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私的名曲選その11「素直に」

 

つづけていきましょう、私的名曲選。

 

今回は

EAST END x YURI「素直に」

です。

 

 

EAST END x YURIは大ヒット曲「DA・YO・NE」でご存知な方も多いと思います。

 

EAST ENDはMCのGAKUさん、DJのROCK-TeeさんとYOGGYさんからなるヒップホップグループ。

YURIさんはアイドルグループ、東京パフォーマンスドールのメンバーでした。

そんな一見ミスマッチな組み合わせから生まれたこのユニットとその楽曲は、当時の時代性にマッチしたのか大当たりしたわけです。

まだ今ほどラップやヒップホップが一般的に知られていなかった1995年にして、ミリオンセラーを記録し、紅白などテレビの歌番組やCMにもたくさん出演していました。

活動期間はけっして長くはありませんでしたが。

 

この「素直に」という曲はファーストミニアルバムに収録され、シングル「DA・YO・NE」のカップリングとしてもリリースされました。

なので、当時「DA・YO・NE」を買って聴いていた人にとっては懐かしい、聴き覚えのある曲だと思います。

個人的には長い間、かなり印象に残っている曲です。

 

 

フック(サビ)の歌詞はこんな感じ。

 

「好きな物が同じで

好きな物を好きとちゃんと言えて

好きで好きでたまらないときキスして

好きと言ってくれた君が好き

素直に好き 素直に好き

そのたった一言で僕ら二人

元に戻れるのに意地っ張り

素直に好き その一言が言えずに」

 

素直になれず仲直りできない、なんだか甘酸っぱい記憶…。

でも大切ですよね、素直さって。

そんなことを、それこそ素直に綴ったこのリリックはGAKUさんによるもの。

 

ソプラノサックスのソロから入るトラックは、ROCK-Teeさんによるもの。

ちょっと切ない感じのエレピのコードと、スネアのリムショット、そして大きめにミックスされたベースが気持ちいい。

2小節のループが基本ですが、2小節目に入るサブドミナントマイナー代理の♭Ⅵコードがこの曲のキモですね。

とくにYURIさんのラップは、その手前のⅥmからの半音下降を上手くなぞっていて、切なさが強調されます。

 

またYURIさんのラップは、このキーのメジャー7thであるAの音への跳躍が目立ちますが、これがとても気持ちがいい。

彼女のラップにはGAKUさんらメンバーからのアドバイスが多分にあったかと思いますが、この曲のラップのフロウは個人的にはむちゃくちゃ完成度が高いと思います。

 

そしてやっぱり前述のソプラノサックスがもたらす影響は大きい。

演奏は今もジャズシーンでバリバリ活躍中の竹野昌邦さん。竹野さんが30歳くらいの頃の録音かな。

タメのあるフレーズ、ステキです。

 

EAST END x YURIは、ヒップホップのコアなリスナーからはあまり正当な評価をされていないのかもしれませんが、私は好きです。この曲や「DA・YO・NE」以外もほとんどの曲がいい。

DAYONE」はたくさんリメイクされましたが、「素直に」のカバーはちょっと見つからなかったですね。

 

 

 

私的名曲選その10「Shy Guy」

 

ひさしぶりの私的名曲選。

 

今回は

ダイアナ・キング「Shy Guy」

です。

 

 

ダイアナ・キングはジャマイカ出身で坊主頭が印象的なレゲエ/R&Bシンガー。

「Shy Guy」は彼女の1995年のデビューアルバムからのシングルカット。

このデビューアルバムがバカ売れし、シングル「Shy Guy」も映画の主題歌にもなり大ヒット。

私はモロに世代でして、当時は自ら聴こうとせずとも嫌というほど耳にした曲です。

 

しかしこの曲、ひさしぶりに聴いても色褪せないですね!

当時は正直、食傷気味だったのですが、最近聴いたらあらためて名曲だな、と。

 

まずダイアナ・キングの歌唱力。ライブ動画を観ていただければお分かりかと思いますが、上手い!

当時流行のR&Bに少しだけレゲエを足したグッドトラック、リリック…そしてなんと言ってもメロディが光ります。歌メロのどこを切り取ってもめちゃくちゃキャッチーで、隙がありません。

 

曲の作りとしては、マイナーキーのシンプルな進行にこんなにキャッチーなメロを詰め込めるなんてすごい。

そしてサビ前、平行調のサブドミナントへ展開したときの多幸感もすごい。

 

ちなみに、サビ冒頭の歌詞と間奏部分でのシャウトの「Lord have mercy」は「神よご慈悲を」みたいな意味です。

 

ダイアナ・キングはその後一線を退いたのですが、今も音楽活動をしているようです。

新作を出しているのかな?聴いてみたい。

 

日本でのライブ模様。すごい客席近いですね。

ボブ・マーリーの曲をけっこうやってます。

 

 

この曲はYoutubeなどではたくさんカバーされている動画がありますが、正式な音源としてはあまりリリースされていないようです。

…と思ったら、UKレゲエの雄ASWADがカバーしてましたね!

 

あとはMYAがカバーしているみたいです。うーん、やっぱオリジナルがいいかな~。

 

定番コード進行③「ブルース進行」

 

定番コード進行シリーズ。

今回は「ブルース進行」と呼ばれるコード進行です。

 

その呼び名のとおりブルースでよく使われるコード進行です。

ブルースという音楽の多くはこのコード進行か、これから派生したコード進行です。

なので、このコード進行がブルースがブルースらしくあるための大きな要素だとも言えます。

 

「ブルースって何よ?」

という方もいらっしゃるでしょうが、ここでは20世紀初頭にアフロアメリカンが労働歌として歌ったことにはじまり、現在あるあらゆるポピュラーミュージックに影響を与えたルーツミュージック、という簡単な説明でよしとしてください。

「伊勢崎町ブルース」「別れのブルース」「夜霧のブルース」といった、いわゆる歌謡ブルースもブルースと言えばブルースなんでしょうけども、今回はもう少し狭い意味でというか、本家のブルースです。

 

曲として有名なのは何かな…。

B.B.キングの「The Thrill Is Gone」とか、マディ・ウォーターズの「Hoochie Coochie Man」、ロバート・ジョンソンの「Cross Road」や「Sweet Home Chicago」…まあいっぱいあるでしょうけど、正直日本では、誰もが知っているブルースの代表曲ってないかもしれないですね。

でも、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなど、人気もありブルース色を強く持ったバンドやミュージシャンを通じて、今回ご紹介するブルース進行を「聴いたことがある」と感じる方は多いのではないでしょうか。

 

 

さて、どんなコード進行なのか見ていきましょう。

 

このシリーズの前回に、ディグリーというやつをお話ししましたね。

数字で表していくやつです。

ブルース進行をディグリーを使って書くと

こんな感じになります。

この12小節でひと塊としてくり返していきます。1番、2番みたいなことですね。

 

出てくるコードの種類は3種類!けっして多くありませんね。

しかも、お気づきでしょうか、全部7thコードというやつです。

これはダイアトニックコードとかをお勉強したとして、その知識をもってしてもかなり謎なコード進行ですね。

西洋的な音楽の理屈では説明が難しいコード進行です。

なのでここでは理屈っぽく考えるのはやめちゃいます。

こういうものとして捉えていきましょう。

 

さっそくギターやピアノで弾いてみましょう。

同じコードが続くので、小節数を取り違えないように注意してください。

どうですか?

っぽくないですか?

ブルージーですよね〜。

そう、こういう雰囲気をブルージーだと言ったりします。

 

 

ブルースの特徴としては他に、ダッカダッカダッカダッカ…というシャッフルのリズムがありますが、ブルース進行をダダダダ…とストレートなリズムで演奏すると…あら不思議、ロックンロールになります。

ロックのルーツはブルースなんです。(それだけではないでしょうけど。)

 

ロック系のギタリスト同士で「セッションしようぜ!」ってことになったら、十中八九はこのブルース進行で遊ぶことになります。

10代20代は分かりませんが、少なくとも私より少し下の世代くらいまでは「そう」だと思います。

もちろんピアノでも同じように遊べます。

 

 

ってことで覚えておいて損はないでしょう、ブルース進行!

 

バディ・ガイ、ジョニー・ウィンター、エリック・クラプトンといったレジェンド、ベテランから若手のジョン・メイヤーまで、みんなでブルースを楽しんでおります。

 

定番コード進行②「1645進行」

 

定番コード進行シリーズ

今回は「1645進行」と呼ばれるコード進行です。

 

この数字はディグリーというやつで、曲のキーにおいて1番目のコード→6番目のコード→4番目のコード→5番目のコードという順番で進行するということを表しています。

 

キーがCメジャーの場合は

C→Am→F→G

ということになります。

Gからはまた先頭のCに戻って何度もくり返される、いわゆる循環コードの一種です。

 

このあたりはダイアトニックコードというものを知っていくと、簡単に「ああ、そういうことか」とご理解いただけると思います。

知っていて損のないことですので、ご興味があったらぜひ調べてみてください。

 

 

今回は理屈っぽいことは抜きに、この1645進行の曲をいくつかご紹介してみたいと思います。

 

まずはこの進行でもっとも有名であろうこの曲。

ベン E. キングの「Stand By Me」です。

ギターやベース、ポップス系のピアノなどでコード弾きをするにあたって、大定番の入門曲となっています。

しかしこの曲は、各コードが1小節ずつ進行する形をとっておらず変則的なので、その点は注意が必要です。

 

次はビートルズやカーペンターズのカバーでも有名な「Please Mr. Postman」。オリジナルはモータウンレーベルに所属した女性コーラスグループ、マーヴェレッツ。

この曲は1小節ずつ進行するシンプルな1645進行になっています。

 

ポール・アンカの「Diana」は日本でもカバーされた’50sのヒット曲。

 

映画バック・トゥ・ザ・フューチャーのパーティーシーンで知られるペンギンズの「Earth Angel」

 

コーラスグループ、コーデッツのバージョンが有名な「Lollipop」

 

映画ゴーストに印象的に使われていたライチャス・ブラザーズの「Unchained Melody」ですが、これもカバーなんですね。知らなかった。

 

 

これらの曲に代表されるように、いわゆるオールディーズには1645進行がよく使われました。

 

もちろん1645進行は日本の曲でも使われています。

 

スクールでもよく演奏するのが、井上陽水さんの「夢の中へ」

斉藤由貴さんのカバーもありますね。

この曲のサビ前までが1645進行で、1つのコードにつき2小節で進みます。

 

そしてご存知「おどるポンポコリン」

織田哲郎さん作曲、伝説のグループB.B.クイーンズのデビュー曲にして、国民的アニメのテーマソング。作詞はさくらももこ先生。

Aメロはベーシックな1645進行。イントロやサビも1645進行のアレンジですね。

 

 

もちろんコード進行が同じでもそれぞれの曲でメロディもキーもテンポもアレンジも違うので、共通した雰囲気を感じ取るのは難しいかもしれませんが。

もしギターやピアノでコードを弾くことができるなら、ぜひ弾いてコード進行の雰囲気を聴いてみてください。

 

【私見】プリンスは最高のギタリスト

 

先日のブログにも書いたとおり、歌や楽器の演奏は上手いに越したことはありませんが、音楽の良し悪しとはけっして上手いかどうかだけでは決まらないと、私は思っています。

すごく上手いけど、残念ながら自分にとってはあまり響かない歌や演奏もたしかにあります。

もちろん、上手いしカッコいいしすごく感動する、自分にとってスペシャルな歌や演奏もあります。

 

 

今日はひさしぶりにプリンスの映像を観ていました。

私はプリンスが好きですし、彼の歌も演奏も作曲もアレンジもパフォーマンスも何もかもが素晴らしいと思っています。

単純にめちゃくちゃ上手い。

しかし、その音楽性を考えたとき、第一に「上手さ」が挙がるアーティストではないように思います。

プリンス自身が上手さよりも大事にしているものがあるように感じるのですが、いかがでしょうか。

 

 

例えばプリンスのギタープレイ。

史上もっとも過小評価されているギタリストの第1位という、名誉なのか不名誉なのか分かりにくい称号を得ています。

ようは、めちゃくちゃ上手いし功績もあるけど、それに見合った評価をされていないってことですね。

まぁそうなのかもしれませんが、そもそもプリンスをいちギタリストとしてだけで語るのは無理があるように思います。

(ちなみに過小評価ランキング1位の4年後に、今度は「史上もっとも偉大な100人のギタリスト」で第33位にランクイン!)

 

そういった評価は置いといて、プリンスのギターはとにかくカッコいい。

私にとってはプリンスほどカッコよくギターを弾く人はそうはおりません。

単純に「上手さ」で見ても、楽器のコントロール力が高いのでミストーンが少なくリズムが良い。

あと、音が良い。

そして顔!仕草!全身で音楽を表現していて本当に素晴らしい。

 

プリンスはギター以外にもたくさんの楽器を演奏しますが、ギターはやっぱり特別なのだと思います。

まさに身体の一部のように弾きますよね〜。

 

速弾きだったりコンテンポラリーな音使いだったり技巧的な意味で、もっと上手いギタリストはたくさんいると思いますが、プリンスは彼のその音楽表現に必要十分以上の上手さを持っています

 

 

必要十分と言えば、プリンスはシンセサイザーの音色はプリセット(シンセセイザーは音をいろいろに加工して自分好みの音を作ることができるわけですが、出荷時のシンセサイザー本体にあらかじめいくつかの音色が用意されており、これをプリセットと言います。)を使うことで知られています。

音色の作り込みより優先すべきことがあり、自分の音世界を表現するのにはプリセットで十分だということでしょうか。

そうやって彼は驚異的なペースで素晴らしい曲を量産しました。

 

 

また、エフェクティヴなギターサウンドも多用するプリンスですが、足元にセッテイングされているエフェクターはどれも定番のものばかり。

私も高校生の頃使ったようなBOSSのコンパクトエフェクターやワウペダルが直列で繋げられた非常にシンプルなセッティングだとのことです。

マジですか〜〜。

それであの音?

にわかには信じ難いですが、このあたりにもプリンスの「こだわらないこだわり」が見られる気がします。

 

 

プリンスは正直、好みが分かれるアーティストかとは思いますが、聴かず嫌いをされている方はぜひ聴いてみてください〜。

 

 

↓ ギタープレイが最高な動画

 

ローリングストーン誌が選ぶ「歴代スーパーボウル・ハーフタイムショーのベストパフォーマンス第1位」。

フル動画のリンクが貼れないようになっていましたが、ぜひ検索して観てください!

 

これも名演。前半は存在を潜ませてて、後半ギターソロを弾き倒すスタイル。

 

泣いちゃう。

 

フレーズのニュアンスの出し方、上手いわ〜。

 

アコギの弾き語りがまた上手いのですよ。