前回からのつづき
ここで階名のドレミについて、もう少し補足しておきます。
トニック(主音)をドとし、そこから上に、レ、ミ、ファ、と続くわけですが、それでみなさんがよく知るのは「ドレミファソラシド」だと思います。
しかし、当スクールではそれを「ドレミファソラティド」としていきます。
「シ」ではなく「ティ」です!
何だよそれ~~、と言われると思いますが、それで徹底していきます。
なぜか。
「♯」と「♭」というものは聞いたことがありますよね。
「♯は半音上げる」、「♭は半音下げる」という記号です。
ちなみに「半音」というのは、西洋の音楽や楽器における、もっとも小さな音程です。階段の1段をイメージしてみてください。ピアノで言えば、1つ隣の鍵盤までの音程(白鍵だけでなく黒鍵も含むすべての鍵盤での隣です。)、ギターで言えば、1フレット分の音程です。
みなさんは、例えば「ファが半音上がった音」のことを何と言いますか?
ファ♯?
ですよねぇ……。
じつは、ファ♯というのは正式な言い方ではありません。
だって、ファはイタリア式の言い方で、♯っていうのはモロに英語ですからね。
イタリアでもアメリカ・イギリスでも「ファ♯」とは言いません。
日本でも、ちゃんとした楽典(西洋音楽の基礎的な決まりごとや理屈が書いてある本)には、「ファ♯」といった表現はどこを探しても書いてありません。
でも学校の音楽の授業で「ファ♯」って習った気もしますよね。
しょうがないです。音楽の先生の先生がそうやって教えていたりするので。
何が間違っているとか誰が悪いとかはともかく、今やりたいのは、音楽を楽しむための力をつけて、音楽と仲良くなって、思い思いにいろんなメロディ、リズム、ハーモニーを奏でていくことです。
そのために、相対音感を身につけたいのです。
そのために、階名でソルフェージュしていきたいのです。
さて、メロディのうちのいくつかの音が♯したり♭したりする(臨時記号がつく)というのは、さほどめずらしくありません。
もちろん最初のうちは臨時記号があるようなものではなく、もっとシンプルなメロディを歌う練習をしていきますが、いずれは避けて通れません。
そのとき、「ドーレーミレーファシャープ~~」なんて歌えますか?
「ラーシドシャープシラーソーファシャープ~~」なんて無理じゃないですか?