前回からのつづき
それでは、階名、つまりドレミでのソルフェージュについて、練習の仕方をお話します。
基本的には、そのキーのトニック(主音)を「ド」として、以下レ、ミ、ファ、と割り当てた階名で、まずは歌う練習をしていきます。
自分がやりたいのは、ピアノやギター、サックスなどの楽器であって、歌うことじゃないので、歌う練習は必要ないのでは?と思った方は、このコラムを読み返してみてくださいね。
楽器を演奏したいのだとしても、相対音感はぜひ身につけていただきたい力です。
メロディを階名のドレミで聴き取れるようになるためにも、自ら声を出して歌うということがとっても効率の良い練習になります。
さて、慣れないうちは、正しい音程で歌うのが大変かもしれません。その場合は、ピアノなど(なければスマホのアプリ等で十分です。)で音をよく聴いて、そこに自分の声を合わせていきます。
ここで、普段、声を出して歌うということをしていない方は、ピアノの音に自分の声を合わせるのが困難、もしくは合っているかどうか判断ができない、ということがあるかもしれません。
これを解決するには、1つには喉の柔軟さ、もう1つには2つの音を聴き比べるということが必要になってきます。
普段、声を出して歌うということをしていないと、喉が固まってしまい、思ったように自分の声を上げ下げしにくくなってしまいます。普段から気ままに歌を口ずさむことには、喉を柔軟にするためにもとても良いことだと思います。
また、パトカーのサイレンや、オートバイのエンジン音、何か物が上昇したり落っこちたりするときの効果音など、音の高さが滑らかに上がったり下がったりする(ポルタメントと言います。)ものをイメージして声に出して真似してみるのも、喉の緊張をほぐすには良いと思います。
2つの音を聴き比べる(今は、2つの音が同じ高さ(ユニゾン)であるかどうかを判断すること)にあたっては、音色の違いということも無視できない要素になってきます。
おそらくは、ピアノとピアノ、ギターとギターというように、同じ音色、もしくは非常に似かよった音色であれば、2音が同じ高さになったときの判断は比較的容易だと思います。
しかし、自分の声とピアノでは音のキャラクターが違いすぎて、たとえ同じ高さで歌っていたとしてもそれを同じとは捉えにくいかもしれません。その場合はチューナー(これもスマホアプリで十分です。)を使って、歌いやすい高さの音をなるべくまっすぐに歌い、その音名を確認し、ピアノでその音を鳴らしてみましょう。そして、「あ~これが同じ高さかー」と、その状態を確かめてみてください。
そのうえで、上記のパトカーのサイレンの要領でゆっくり自分の声を上げて、もしくは下げていくと、「あっ、今同じになったな」というポイントが見つけられるようになってきます。
ソルフェージュは、本来はそれを指導できる人と練習していくのが間違いがなく、効率も良いですが、お1人で練習する場合には、いい加減な音程で歌っていては意味がないので、そこは注意してください。