ジャンルを整理する13 ヘヴィメタル②

 

ヘヴィメタルというロックの新しい動きもやはりイギリスが先導しましたが、80年代になると、ついにアメリカからあのバンドが登場します。

 

ご存知、メタリカです。

 

ヘヴィメタルシーンのみならず、ロックバンドとしてセールス的にも最も成功したバンドのうちの1つです。

「ダウンピッキングの鬼」ヴォーカル&ギターのジェイムズ・ヘットフィールドと、強靭なリズムを叩き出すドラムのラーズ・ウルリッヒを中心としたメタリカは、高速なビートとザクザクと刻まれるギターリフによって「スラッシュメタル」というジャンルを確立します。

スラッシュメタルはハードコアパンクからの影響も大きく、攻撃的で荒々しいヴォーカルは、高音域でシャウトするようなヘヴィメタルのそれとはまた違った印象をもたらしています。

 

結成当時のメタリカのギタリストだったデイヴ・ムステインは、メタリカ脱退後にメガデスというバンドを作ります。メガデスには日本のTVでもおなじみのマーティ・フリードマン(Gt)も参加していました。

さらに時を同じくしてカリフォルニアからスレイヤー、ニューヨークからアンスラックスというスラッシュメタルバンドが始動します。

メタリカを含むこの4つのバンドは「BIG4」と言われました。

 

また、スラッシュメタルの影響下にありながら、スピードより「重さ」を求めたパンテラのようなバンドは後のミクスチャーロックへも繋がるサウンドを作りました。

 

こういったたくさんのバンドの人気に乗って、ヘヴィメタルの専門雑誌やテレビ番組が作られました。

 

 

ヘヴィメタルは非常に細分化されたサブジャンルを抱えています。

その1つであるスラッシュメタルは、よりハードコアな側面を強めた「デスメタル」「メタルコア」「グラインドコア」といったサブジャンルをさらに生んでいきます。

 

 

ところで、このあたりのバンドはサウンドに伴い見てくれもかなりイカツイです。強面ばっかり。

 

一方で、80年代のヘヴィメタルを思い描いたとき、その髪型やファッションは多くの人が共有するある種のイメージがあります。長髪で煌びやか?なやつ。

そういったイメージを作ったであろう、モトリークルーポイズン、さらには初期のボン・ジョヴィといったバンドは、「グラムメタル」と括られたりもしました。

また、これらのバンドの多くがロサンゼルスのライブハウスで活動をスタートさせたことで、「LAメタル」という言葉もあります。

 

 

 

ヘヴィメタルはもちろんイギリス、アメリカだけでなく世界中に飛び火します。

中でも、スコーピオンズハロウィンといったバンドが牽引したドイツの「ジャーマンメタル」は今でも根強い人気を誇っています。

 

また、スウェーデンからは速弾きギターといえばこの人、イングウェイ・マルムスティーンが登場します。

 

 

日本にもヘビメタバンドはたくさんあります。

代表的なのはご存知X JAPAN。さらに、海外にも進出したラウドネス、デーモン閣下率いる聖飢魔IIマキシマム ザ ホルモンなど。

最近ではBABY METALのワールドワイドな活躍が挙げられます。

 

ジャニス憑依す

 

今朝ネットを見ていたら目に留まった広告が。

 

映画『ジャニス・ジョプリン』7月2日より全国順次上映!

 

おお!!

 

最近、どうもジャニスが不足していたと思っていたんですよ。

公開まで少し時間がありますが、グッドニュースですわ〜。

 

 

と、詳細を読んでみると、

ん?ブロードウェイの舞台作品を映画化?

ドキュメンタリーではないの?

 

メアリー・ブリジット・デイヴィスという方がジャニスを演じるのだとか。

 

ああ〜〜…。

伝記もので役者さんがアーティストを演じる作品はいくつもありますが、正直あんまりピンとこないことが多いんですよね…。

 

 

メアリー・ブリジット・デイヴィスさんを存じ上げなかったので、検索してみると動画が出てきました。

 

ちょっと見てみますか…。

 

 

 

!!!!

これは…!

ジャニス!?

 

表情からオーラまでジャニスのそれ。(ぽっちゃり系だけれど)

これはモノマネではなく完全に憑依ですね。

 

ジャニス云々を抜きにしても単純に素晴らしいパフォーマンス!

 

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俄然、公開が楽しみになってきました。

 

ブロードウェイシネマ『ジャニス・ジョプリン』 7月2日より全国順次上映

 

最初から楽しんだっていいじゃない

 

歌や楽器をやるにあたって、「上手になりたい」という気持ちを持つことは自然だし、素晴らしいことです。

 

しかし、「上手にならないといけない」かと言えば、必ずしもそうとは限らない、と私は思います。

 

それでお金を取ろうと思ったら、聴く人を納得させるだけの「何か」は必要でしょうが、純粋に趣味としてであれば上手にならなくたってかまわない。

本来、趣味であれば「楽しんだもん勝ち」なはずです。

 

 

でも、なぜかみんな「上手にならないといけない」という思いにかられてしまう。

 

強迫観念とも言えるようなこの思い。

かくいう私も以前はそう思っていました。

 

これ、なんででしょうね…??

 

 

教則本や教則ビデオ、Youtubeのレッスン動画を見ても、どれもこれも「上達のため」

 

「下手でもいい!楽しけりゃ!」みたいな教則本って見たことないですもんね。

「教則」本だから当たり前か…?

いやいや、よくある知識や技術ではなく「楽しみ方」について教えてくれる教則本があったっていいんじゃない?

 

 

念を押しておきますけど、やるからには「上手になりたい」と思うのは自然だし、素晴らしいことです。

ただ、「上手になろうとする」以外の音楽との関わり方が、見つけにくい(とくに初心者の方にとって)ことに疑問を感じてしまうんです。

 

 

 

もちろん世の中には、とくべつ上手じゃないけどすごく音楽を楽しんでいるっていう方もたくさんいます。

 

私がパッと思い浮かべたのは、夢中になってリコーダーを吹く小学生、キャンプを張ってギターと一緒に歌う若者、スナックで気持ちよさそうに酔っぱらって歌う壮年の方々…。

 

そういう方々の歌や演奏を聴くと、ハッとさせられることがあります。

他人に対してなるべくカッコ悪いところは見せまいと取り繕うことに一生懸命なのではなく、純粋に自分(たち)と音楽との対話を楽しんでいるようで…。

 

そしてそういうときの音楽って、だいたいがシンプルなものだったりします。

歌うことも演奏することも難しい音楽、聴くにも難解な音楽、じゃない。

 

 

人が音楽を始めるきっかけはさまざまでしょうから、「上手い人の歌や演奏を聴いて憧れたり刺激を受けたりして、それを目標に始めた」という方も少なくないでしょう。

でもそういう方の中には、思うように上達していかないことに苦しんでいる方もいらっしゃるかもしれません。

 

もしかすると苦しくなってしまうのは、「上手になれば楽しめる」という考えを持っているからではないでしょうか。

これは裏を返せば「上手でなければ楽しくない」ということにもなってしまいかねないわけで…。

 

 

確かに上手になればなった分だけ楽しさが増す、ということはあるでしょう。

しかし、上手にならなければ音楽を楽しめないかと言えばそんなことはないのではないでしょうか。

 

むしろ最初のうちから楽しめていないと、「そのうち、いつか楽しくなる」っていうのは、個人的にはあんまり想像できません。

ずっと辛い練習をしていて、あるときを境に急に楽しくなる、ということってあるのかな…。

あるのかもしれないけど、最初のうちから楽しむことはなにも悪いことではないと思うので、それならそっちのほうが良いんじゃないかな。

 

簡単なことでも十分に楽しめますよ。

本来、それこそが音楽の素晴らしいところの1つでもあるのだから。

 

 

当スクールでは、目標を見据えながらも、「今の時点でできる範囲のことをやって、それで音楽を楽しむ」ということも大切にしています。

 

イメトレ大事

 

上達のためには練習は不可欠です。

 

練習せずに上手くなった人を私は知りません。

上手い人というのは、例外なくよく練習しています。

それ(努力)を表面に出す出さないの違いはあれど。

 

ただし、なんと言うか、ただ練習すりゃいいってものでもないんですね。

漫然と練習するより、目的を明確にし、その点を意識して練習することで、効率よく成果をあげていけるのだと思います。

 

 

ふと、こんなエピソードを思い出しました。

 

先日他界された日本を代表するセッションドラマー、村上”ポンタ”秀一さんがおっしゃっていたことです。

(その昔ビデオで見たときの記憶なので、正確ではないかもしれません。)

 

ポンタさんは、ドラムをやろう!と思ってから、実際にスティックを握るまでに1年以上かけたそうです。

その間、いわゆるイメージトレーニングをずっとしていたそうです。

ドラムのパターンを口に出して歌い、それを実際に叩けるよう、何度も何度もイメージしていた。

だから初めてスティックを握ったときにはもう叩けたと。

それから4日後にはフォークグループ「赤い鳥」のドラマーオーディションで叩いていた…。

 

マジか。

 

その後の活躍は多くの方の知るところですね。

 

 

ポンタさんがスティックを握るまでにしていたこと

・パターン(フレーズ)をイメージすること

・それを歌うこと

・さらにそれにに沿って身体を動かすイメージをすること

 

 

ところが多くの場合

とにかく叩く→うまく叩けない→もっと叩く→まだうまく叩けない→もっと叩く→まだうまく叩けない→もっと叩く

というサイクルになりがちではないでしょうか。

 

つまりは、このサイクル中の

「もっと叩く」を(こそ)練習だと思っている方がほとんど

ではないでしょうか。

 

もちろんそれは練習の1つのあり方でしょう。

物量が物を言う、という側面はやっぱりありますから。

 

でもこの流れの中には、上記のポンタさんがスティックを握るまでにしていたことは入っていません。

誰しもがポンタさんのようにはいかないかもしれませんが、意識して行っていく価値は十分にありますよね。

 

 

生徒さんから「練習メニューをください」って言われることがたまにあって、もちろんこちらからもメニューを出したりもしているのですが、ただそれを「こなす」のと、目的意識を持って取り組むのとでは、成果に大きな違いが出てきます。

もっと言えば、目的意識を持つことができれば、練習メニューは自分で考えていくこともできると思います。

そうなってくれば上達も早いのではないでしょうか。

 

【ドラム】好きなドラマー6(レギュラーグリップ)

 

ドラマーのご紹介も忘れておりませんよ!

 

ここまでファンクやフュージョンよりの人選になってましたので、ここらでいっちょロックドラマーを、と思ったんですけどね。

いーーっぱいいますからね。

 

2分くらい悩みましたけど、この人で行ってみたいと思います!

 

 

スチュワート・コープランド

(Stewart Copeland)

 

 

なぜか。

それは私が…

第一にレギュラーグリップが好きだから。

第二にジャマイカンミュージックが好きだから。

 

そうなるとロック界広しと言えど、もうこのお方をおいておりますまい!

いたら教えて !

 

 

コープランドはイギリスのポスト・パンク/ニューウェイヴバンド、ポリスのメンバー。

ちなみに彼自身はアメリカ出身。

 

ポリスのサウンドがあのように魅力的であるということに、彼のドラムは非常に多くの貢献をしています。

 

 

さて、私がドラムを初めて叩いたとき、おそらく他の多くの方もそうだったようにベーシックな8ビートから練習しました。

ドッツッタッツッドッツッタッツッ…ってやつですね。

それがロックの基本パターン

ということで。

 

それはおおむね間違いではなく、古今東西のロックドラムのもっともシンプルでベーシックなのは8ビートでしょう。

 

 

もちろんコープランドのドラムの中心にも8ビートはあります。

しかし彼のユニークなアクセント(ハイハットやスネアのリムショットで変則的なアクセントをつけてきます。)が、単調にもなりかねない8ビートをじつに色彩豊かにしています。

 

左右の手をほんの少しだけずらしたタイミングで叩く「フラム」を多用するところも、色彩の豊かさにつながっています。

 

このあたりはジャズなど、その時々のフィーリングでニュアンスが変わってくるような音楽の影響もあるかと思います。

 

 

そう、彼はじつに多様なバックグラウンドを持っているんですね。

 

 

彼のバックビート(2・4拍)での腕の返し(しなり)を使ったオープンリムショットは、ロックドラムをレギュラーグリップで叩くときのお手本。

 

 

ちなみに私はレギュラーグリップが好きで、自分で叩くときももっぱらこの握り方なんですが、知り合いのドラマー数人に聞いても

「(マッチドグリップに対して)レギュラーグリップの優れているところは……とくにない」

とみな似たような答え。

 

まじっすか!?

あるでしょ?良いとこ

 

だって、かっこいいじゃん!

 

大事でしょ?かっこ

 

↑レギュラーグリップ

↑マッチドグリップ

(マッチドグリップには手の甲の返し具合によって、フレンチ、ジャーマン、アメリカンなどのタイプがあります。)

 

 

まぁいいや、コープランドさんのお話に戻りましょう。

 

彼のドラムで、ジャズ以上に影響が大きいのが

レゲエ

 

いわゆるワンドロップと呼ばれる、3拍目にキックとスネアを合わせて叩くレゲエのドラムパターンを随所で使っています。

4拍すべてにキックを踏むステッパーズと言うリズムもよく使っていますね。

フィルの入れ方にもレゲエの影響を見てとれます。

スネアの音色というかチューニングがハイピッチなのもそうかな。

 

 

 

ところで、ここですでにご紹介しているドラマーはどちらかと言うと「タメ」があるタイプの方々でしたが、コープランドははっきり言って「タメなし」。

ノリとしては猪突猛進タイプ

 

でもイイ!

この場合、だからイイとも言える。

 

 

 

【ギター】最近、いつ弦を張り替えましたか?

 

ギターの弦、最近いつ張り替えましたか?

 

 

私も無精な方なので、ぶっちゃけ切れるかよほど錆びるまで替えないこともあるんですが、

そんな自分への戒めも含めて…

 

 

弦はマメに張り替えた方が良いです。

 

なかには古い弦の鳴りや触った感じが好き、という方もいるでしょうけど、よっぽどのこだわりがない限りはやっぱり弦は新しい方が良いです。

 

なんでって?

 

一番は「鳴り」です。

 

かなり使い古した弦を新しい弦に張り替えた経験のある方の中には、新しい弦の鳴りに「おおっ」と小さく感動した覚えがある方も多いでしょう。

もう、ぜんぜん違いますから。

具体的には、新しい弦に替えるとキラキラして伸びやかな音になります。

 

古くなった弦でもいちおう弾くことができるし、なんならそれに慣れてしまったりもしますが、張り替えたときに「おおっ」と思ったなら、新しい弦の方が良いのですよ。やっぱり。

 

他にも、単純に弾きにくくなることや、フレットを削ってしまうことなど、古い弦にはデメリットがあります。

 

 

 

大体の消耗品(日用品とか)って「無くなったら補充」みたいなやつですよね。

まだ使えるけど替えた方が良いものってじつは少ないのかも?

もしかするとギターの弦はそんなものの代表かもしれないです。

あ、車のタイヤとかがそんな感じなのかな…。

 

 

弦はマメに張り替えた方が良いです。

 

弦のセットも、コントラバスの弦とかに比べたら大した値段じゃないですしね。

 

で、新しい弦に張り替えてまた次に張り替えるまでの期間、たくさん弾いてもその都度ちゃんと拭けば、1回でも弾いてその後ほったらかしてるのと、弦の劣化具合は大きくは違わないような気がするんですよ。(あくまで主観)

もちろんまったく違わないってことはないでしょうけど。

 

でも、だとしたら、たくさん弾いとかないともったいないんですよ。

鳴りが良いと気持ちいいし、弦を張り替えることは積極的にギターを弾くモチベーションにもつながります。

 

 

ところが私みたいな無精な人間からすると、弦を張り替える作業がめんどうで億劫になっちゃう。

もうとっくに「替えどき」は過ぎているのに、つい、まだ弾けるからもう少し…となってしまう。

 

でもこれ悪循環で、弦交換をめんどくさがってしない人はその作業になかなか慣れないので、ますますもってめんどくさいと思うようになってしまうんですね。

 

慣れている人の弦交換を見ていると、ほんとにスムーズです。

これってコツがどうこうじゃなくて、単純に数をこなしていけばスムーズになっていくと思うんですよ。

私もさすがに30年くらいギター弾いてますから、トータルの回数で言うともう数え切れないくらい弦交換しているわけですけど、それでも頻繁に張り替えている人の手際陽子にはかないません。

 

 

弦はマメに張り替えた方が良いです。

 

弦を張り替えること自体が、自分の中で大変な、おおごとになってしまわないように。

 

ライブやレコーディングのときだけ真新しい弦でも、普段ショボショボの弦を使ってたら、ねぇ。

逆に弾きにくくなっちゃったりなんかして。

 

名曲選その3「君は薔薇より美しい」

 

私的名曲選、「ALONE AGAIN」からの「Close To You」とかなりベタなところをいきましたが、あくまで「私的」ということで今回は急にハンドルを切って…

 

「君は薔薇より美しい」

 

です!!

 

 

日本歌謡界で確固たる地位を築いていらっしゃる、ご存知布施明さんの1979年のヒット曲です。

 

布施さんのヒット曲といえば「シクラメンのかほり」や「霧の摩周湖」など多数あるわけですが、私はとりわけこの「君は薔薇より美しい」が大好きです。

 

 

 

作詞の門谷憲二先生は、1970年代に歌謡曲を中心にたくさんの詞を書かれている方。

この曲はカネボウの化粧品のCMソングに採用されましたが、1コーラス目の歌詞なんかはとくに「綺麗に生まれ変わった女性」を歌っていてピッタリですね。

 

「ああ〜〜〜君は……変わったーーーーーーーー!!」

 

ですからね。

 

これが当時のCM。

イメージキャラクターだった女優のオリヴィア・ハッセーさんと布施さんは、このCMの縁で結婚しました。

 

 

 

そして作曲はミッキー吉野先生!

10代でキーボーディストとしてGSバンド「ゴールデンカップス」に加入、その後バークリー音楽院に留学し、帰国後は日本が誇るプログレッシヴ歌謡ロックバンド「ゴダイゴ」のリーダー、そして音楽的屋台骨として活躍。

 

そんなミッキー先生とゴダイゴがもっとも勢いに乗っていた時期に作曲したこの曲。

ミッキー先生らしさ全開!

で素晴らしい曲になっています。

 

ミッキー先生の小粋なインストバージョン。

 

 

私はこの曲に「ディミニッシュソング」とこっそり別名をつけています。

 

ディミニッシュというちょっと独特な音使いがあるのですが、この曲ほどそのディミニッシュを効果的に使っている曲を私は知りません。

随所にディミニッシュコードが登場し、ハーモニーを印象的なものにしています。

また、「変わったーーー!」の前のデデッデッデッデデデデってキメがディミニッシュ音階のユニゾンになっています。

 

 

 

歌唱は布施明さんですから、言わずもがなですが最高です。

深みのある声、高音域の伸びは布施さんの真骨頂。

声量、ピッチ、リズム…布施さんの歌唱力の高さを堪能できる曲です。

 

 

 

アレンジもミッキー先生。

コーラスやホーンセクションがやはりミッキー印で良き良き。

バックの演奏にはゴダイゴの面々が名を連ねます。

 

てか、この曲…ほぼゴダイゴですやん。

 

でもそこはやっぱりアキラさま、ほぼゴダイゴのこの曲をしっかり自分のものにしているのはさすがですね。

 

 

 

カバーは…どーかな〜。

この曲もオリジナル強し、ですよね。

布施明じゃないと!

感がね…。

 

 

はい、名曲!

 

セヴィアン・グローヴァーとタップ

 

セヴィアン・グローヴァー

(Savion Glover)

 

って方、ご存知でしょうか。

彼はアメリカ出身の世界的なタップダンサーです。

 

 

タップダンスは18世紀からあるらしいので、けっこうな歴史ですね。

そもそもはヴォードヴィルショーという黒人のエンタテイメントショーで踊られていましたが、やがて大衆化しニコラス・ブラザーズなどのスターが生まれ、フレッド・アステアジーン・ケリーなど白人の銀幕スターたちも巧みなステップを披露するようになります。

 

映画「TAP」の主演を務めた名手グレゴリー・ハインズはセヴィアンの師匠にあたります。

「TAP」には当時15歳のセヴィアンのほか、サミー・デイヴィス・Jr ジミー・スライドハワード ”サンドマン”シムズなど大御所もたくさん出演していて見応えがあります。

 

 

セヴィアンは1973年生まれということで、まさに現代を代表するダンサー。

タップダンサーというとビシッとしたスーツや燕尾服のイメージがありますが、セヴィアンはダルダルのシャツ。

そしてドレッドヘアーを振り乱しながら踊ります。

この姿がまた、カッコイイんですわ!

 

 

古来より踊りと音楽はセットですが、タップダンスはそれ自体がパーカッションなわけですからその結びつきはすごく強い。

タップダンスだけでも音楽として成立してしまいます。

ヴォードヴィルやブロードウェイ、そして映画の世界で踊られてきたタップの歴史は、そのままアメリカのエンタテイメントとしての音楽の歴史でもあります。

やはりその中心にあったのは「ジャズ」でしょう。

 

タップダンスとジャズは相性がものすごく良い。

とは言っても1940年代に入るまでのジャズとは、いわゆるスウィング(ビッグバンドでやるような)ジャズですね。

ジャズはその後ビバップ革命が起き、アンサンブルより個々のアドリブ演奏を重視するようになっていきますが、そうなってからのタップダンスとの距離感はどうだったのでしょうか。

おそらくはモダンジャズ以降、進行形のジャズとタップダンスの距離は徐々に離れていったのではないかと思われます。

このあたり、詳しい方はぜひ教えてください。

 

 

ともあれ、そこでセヴィアンの登場です。

伝統を重んじながらも「現在のタップ」を創造するセヴィアンは、コンテンポラリーなジャズコンボ(小編成なジャズ)で踊ります。

それははもう絶品。

 

緊張感とイマジネーションのあるアドリブ(即興)の応酬、そしてアンサンブル。

目を閉じて聴いたとしても素晴らしい。

 

 

 

ついでに素晴らしいタップダンスの世界をちょっと覗いてみましょう。

 

ニコラス・ブラザーズとキャブ・キャロウェイ楽団による最高級のエンタテイメント映像が、なんと現代の技術でカラー化!

 

「タップの神様」ミスター・ビル ”ボージャングル” ロビンソン。こちらも現代の技術でカラー化!

 

フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースの名コンビ。

 

「雨に唄えば」の楽しげなタップシーン。

 

邦画では「座頭市」のこのシーンが印象的でした。

 

【レコーディング】ピッチ補正③

 

ピッチ補正とはどんなものなのか、その歴史やソフト/アプリケーションなどをご紹介してきました。

 

ピッチ補正がすごい技術であることには疑いの余地がありませんが、

はたしてピッチ補正を施すことは良きことなのでしょうか。それとも悪しきこと?

 

 

このことは「Auto-Tune」の登場以来、頻繁に議論されてきました。

とは言え、当然のことながら立場によってまったく考え方が異なりますので、言ってしまえば不毛な議論だということもしばしばあるでしょう。

当人が良しとするならばバンバン使えばいいし、悪しとするならば使わなければいい。

 

それだけです。

 

が、それでは話が終わってしまうので、肯定派・否定派そのぞれの意見をまとめてみましょう。

そうしてメリット・デメリットを踏まえたうえで使うか使わないか、またどう使うかを判断していただけたら、この記事の意味も多少はあるのでは。

 

 

 

まず肯定派の意見としては、おそらく「力量不足を隠せる」ということに尽きるでしょう。

今や録音物はみな、音程がバッチリ!

本来、音程とはなるべくなら正確であった方が良い場合がほとんどですから、この見地から言えばもうピッチ補正様様(さまさま)です。

 

 

そして「レコーディングに時間をかけないで済む」というのも肯定派の意見。

シンガー・ミュージシャンを拘束する時間やスタジオを借りる時間を、場合によっては大幅に削減できます。

これは費用の削減にもつながります。

歌や演奏に決定的な間違いがなければ、ほんの数テイク録して後はピッチ補正を含む編集でどうにか…というわけです。

 

 

ところで、レコーディングにおいて、完璧を求めて何テイクも重ねていくうちに、「ハマる」ということは珍しくありません。

テイクを重ねるにつれ疲れて集中力がなくなりミスが目立つように、また新鮮味も薄れていきます。

そこで聴き返してみると意外と1テイク目が良かった、なんてこともままあります。

レコーディングは、時間をかければかけるほど良いかというとけっしてそんなことはなく、むしろ集中して短時間で録った方が良い場合が多いのです。

 

 

あと、肯定派の意見の中でも意外と見落としがちなのが「アンサンブルの調和」です。

ホンキートンクなピアノやチューニングの安定しないギター、フレットレスのウッドベースといった楽器のアンサンブルならいざ知らず、昨今のポピュラーミュージックにはコンピューターで鳴らしたサウンドが多用されています。

そういった音は基本的には機械的にチューニングされた狂いのない音程で鳴っています。

アンサンブルの中でそういった音の割合が多くなってくると、有機的で音程が不確定な音は他と馴染まず浮いてしまうんですね。

上手に歌われていたとしてもピッチ補正を施した方がよりオケに馴染む、ということがあります。

 

 

 

否定派の意見としては、とにかく「嘘モンになってしまうことへの懸念・嫌悪」があります。

「詐欺だろ」ってわけですね。

 

まぁ実際、「音源を聴き込んだあとライブに行ったら、音程の甘さにがっかりした」なんてのはよく聞く話です。

ただ、これについては「誰得?」っていう気もします。

ライブで聴いてもらうことが前提であれば、音源で過度にピッチ補正することはアーティストもお客さんも得しないんじゃないかな。

 

 

他には、ピッチ補正に頼って「歌手や奏者が成長しない」という話も聞きます。

往々にして歌手や奏者が「どうせピッチ補正するのだから…」というマインドでレコーディングにのぞむことになってしまう。

ピッチ補正することが前提であれば、集中力を発揮し、シビアに音程をコントロールするということが必要なくなってしまいますからね…。

結果として、先ほどの「ライブでがっかりパターン」になってしまうこともあるでしょう。

 

 

 

それぞれの主だった意見はこんなところでしょうか。

 

みなさんはどうお考えになりますか?

 

先に申し上げたとおり、見地によってまったく考え方は異なりますよね。

 

 

私自身は肯定派の意見にも否定派の意見にも頷けるところはあります。

 

ピッチを補正するということは元のデータを歪めることになるので、ナチュラルでなくなってしまうことは確かですが、聴感上ナチュラルであれば、作品としての完成度を求めてピッチ補正を施すのもアリだと私は思っています。

ともあれ、ピッチ補正を前提とするよりも

「補正なしで人に聴かせられるものを」という意気込みで録音に望みたいものです。

 

 

しかしながら、ピッチ補正が無かった時代のレコードやCDを聴くと、その歌唱や演奏の素晴らしさに感服いたします。

素晴らしい歌唱の一方では、やや拙い歌唱もそのままに音源になっているのですが、それはそれで良かったのかもしれません。

今や猫も杓子もピッチ補正で、面白くないと言えば面白くないかもしれませんね。

 

 

また、音程にばかり意識が向かうことは必ずしも良いことではない気がします。

 

音程が正確でもそれだけでは魅力的な音楽に足りえませんし、音程がちょっとズレただけでその音楽すべてがダメになってしまうかと言えばそんなことはないのでは。

音程の正確さだけで音楽の良し悪しを判断するようになってはつまらない…と感じています。

 

 

あ、ピッチ補正を過剰にかけてエフェクティブに使うことについては、結構なことだと思います。

 

名曲選その2「(They Long To Be) Close To You」

 

私的名曲選、2曲目は

「(They Long To Be) Close To You」

です。

 

今回も超王道です!

 

 

カーペンターズの代表曲

として広く知られていますが、最初の録音は1963年に俳優のリチャード・チェンバレンによって行われました。

その後、ディオンヌ・ワーウィック、ダスティー・スプリングフィールドらがカバー。

カーペンターズによるリリースは1970年ですので、しばらく経っているんですね。

さらに1970年にはダイアナ・ロスやB・J・トーマスが、1971年にはフランク・シナトラがカバー。

以降は数え切れないほどのアーティストがカバーしている、名曲中の名曲です。

 

「遥かなる影」という邦題が付けられています。

 

 

 

作曲は私の敬愛するバート・バカラック

作詞はバカラックの盟友、ハル・デヴィッド

 

 

この曲のなんとも言えないフワフワした感じ、ステキじゃないですか?

これは、おそらくはキー(調)の曖昧さから来ていると思います。

カーペンターズ・バージョンで言えば、キーがCメジャーかGメジャーかどっちつかずになっているんですね。

けっきょくはGメジャーキーだということになるのですが、歌い出しからしばらくはメロディ的にもハーモニー(コード進行)的にもCメジャーでもおかしくない雰囲気なんです。

理論的にはサブドミナントというやつからスタートしているこの技法、今や別段めずらしくもないのですが、ここまで効果的なのはなかなか聴けません。

 

さすがはバカラック大先生!

 

 

Aメロのフワフワした感じから一転、サビではリズミカルに。

メロディは音域の高いところで同じ音高の音を続けて歌うことで、テンションが高まっていきます。

歌詞で言うと「〜in your eyes of blue」の「blue」でポーーンと緊張が弾けて、例のポロロン、ポロロン…。

そしてまたAメロにつながるという、この一連の流れもあらためて聴くと本当に素晴らしい。

 

 

さらには、この曲には後奏(アウトロ)があるんですよね。

これがまたステキで心憎い。

「Wah〜ahhhh〜 Close to you〜」と繰り返されるだけのシンプルなセクションですが、絶対に外せない。

私はここがあるからこの曲が好きだと言ってもいい。

 

この後奏、おそらくはカーペンターズ・バージョンからだと思うのですが、もしかするとバカラックではなく、アレンジ(編曲)をしたリチャードによるものかもしれません。

(バカラック・バージョンでもこれとは違う3小節でくり返されるステキな後奏がついています。)

 

 

歌詞は、「あなたのそばにいたい」ということをポエムのように表現した内容。

「あなた」の存在を神秘的に歌う「あなた賛歌」です。

 

個人的には、含みのないストレートな歌詞だと思っていますが、「Love you」ではなく「Close to you」と歌うところが好き。

 

 

たくさんのカバーがありますが、私はやっぱりカーペンターズ・バージョンが好きかな。

カレンの歌声は言わずもがな、歌詞、メロディ、ハーモニーを際立たせるリチャードのアレンジが素晴らしい。

ただただふんわりもしかねない曲ですが、カーペンターズ・バージョンはシャッフルリズムになっており、カレンのドラムとベースがしっかりリズムのボトムを作っていて「ノリ」が出ています。

ストリングスやコーラスも歌詞の世界観を想起させるように美しい。

 

 

う〜〜ん、名曲!

 

 

最初の録音は俳優のリチャード・チェンバレン。

 

ディオンヌ・ワーウィックはバート・バカラック&ハル・デヴィッドのコンビによる曲をよく歌いました。その中の一曲。

 

バカラック大先生自身のバージョン。いちおうご本人が歌っています。

 

カーペンターズ以降のカバーは完全にカーペンターズ・バージョンが下敷きですね。

 

シナトラの譜割はさすがっすな。