定番コード進行シリーズ。
今回は「ブルース進行」と呼ばれるコード進行です。
その呼び名のとおりブルースでよく使われるコード進行です。
ブルースという音楽の多くはこのコード進行か、これから派生したコード進行です。
なので、このコード進行がブルースがブルースらしくあるための大きな要素だとも言えます。
「ブルースって何よ?」
という方もいらっしゃるでしょうが、ここでは20世紀初頭にアフロアメリカンが労働歌として歌ったことにはじまり、現在あるあらゆるポピュラーミュージックに影響を与えたルーツミュージック、という簡単な説明でよしとしてください。
「伊勢崎町ブルース」「別れのブルース」「夜霧のブルース」といった、いわゆる歌謡ブルースもブルースと言えばブルースなんでしょうけども、今回はもう少し狭い意味でというか、本家のブルースです。
曲として有名なのは何かな…。
B.B.キングの「The Thrill Is Gone」とか、マディ・ウォーターズの「Hoochie Coochie Man」、ロバート・ジョンソンの「Cross Road」や「Sweet Home Chicago」…まあいっぱいあるでしょうけど、正直日本では、誰もが知っているブルースの代表曲ってないかもしれないですね。
でも、ローリング・ストーンズやエリック・クラプトンなど、人気もありブルース色を強く持ったバンドやミュージシャンを通じて、今回ご紹介するブルース進行を「聴いたことがある」と感じる方は多いのではないでしょうか。
さて、どんなコード進行なのか見ていきましょう。
このシリーズの前回に、ディグリーというやつをお話ししましたね。
数字で表していくやつです。
ブルース進行をディグリーを使って書くと
こんな感じになります。
この12小節でひと塊としてくり返していきます。1番、2番みたいなことですね。
出てくるコードの種類は3種類!けっして多くありませんね。
しかも、お気づきでしょうか、全部7thコードというやつです。
これはダイアトニックコードとかをお勉強したとして、その知識をもってしてもかなり謎なコード進行ですね。
西洋的な音楽の理屈では説明が難しいコード進行です。
なのでここでは理屈っぽく考えるのはやめちゃいます。
こういうものとして捉えていきましょう。
さっそくギターやピアノで弾いてみましょう。
同じコードが続くので、小節数を取り違えないように注意してください。
どうですか?
っぽくないですか?
ブルージーですよね〜。
そう、こういう雰囲気をブルージーだと言ったりします。
ブルースの特徴としては他に、ダッカダッカダッカダッカ…というシャッフルのリズムがありますが、ブルース進行をダダダダ…とストレートなリズムで演奏すると…あら不思議、ロックンロールになります。
ロックのルーツはブルースなんです。(それだけではないでしょうけど。)
ロック系のギタリスト同士で「セッションしようぜ!」ってことになったら、十中八九はこのブルース進行で遊ぶことになります。
10代20代は分かりませんが、少なくとも私より少し下の世代くらいまでは「そう」だと思います。
もちろんピアノでも同じように遊べます。
ってことで覚えておいて損はないでしょう、ブルース進行!
バディ・ガイ、ジョニー・ウィンター、エリック・クラプトンといったレジェンド、ベテランから若手のジョン・メイヤーまで、みんなでブルースを楽しんでおります。