることながら、セッティングが肝だということが言えます。

いちおう傾向をあげておきますと、

・開き(ティップオープニングと言います。マウスピースの先端とリードの間の幅):クラシックは狭め、ジャズは広め

・中の広さ(チェンバーと言います。空洞の容積):クラシックは狭め、ジャズは広め

 

あと、素材ですね。

これはけっこういろいろあります。

まず、大きく分類されるのが樹脂製か金属製か。

樹脂製をラバー、金属製をメタルって言ったりします。

フュージョンやロックなど、音量の大きな楽器(エレキギター、エレキベース、シンセ、ドラムなど)と一緒に演奏するジャンルでは、サックスの音が埋もれないようにしたい。

そんなときメタルのマウスピースがよく使われます。

メタルマウスピースの多くは抜けの良い派手なサウンドが得られるようデザインされています。

ラバーは逆に柔らかくダークなサウンドが得られるようデザインされているものが多い。

実際にはラバーにもメタルにもその中でさらに細かく素材が分かれています。

他には木製のマウスピースなんてのもあります。

 

サックスのマウスピースを専門に作るメーカーもたくさんあります。

まあとにかくマウスピース、いっぱいあるわけですよ。

 

じゃあ、どれ使えばいいの?

と聞かれたら、

アルトの場合、私はもう(めんどくさいから「メイヤーにしときましょ!」と答えています。

だっていっぱいある製品を全部試すなんて無理だもん。

そして自分で試してもないようなものを勧められないもん。

その点メイヤーであれば、もう何年も何本も吹いてきているので。

メイヤーはコントロールしやすく音量も出るので、何を吹くにも対応しやすいです。

アルトでジャズやポップス系を吹くなら、王道中の王道。

メイヤーのマウスピース(の中貿易のページ)

テナーの場合、私はもう(めんどくさいから「リンクのメタルにしときましょ!」と答えています。

こちらもテナーででジャズやポップス系を吹くなら、王道中の王道。

ダークでウォーム、ザ・ジャズテナーなサウンドです。

オットーリンクのマウスピース(の中貿易のページ)

 

 

さて、ここからはあくまで自論なんですが…

メイヤーより、リンクのメタルより自分に合ったマウスピースっていうのは、もしかしたらあるかもしれませんね、世の中には。

お金と時間が無限にあるのなら、自分にとってはコレが一番だ!というマウスピースを求めていろいろ試したらイイと思うんですけどね。

でも「いい演奏をする」ってことが目的なら、その時間はできるだけ練習に当てた方がいいと思うんですよ。

そのお金は、いろんな音源を聴いたり、ライブに行ったり、旅行をしたり、美味しいもの食べたりするのに使った方がいいと思うんですよ。

そういう意味では、メイヤーやリンクのメタルはベストではないかもしれないけど十分にベター、十分に期待に応えてくれるはず。

だから私は道具を引っ換えとっかえっていうのはあんまりしてきていません。

マウスピースも同じものを買いなおすくらいで、もう何年も新しいものを買っていません。

でもテナーのマウスピースはちょっと欲しいな…。

お金入ったら見に行こ〜。