先日のブログにも書いたとおり、歌や楽器の演奏は上手いに越したことはありませんが、音楽の良し悪しとはけっして上手いかどうかだけでは決まらないと、私は思っています。
すごく上手いけど、残念ながら自分にとってはあまり響かない歌や演奏もたしかにあります。
もちろん、上手いしカッコいいしすごく感動する、自分にとってスペシャルな歌や演奏もあります。
今日はひさしぶりにプリンスの映像を観ていました。
私はプリンスが好きですし、彼の歌も演奏も作曲もアレンジもパフォーマンスも何もかもが素晴らしいと思っています。
単純にめちゃくちゃ上手い。
しかし、その音楽性を考えたとき、第一に「上手さ」が挙がるアーティストではないように思います。
プリンス自身が上手さよりも大事にしているものがあるように感じるのですが、いかがでしょうか。
例えばプリンスのギタープレイ。
史上もっとも過小評価されているギタリストの第1位という、名誉なのか不名誉なのか分かりにくい称号を得ています。
ようは、めちゃくちゃ上手いし功績もあるけど、それに見合った評価をされていないってことですね。
まぁそうなのかもしれませんが、そもそもプリンスをいちギタリストとしてだけで語るのは無理があるように思います。
(ちなみに過小評価ランキング1位の4年後に、今度は「史上もっとも偉大な100人のギタリスト」で第33位にランクイン!)
そういった評価は置いといて、プリンスのギターはとにかくカッコいい。
私にとってはプリンスほどカッコよくギターを弾く人はそうはおりません。
単純に「上手さ」で見ても、楽器のコントロール力が高いのでミストーンが少なくリズムが良い。
あと、音が良い。
そして顔!仕草!全身で音楽を表現していて本当に素晴らしい。
プリンスはギター以外にもたくさんの楽器を演奏しますが、ギターはやっぱり特別なのだと思います。
まさに身体の一部のように弾きますよね〜。
速弾きだったりコンテンポラリーな音使いだったり技巧的な意味で、もっと上手いギタリストはたくさんいると思いますが、プリンスは彼のその音楽表現に必要十分以上の上手さを持っています。
必要十分と言えば、プリンスはシンセサイザーの音色はプリセット(シンセセイザーは音をいろいろに加工して自分好みの音を作ることができるわけですが、出荷時のシンセサイザー本体にあらかじめいくつかの音色が用意されており、これをプリセットと言います。)を使うことで知られています。
音色の作り込みより優先すべきことがあり、自分の音世界を表現するのにはプリセットで十分だということでしょうか。
そうやって彼は驚異的なペースで素晴らしい曲を量産しました。
また、エフェクティヴなギターサウンドも多用するプリンスですが、足元にセッテイングされているエフェクターはどれも定番のものばかり。
私も高校生の頃使ったようなBOSSのコンパクトエフェクターやワウペダルが直列で繋げられた非常にシンプルなセッティングだとのことです。
マジですか〜〜。
それであの音?
にわかには信じ難いですが、このあたりにもプリンスの「こだわらないこだわり」が見られる気がします。
プリンスは正直、好みが分かれるアーティストかとは思いますが、聴かず嫌いをされている方はぜひ聴いてみてください〜。
↓ ギタープレイが最高な動画
ローリングストーン誌が選ぶ「歴代スーパーボウル・ハーフタイムショーのベストパフォーマンス第1位」。
フル動画のリンクが貼れないようになっていましたが、ぜひ検索して観てください!
これも名演。前半は存在を潜ませてて、後半ギターソロを弾き倒すスタイル。
泣いちゃう。
フレーズのニュアンスの出し方、上手いわ〜。
アコギの弾き語りがまた上手いのですよ。