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名曲選その9「オリビアを聴きながら」

 

私的名曲選、今回は

 

「オリビアを聴きながら」

 

です。

 

 

 

 

説明不要、杏里さんのデビュー曲にして代表曲ですね。

 

リリースは1978年です。

すでに40年以上も前の曲でありながら、今も歌い継がれるジャパニーズポップスのスタンダードと言っていいでしょう。

 

 

 

作詞・作曲はシンガーソングライターの尾崎亜美さん。

 

尾崎亜美さんのデビューは「オリビア〜」の2年前の1976年。

第二のユーミンと言われたそのソングライティング術は、当時としては群を抜いてハイレベルだったことでしょう。

ハスキーで、抑揚が大きく、ヴィブラートに少しクセのあるご本人の歌唱も素晴らしい。

 

 

尾崎亜美さんはまた、80年代〜90年代には、たくさんのシンガーやアイドルに楽曲を提供しています。

松田聖子さんの「天使のウインク」など、たくさんのヒット曲を手がけました。

「オリビア〜」は当初の売り上げこそ芳しくはなかったようですが、楽曲のクオリティはそんな中でも白眉です。

 

 

「オリビア」とは、アメリカのシンガー、オリヴィア・ニュートン=ジョンのことですね。

冒頭の「お気に入りの歌」がオリヴィア・ニュートン=ジョンのナンバーだと示唆されています。

内容は失恋ソング。

 

 

 

さて、この曲を語るにあたってはコード進行について触れないわけにはいきません。

 

オリジナルキーはGメジャーですが、Aメロに入った早い段階でまずCメジャー(平行調でAマイナー)に、さらにB♭メジャーへとコロコロと転調していきます。

とくに1つ目と2つ目の転調の際、マイナーコードから3度上のマイナーコードへ進行することで転調しています。クロマチックメディアント進行というやつです。

いきなり世界感が変わるような進行にもかかわらず、とても自然で、それでいて失恋の悲しさの中で落ち着かない心境がよく表されています。

ホントに素晴らしい。

 

サビに入ると一転、今度は王道のⅣ-Ⅴ-ⅲ-ⅵ進行。

そして泣きのクリシェと、鉄板のコード進行となっております。

 

凝ったAメロと王道のサビ、あくまでもポップで、完璧です!

 

 

 

オリジナルの杏里さんの歌唱はさすがにあどけなさが残っていますが、それがまたよかったりもするんですね。

杏里さんは後に何度かセルフカバーをレコーディングしていますが、私が聴きたくなるのはやっぱりオリジナル…。

 

カバーも数えきれないほどあることでしょう。

 

名曲!

 

 

【ギター】押弦側の手のテクニックの2つの用途④

 

前回のつづきです。

 

さて「2つの用途」と題して、チョーキング、スライド、ハンマリング/プリングについてお話してきました。

フレーズの中にそれらが入っていたとき、「2つの用途」のどちらで使われているのかを整理していくことで、リズムに関してはクリアになっていくはずです。

 

 

今回は、チョーキング、スライド、ハンマリング/プリングそれぞれについていくつか補足しておきたいと思います。

 

 

スライド

 

まずはスライドです。

スライドについては、もしかすると思い違いをされている方がいらっしゃるかもしれません。

スライドすることは、音程を滑らかに(スロープ状に)上げたり下げたりすること、だと。

 

実際のところ、通常のギターにはフレットがありますので、ヴァイオリンやコントラバスのように滑らかに(スロープ状に)音程を上げ下げすることはできません。必ず半音単位の階段状になってしまいます。

ゆっくりスライドすると、にゅ〜〜っと粘っこく音程を上げ下げできるような気がするかもしれませんが、実際にはガコガコと半音階で上がったり下がったりするだけなんですね。

なので、特別そうしようという意図がないかぎり、スライドの動作自体はあんまりのんびりにすべきではありません。

前回お話したように、レガートで演奏するときも、リズムに合わせてすばやくスライドさせます。

 

 

チョーキング(ベンド)

 

スライドではできない滑らかな(スロープ状に)音程の上げ下げをすることができるのが、チョーキングです。

(ちなみにチョーキングは日本での言い方で、英語圏ではベンドと言うそうです。)

 

チョーキングは弦を引っ張る加減をコントロールして、無段階に音程を変化させることができます。

それはつまり、音程を上げるにしても下げるにしても、じつにさまざまなニュアンスが出せるということです。

 

既存の曲やフレーズのコピーをするにあたっては、チョーキングのニュアンスをよく聴いて真似するようにしてみてください。

オリジナルのフレーズやアドリブ演奏では、どんなニュアンスがいいか、ぜひこだわってみてください。

 

 

ハンマリング/プリング

 

最後にハンマリング/プリングです。

これらはパカっと音程が変わるのでそういう意味での注意点はありませんが、慣れないうちは(動作として)やりにくさを感じる方も多いかもしれません。とくにプリングかな。

ハンマリングやプリングの音が「はっきり鳴らない」と悩んでいませんか?

しかし、ちょっと考えてみてください。

そもそもはっきり鳴らしたいのであればピッキングすればいいですよね。

レガートで演奏するときなんかは、それをあえてハンマリングやプリングに置き換えているわけです。

だからピッキングするほどにはっきりした音には、むしろしたくない場合もたくさんあります。

 

ということで、ハンマリング/プリングは変に頑張りすぎなくて大丈夫です。

けっこう優しくハンマリングしたり、軽く弦から指を離したりするだけで(プリングを意識しなくても)、意外と音は鳴っていますので、試してみてください。

 

 

 

ということで4回にわたってお話ししてきました。

これを読んで、少し感じがつかめた!という方がいらっしゃったら嬉しいです。

【ギター】押弦側の手のテクニックの2つの用途③

 

前回のつづきです。

チョーキングやスライド、ハンマリング、プリングといった押弦する側の手を使ったテクニックには、「主に2つの用途がある」と。

 

 

今回はその2つ目。

「音を滑らかに繋げる(レガートする)」という用途です。

 

 

前回の装飾音(前打音)との違いに注意してみてください。

 

 

レガート

 

ギターでフレーズ(メロディ)を弾くにあたっては、指弾きでもピック弾きでも、11つの音を都度ピッキングしていくのが基本です。

ピッキングのコントロールで強弱をつけていくことはとても重要ですが、

フレーズ内の音と音をより滑らかに繋げて弾こうとしたとき、ピッキングせずに音を移行させるレガートという考え方があります。

ギターの場合、そのレガート演奏にいくつかのバリエーションがあり、それがチョーキングやスライド、ハンマリング、プリングをそれぞれ用いた奏法というわけです。

 

ここで大事なのは、あくまでピッキングの代わりにレガートで演奏するわけですので、「本来のピッキングをするタイミングで代わりのそれら(チョーキング、スライド、ハンマリング/プリング)をする」必要があるということです。

 

これは前回の装飾音(前打音)とはあきらかに違います。

 

レガートの場合、前打音のようにピッキングからチョーキング、もしくはスライド、ハンマリング/プリングまでを一連の動きとして捉えるのはあまり良くないかもしれません。

むしろ2つの音をしっかり別の音と捉えて、それぞれのリズム、ようは発音のタイミングと音価(音の長さ)を意識していくのがいいと思います。

 

レガートの(チョーキング、スライド、ハンマリング/プリングの)奏法(動き)自体は前打音のときと変わりませんが、ピッキングしてからのタイミングはぜんぜん違うわけですね。

 

もちろん、アップテンポで16分音符など細かいリズムでレガート演奏を行った場合、物理的な時間(音の長さ)としては前打音のときとさほど差がないこともあるかもしれません。

それでも、考え方のうえではまったく違うものと思っておいた方がいいでしょう。

 

 

一般的には曲調やフレーズのイメージに合わせて、指やピックを使ったピッキングと、レガートを組み合わせて使っていきます。

どちらも重要ですが、「ピッキングするのが基本で、要所要所でレガートにしている」と考えると分かりやすいかもしれません。

レガートで演奏しようとするとリズムが崩れてしまう場合は、いったんピッキングに直して弾いてみるといいと思います。

 

つづきます。

 

 

・チョーキング(アップ)

 

・スライド(アップ)

 

・ハンマリング

 

・チョーキング(ダウン)

 

・スライド(ダウン)

 

・プリング

【ギター】押弦側の手のテクニックの2つの用途②

 

前回のつづきです。

チョーキングやスライド、ハンマリング、プリングといった押弦する側の手を使ったテクニックには、「主に2つの用途がある」ということでした。

 

 

今回はその1つ目。

「装飾音(前打音)」としての使い方です。

 

ようは飾りですね。

本来鳴らしたい音に装飾を付ける、と。

 

装飾といってもいろいろな飾り方がありますが、この場合は「前打音」というやつになります。

 

 

 

前打音

 

前打音には短前打音と長前打音がありますが、ロックやポップスでの前打音はおよそ短前打音ばっかりですので、前打音といえば短前打音だと思ってください。

本来鳴らしたい音の手前にごく短い長さの音を置くことで装飾します。

これを楽譜では、通常の音符よりも小さなサイズの音符で書き表します。

 

 

前打音はおよそ、その小さな音符、つまり装飾音の長さ(音価)は「ないもの」と考えます。

 

装飾音から目的の音へ滑り込ませる(装飾音をひっかける)ように演奏します。

※目的の音=通常サイズの音符の音

 

ただし厳密に言えば、当然、わずかでもその装飾音がなっている時間はあります。

こだわるのであれば、

・本来鳴らしたいタイミングで装飾音を鳴らし、その後すばやく目的の音を鳴らす

・本来鳴らしたいタイミングの直前に装飾音を鳴らし、目的の音は本来のタイミングで鳴らす

という微妙な2つのタイミングを使い分けてみるのもいいと思います。

 

今回はざっくり、装飾音から目的の音に滑り込ますまでの一連の流れを1つのタイミングとして括っていきましょう

 

 

曲のテンポなどにもよりますが、基本的には装飾音はごく短いですので、それなりにクイックな動きを要します。

ここでもたもたすると、リズムが崩れる原因にもなってきます。

 

 

それを踏まえたうえで、チョーキングでも、スライド、ハンマリング、プリング、どれでも考え方は同じですね。

 

 

ちなみにチョーキングには、音程をひき上げるチョーキングアップと、逆に下げていくチョーキングダウンがあります。

とくにタブ譜で見るチョーキングアップは音程をひき上げる前の音(フレットの数字)が、チョーキングダウンは音程を下げた後の音(フレットの数字)が記されているので、注意が必要です。

チョーキングアップの場合、フレットの数字は装飾音です。そこからチョーキングで全音なり半音なり音程をひき上げた音が目的の音、つまり大事な音なんですね。

 

 

前打音から目的の音までをひと息に弾くようなイメージです。

 

 

つづきます。

 

 

チョーキング(アップ)

スライド(アップ)

ハンマリング

チョーキング(ダウン)

スライド(ダウン)

プリング

【ギター】押弦側の手のテクニックの2つの用途①

 

今回はギターの奏法についてのお話です。

おそらくはまったくの初心者向けというよりは、初〜中級者向けの内容になります。

 

ギターでフレーズを弾く際に、チョーキングスライドハンマリングプリングといった押弦側の手のテクニックを使うのはなんらめずらしいことではありません。

 

ジャンルにもよりますが、フレーズを魅力的に聴かせるためには必須のテクニックと言ってもいいでしょう。

 

 

それらのテクニックには、「主に2つの用途がある」ということが今回の主題です。

 

 

2つとはなにか。

 

1つは「装飾音(前打音)」として。

 

もう1つは「音を滑らかに繋げる(レガートする)ため」です。

 

 

 

さてみなさんは、既存の曲(フレーズ)を弾こうとしたとき、まず何をしますか?

 

「とにかく曲を聴き込むとこから!」という、いわゆる耳コピ派の方は、もしかすると今からお話することをすでに出来ているかもしれません。

 

一方、「まっさきにインターネットや楽器店、書店で楽譜を探す」という方には、場合によってはかなり重要で有益なお話かもしれません。

 

 

 

楽譜(タブ譜)を見ると、チョーキングやスライド、ハンマリング、プリングは、それぞれC、S、H、Pといった記号で表されています。

 

先にも述べましたが、これらはフレーズを魅力的に聴かせるためには重要なテクニックであることには違いありませんし、元(オリジナル)の演奏に近づけようと思ったら、やはりそのとおりに弾いていきたいところです。

 

しかし!

 

そもそもチョーキングやスライド、ハンマリング、プリングに慣れていない方にとっては、それをやることに一生懸命にならざるをえません

 

その結果、どうなるか。

 

フレーズのリズムがメチャクチャになってしまうんですね。

恐ろしや!

 

 

これらのテクニックはたしかに重要ですが、重要度で言ったら「リズムより重要なものはない」っていうくらいリズムは重要です。

 

リズムは正確だけどチョーキングは省略した>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>リズムはメチャクチャだけどチョーキングはがんばった

なんです。きっと。

 

 

楽譜(タブ譜)を見たとき、音符の長さや休符もしっかり読み取れる方は大丈夫だと思いますが、「何弦の何フレットを押さえるのか」ということばかりに関心が向いている方は要注意です。

 

耳コピ派の方は、聴いて真似するわけですので、そこにはおよそリズムの情報も織り込まれているはずです。

もちろん、耳コピをしていても、何に対して関心が向いているかは人によっていろいろでしょうから、「やべ…あんまりリズムのこと気にしてなかったわ…」という方は、リズム、大事にしてみてください!

 

 

 

…どうやら長くなっちゃうので、今回はここまで。

つづきます!