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手っとり早くちょっと上手そうになる その2

 

半年前くらいに、歌や楽器全般において「手っとり早くちょっと上手そうになる」という記事を書きました。

 

そこでは「とにかく強弱をつける」というお話ししました。

手っとり早くちょっと上手そうになる

 

 

今回はその第2弾と言っていいでしょうか。

「手っとり早くちょっと上手そうになる その2」

 

それは…

 

音の長さを気にする

 

です。

 

 

 

歌はもちろんのこと、多くの楽器は鳴らした音を止めるタイミングをコントロールできます。

しかし、慣れないうちは発音することに一生懸命で、音をどのくらい伸ばすのか、どのタイミングで音を止めるのか、ということに気をまわす余裕がありません。

 

一方、上手な人の歌や演奏は必ずと言っていいほど、発した音の長さや止めるタイミングに意思があります。

「この音はビシッと短く切る」「この音は次の音までしっかり伸ばす」といった意思です。

 

この意識が弱いと、歯切れが悪かったり、滑らかさが感じられなかったり、心地の良くない隙間が目立ったり、結果としてどの音も似たような印象になってしまいます。

これが拙く聴こえてしまう要因の1つです。

 

 

 

もちろん、音の長さとはリズムに関わってくる要素です。

逆にいえば音の長さをコントロールすることが、リズミカルな歌唱や演奏に繋がってきます。

 

このあたりはやはりベーシックなところから丁寧に力をつけていくことが、けっきょくは近道だと思います。

過去の記事でも「音の長さ」については何度か書いているので、ぜひ読んでみてください。

音の長さをコントロールしよう①

音の長さをコントロールしよう②

 

 

 

とはいえ今回は「手っとり早くちょっと上手そうになる」ですので、リズムのことはよく分からない、もしくはリズムが苦手だという方にも即効性のある言い方をするならば…

 

音の長さに対して無頓着でさえなければ、音の長さを気にしてさえいれば、ちょっと上手そうな歌唱や演奏になる。

 

というところで、どうでしょうか?

 

 

でも、音の長さに対して意識的になれば、それはリズムに対して意識的になるということでもあるので、それが入り口でリズムに関心を持っていければ、むしろ自然にリズムに強くなれるかもしれません。

 

 

強弱!そして音の長さ!

 

小室氏とジャングル

 

なぜかは知りませんが、今日のTwitterのトレンドに

小室哲哉さん

が入っていました。

 

 

私も世代なので、小室さんの曲はたくさん耳にしております。

非常に多くのヒット曲を残した彼の作品群の中でも、個人的にベストワークだと思うのは、ダウンタウンの浜ちゃんとのプロジェクト「H Jungle with T」です。

 

 

 

 

ここでの小室さんは、当時彼が夢中になっていた「ジャングル(Jungle)」という音楽をJ-Popに大胆に取り入れています。

 

 

ジャングルは1990年台に誕生したダンスミュージック。

 

元は、たまたまレゲエのレコードを速回しでかけたところから生まれたそうです。

その後、イギリスはロンドンで当時のレイブミュージックなどと混ざって発展したと。

 

UKのジャングルは、ラガマフィン(略してラガ。≒ダンスホールレゲエ)スタイルのトースティング(ラップのようなもの)と高速ブレイクビーツ(テンポを上げたドラムのサンプルを切り刻んで再構築したもの)、さらにブンブン唸るベースなどを主な要素として構成されていました。

 

 

 

小室さんはその手法に則りながらも、ハーフテンポ(半分のゆっくりしたテンポ)でのレゲエ然とした裏打ちも使い、その頃から現在に至るまでこの手のダンスミュージックで重要な「倍/半分のテンポが同居するリズム」を作っています。

ジャングルをポップスとして成り立たせるバランスも素晴らしいですね。

 

リミックスではもっとジャングルしてます。

 

 

ジャングルはその後、テクノやジャズなどを取り込み洗練されていく一方でレゲエ色は薄まり、ドラムンベース(Drum’n Bass)へと発展していきます。

 

 

ただ、ジャングル自体がなくなってしまったわけではなく、今も新しいジャングルは生み出されており、今の感覚ではむしろフレッシュに聴こえたりもする、かも。

 

 

H Jungle with Tは3枚のシングルをリリースしただけで活動は途切れてしまいましたが、今また再開して欲しいですね。

ゴリゴリのジャングルで。

 

 

いくつかカバーも見つかりましたが、これ聴くとやっぱり浜ちゃんのダミ声がよかったのかもしれませんね。なんとなくラガとゆーか。w

 

てか、何してんスか小室さん!w

 

 

浜ちゃんとのコラボの話があった時点で「ジャングルで(なら)行ける!」と思ったんでしょうね。小室さんはやっぱキレてますね。

 

ちなみに小室さんは「世界で初めてジャングルで100万枚を売り上げたプロデューサー」だそうです。(Wiki情報)

 

 

小室さんについてはあらためて書いてみたいですね。

ジャングルについても、ジャンル記事の方でまた出てくると思います。(いつになるかは分からないけど)

あと、ダウンタウン関連で言うと、「GEISHA GIRLS」というとんでもないやつもありますね。w

これについてもまた機会があったら書きたいです。

 

ジャンルを整理する16 ニューウェイヴ

 

ロックのジャンルをおよそ時系列に沿ってご紹介してきました。

 

前回がパンクロックでしたので、今回は

 

ニューウェイヴ

(New Wave)

 

いってみたいと思います!

 

 

ニューウェイヴは1970年代の終わりにパンクロックと入れ替わるようにして台頭してきたムーブメントです。

 

とはいえ、その音楽のスタイルはじつにさまざまで、ニューウェイヴという言葉だけではどんな音楽なのか特定しきれません。

ですからニューウェイヴとは、ジャンルというよりも、その時代(70年代終わりから80年代前半にかけて)に登場した新しいバンド・アーティストやムーブメントを総称した言葉とも言えます。

ロックとしては既成概念にとらわれず、それでいてアフリカや各地の民族音楽、ファンクやソウルなどのブラック・ミュージックにも影響を受けているものも多数あります。

また、時代背景(楽器・機材の発展)もあり、シンセサイザーをはじめとする電子音が多用されていることも特徴です。

 

多様性!

 

 

細かく見ていくと非常にたくさんのサブジャンルでごった返しています。

 

そのそれぞれが互いに影響しあったり、混ざったりしているので、正確に分ていくことは困難です。

ジャンルのネーミングもいろいろな角度からなされているので、横一列で語れるものでもなく…。

 

このあたりになってくると、やっぱり無理やりジャンル分けすることの意味もあまりないような気がします。

 

 

いちおう主だったものをごく簡単にご紹介していきますと

 

ノーウェイヴ

パンクの精神を引き継ぎつつも、音楽的にはより実験的・前衛的なアプローチをしました。

ニューヨークのコンテンポラリー・アート界隈とも密な関係にありました。

DNA

 

ポストパンク

ノーウェイヴ同様にパンクの精神を引き継ぎ、こちらは主にイギリス(ロンドン)で発展してきた流れ。

ポップグループ(Pop Group)

 

ネオサイケデリック

エフェクトを用いた幻想的なギターサウンドを展開しました。

エコー&ザ・バニーメン(Echo & The Bunnymen)

 

インダストリアル

ノイズやエレクトロをロックに融合させ、ダークな世界観を打ち出しました。

スロッビング・グリッスル(Throbbing Gristle)

 

エレクトロポップ(シンセポップ)

シンセサイザーや電子音を多用したエレクトロとポップミュージックの融合。

クラフトワーク(Kraftwerk)

 

ニューロマンティック

エレクトロポップな曲調と、グラムロックの流れを汲むヴィジュアルが特徴。

デュランデュラン(Druran Duran)

 

UKレゲエ・ダブ

ジャマイカ発のレゲエやダブが、ジャマイカ移民の多いイギリスで独自のキャラクターを確立しました。

ニュー・エイジ・ステッパーズ(New Age Steppers)

 

ツートーンスカ

パンクとスカの融合。コンセプチャルな白と黒の衣装やヴィジュアルイメージで活動を展開しました。

スペシャルズ(The Specials)

 

ブルーアイドソウル

シンプルに白人によるR&Bやソウルミュージックです。AORとも近い音楽性。

ホール&オーツ(Daryl Hall & John Oates)

 

ネオモッズ

パンクロックの影響を受けたモッズのリバイバル。

ザ・ジャム(The Jam)

 

ネオロカビリー

パンクロックの影響を受けたロカビリーのリバイバル。

ストレイキャッツ(Stray Cats)

 

 

ネオアコースティック(ギターポップ)

流行りのエレクトロサウンドを多用せず、アコースティックでリリカルな音楽を展開。

アズテック・カメラ(Aztec Camera)

 

 

サブジャンルに分類しきれないバンド・アーティストもたくさんあります。

 

ほかの主だったバンド・アーティストは

 

 

ブロンディ(Blondie)

ブロンディもニューウェイヴなバンドの代表と言えるでしょう。

 

トーキング・ヘッズ(Talking Heads)

パンクシーンから登場するも、さまざまな音楽的変化を見せたバンド。

 

ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)/ニューオーダー(New Order)

ポストパンク・バンドのジョイ・ディヴィジョン、ヴォーカルのイアン・カーティスの死後、ニュー・オーダーと変名。

 

ポリス(The Police)

スティングが率いたイギリスの3ピースバンド。レゲエやスカを取り入れた疾走感のあるロック。

 

エルヴィス・コステロ(Elvis Costelo)

さまざまなルーツ・ミュージックを取り入れたコステロも息の長いアーティストです。

 

カルチャークラブ(Culture Club)

ニューロマンティックを代表するバンド。女装ヴォーカルのボーイ・ジョージは一躍ときの人に。

 

キュアー(The Cure)

 

ディーヴォ(DEVO)

 

U2

モンスターバンドのU2もニューウェイヴ出身と言えるかも。

 

XTC

 

パブリック・イメージ・リミテッド(Public Image Ltd.)

元セックス・ピストルズのジョン・ライドンのバンド。

 

 

などなど…キリがない。

 

いくつかのバンドは後のウルタナティヴ・ロックへ移行したり、直接的な影響を与えたりしています。

 

 

日本のニューウェイヴ

日本ではご存知YMOや、P-MODELプラスティックスヒカシューといったテクノポップ・バンドのほか、一風堂有頂天PINK、パール兄弟といったバンドが活躍しました。

 

 

ニューウェイヴを1回にまとめるのはムリがありましたが、ざっとこんな感じです。

 

【ヴォーカル】まとめ:本田美奈子さん

 

おもむろに本田美奈子さんの動画をまとめてみました。

彼女よりも単に歌が上手い人はたくさんいるかもしれませんが、歌への気持ちの乗せ方は抜群です。ハンパない。

歌が大好きなんだなぁ、とつくづく思う。

やっぱり「好き」という気持ちは何よりも強いですね。

 

 

このMVの彼女はめちゃくちゃカワイイ。「1986年のマリリン」よりこっち派。

 

圧巻のロングトーンもさることながら、このロケーションならではの伸びやかでゆったりした歌い方が素晴らしい。

 

楠瀬清志郎さんとデュエットした隠れた名曲。

 

ミュージカル女優としても才覚を発揮しました。ストーリーの前後がないテレビ収録ですら、この感情の入り方。すげぇ。

 

クラシック・クロスオーバーの人気曲。

 

なんでも自分流に歌い上げてしまう。

 

以下、カバーを中心に。

 

 

 

 

 

 

大事です、チューニング③ 平均律・純正律

 

チューニングの話のついで?に平均律純正律についても触れておきます。

 

 

平均律(十二平均律)

 

平均律は1オクターブを12等分してその1つを半音とする音律(≒チューニング)です。

 

1オクターブを12等分。

非常にシンプルで分かりやすいですね。

 

 

しかし、響きとして「それ」がベストかというと、必ずしもそうじゃなようでして。

 

 

音というのは空気の振動です。その振動の波を我々の鼓膜が感じ取って音として聴こえる(認識する)ことができるわけです。

2つの音、つまり2つの波が同時に発生したとき、その2つの波の周期(周波数・振動数)が同じだったら完全に同調して1つに感じられることになります。

 

ところが、この2つの周期が少し違う(ズレた)だけで一気に調和が崩れてしまいます。

 

1つの波が1秒間に10回波打つのに対し、もう1つの波は11回波打つようなイメージです。

それよりは、例えば1つが10回に対しもう1つが20回のときの方が調和がとれていることになります。

 

かたや10:11。かたや10:20、つまり1:2ですから。

 

そういったシンプルな周波数の比率になる関係は、実際に音を聴いたときにもとても純粋な響きになっています。

具体的には、2つの音を鳴らしたときに「うねり」が起きない。

 

 

で、平均律。

1オクターブを12等分した場合のそれらの周波数の比率は、じつは結構複雑になってしまうんです。

 

響きが良いとされる3度や5度の音程でも少しうねっている。

 

 

純正律

 

その周波数比率をシンプルにしたものが純正律です。

 

だから純正律の方が美しいと考える人はたくさんいます。

実際、弦楽器の管楽器のアンサンブルや合唱などで音程をとるときは純正律で、つまりうねりのない純粋な響きを求めていきます。

 

 

ただ、純正律は周波数比率をシンプルにした結果、1オクターブを12で割ったときの間隔はほんの少しだけ不均等になるわけです。

 

ピアノやギターなどの楽器で、何かの音を基準に純正律でチューニングしてしまう(ギターの場合、フレットの間隔もそれに準じることになります。)と、そのキーでしか演奏できなくなってしまいます。曲中の転調もできない。

 

 

ですから一般的には、ピアノやギターなど現代の楽器の多くは平均律でチューニングされています。

 

チューナーも平均律です。

チューナーの針ド真ん中が平均律でのジャストピッチです。

ちなみにチューナーによっては、真ん中から少しだけ離れた左右に小さな三角の印がついているものがあります。

じつはこの印、純正律での長調の第3音(左側の印)と短調の第3音(右側の印)の音程を示しています。

 

 

先に申し上げたとおり、

平均律は厳密に言えば少しだけ響きが濁っていることになります。

その「少し」を犠牲にして利便性を優先させたということですね。

 

 

ただ私の耳では、平均律でチューニングされ演奏された音楽を「濁っている」と感じることはありません。

物心ついてからずーっと平均律の音楽を耳にしてきた結果かもしれません。

しかし、そんな耳でも純正律の音楽を聴くと、やはり美しいとは感じます。

平均律と純正律はしばしば対立項として語られますが、個人的には、どちらが良い悪いということもないかなと思っています。適材適所と言うか…。