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ビギナーのためのサックス入門その3「マウスピース」

 

サックスという楽器はいくつかのパーツを組み合わせた状態で演奏します。

本体以外にマウスピース、リガチャー、リード、そしてストラップが必要です。

その中で今回はマウスピースについてお話ししていこうと思います。

 

新品で楽器を購入すると、たいていは黒い樹脂製のマウスピースが付属しています。

もちろんこれを使って吹いていけばいいのですが、じつはマウスピースはそれ単体でいろんなメーカーのいろんなモデルがあり、とくにジャズやポップスを演奏する多くのサックスプレイヤーは、自分が気に入るマウスピースを求めてあれこれ交換するのです。

なぜか。

それはマウスピースが吹奏感や音色にもたらす影響がとても大きいからです。

 

私は以前、レッスンでいろんなメーカーのサックスを使っていた時期があります。

中には価格の安い楽器もありましたが、ちゃんと調整してありさえすれば問題なく使用していました。

ただし、マウスピース(リガチャーやリードも含む)はいつも決まったものでないとNGでした。

逆に言えば、自分の使い慣れたマウスピース(リガチャーやリードも含む)であれば、ぶっちゃけ楽器は何でもいい。…というのは言いすぎか。

 

とにかく大事なパーツなんですよ、マウスピースってのは。

直接口に当てて息を吹き込む部分ですからね。

発音する部分。

そりゃベルの先端の形状なんかより重要なのは分かりますよね。

 

ここからはクラシックの演奏ではなく、ジャズやポップスの演奏を前提としてお話ししていきます。

まず、最初に付属しているマウスピースってのは、メーカーにもよりますが良くも悪くも標準的なものである場合が多いです。

あるいは安価なサックスの場合、ちょっと精度が低くあまり吹きやすくないマウスピースが付属しているかもしれません。

精度が低い場合は言わずもがな、いいマウスピースの購入をおすすめします。

セルマーやヤマハのサックスを購入した場合も往々にして、表現の幅を求めていずれは別途マウスピースを購入していく人が多いということです。

 

マウスピースの製品によっては「ジャズ用」となっているものもありますが、それを使ったら演奏がジャズになるわけでもないので、あくまで目安ですね。

クラシック奏者が好んで使うマウスピースを使ってバリバリジャズを吹く人もいるでしょうし。

そういう意味では、マウスピースのモデルもさることながら、セッティングが肝だということが言えます。

いちおう傾向をあげておきますと、

・開き(ティップオープニングと言います。マウスピースの先端とリードの間の幅):クラシックは狭め、ジャズは広め

・中の広さ(チェンバーと言います。空洞の容積):クラシックは狭め、ジャズは広め

 

あと、素材ですね。

これはけっこういろいろあります。

まず、大きく分類されるのが樹脂製か金属製か。

樹脂製をラバー、金属製をメタルって言ったりします。

フュージョンやロックなど、音量の大きな楽器(エレキギター、エレキベース、シンセ、ドラムなど)と一緒に演奏するジャンルでは、サックスの音が埋もれないようにしたい。

そんなときメタルのマウスピースがよく使われます。

メタルマウスピースの多くは抜けの良い派手なサウンドが得られるようデザインされています。

ラバーは逆に柔らかくダークなサウンドが得られるようデザインされているものが多い。

実際にはラバーにもメタルにもその中でさらに細かく素材が分かれています。

他には木製のマウスピースなんてのもあります。

 

サックスのマウスピースを専門に作るメーカーもたくさんあります。

まあとにかくマウスピース、いっぱいあるわけですよ。

 

じゃあ、どれ使えばいいの?

と聞かれたら、

アルトの場合、私はもう(めんどくさいから「メイヤーにしときましょ!」と答えています。

だっていっぱいある製品を全部試すなんて無理だもん。

そして自分で試してもないようなものを勧められないもん。

その点メイヤーであれば、もう何年も何本も吹いてきているので。

メイヤーはコントロールしやすく音量も出るので、何を吹くにも対応しやすいです。

アルトでジャズやポップス系を吹くなら、王道中の王道。

メイヤーのマウスピース(の中貿易のページ)

テナーの場合、私はもう(めんどくさいから「リンクのメタルにしときましょ!」と答えています。

こちらもテナーででジャズやポップス系を吹くなら、王道中の王道。

ダークでウォーム、ザ・ジャズテナーなサウンドです。

オットーリンクのマウスピース(の中貿易のページ)

 

 

さて、ここからはあくまで自論なんですが…

メイヤーより、リンクのメタルより自分に合ったマウスピースっていうのは、もしかしたらあるかもしれませんね、世の中には。

お金と時間が無限にあるのなら、自分にとってはコレが一番だ!というマウスピースを求めていろいろ試したらイイと思うんですけどね。

でも「いい演奏をする」ってことが目的なら、その時間はできるだけ練習に当てた方がいいと思うんですよ。

そのお金は、いろんな音源を聴いたり、ライブに行ったり、旅行をしたり、美味しいもの食べたりするのに使った方がいいと思うんですよ。

そういう意味では、メイヤーやリンクのメタルはベストではないかもしれないけど十分にベター、十分に期待に応えてくれるはず。

だから私は道具を引っ換えとっかえっていうのはあんまりしてきていません。

マウスピースも同じものを買いなおすくらいで、もう何年も新しいものを買っていません。

でもテナーのマウスピースはちょっと欲しいな…。

お金入ったら見に行こ〜。