絶対音感
という本があります。
20年ほど前にベストセラーになったので、ご存知の方も多いかもしれません。
生徒さんと話してる中でこの本に触れたので、なんとなくブログにも書いてみました。
最相葉月さんという方が絶対音感という言葉に関心を持ち、200以上という数の取材を行い、その実態に迫るというノンフィクションです。
こと細かな内容はあんまり覚えていないのですが、「音感」というものに対していろいろ考えさせられていた当時の私にとっては、意味のあるものだったと記憶しています。
絶対音感にコンプレックスを持ち、それでも音楽をやっていきたいと思っていた、20歳過ぎの私。
この本に書かれていることが全てダイレクトにというわけではありませんが、この本や、他の資料、人からのお話によって、絶対音感の絶対優位だという刷り込みをなくし、相対音感の重要性や、なにより音楽を楽しむことの大切さに気づくことができました。
今ではかなり考えもまとまり、つまらないことで悩まず、音楽を楽しみながらも生業とすることができるようになりました。
絶対音感は、音楽を楽しむうえでは必要ありません。
一方、相対音感はできるだけ強くしていった方が良いです。
相対音感は大人になってからでも身につきます。
コツコツやっていれば徐々に確実に。
楽譜に書いてある音だけでなく、頭の中にあるイメージを音にできたとき、きっと音楽が楽しくて仕方がなくなっているはずです。
でも、とっても歯がゆいことに、相対音感を強くするためのトレーニングをやっている教室や、本や、サイトや、アプリなどは、絶対音感訓練の関連のものに比べ、まだまだ少ないのが現状です。
・音名と階名の使い分け → 移動ドで考える
・移動ドによるソルフェージュ → 簡単な短いメロディーを聴いて階名で歌っていく
・12の階名によるソルフェージュ(トニックソルファ) → 臨時記号の#や♭がついた音にも、ドレミと同じように階名をつけていく
スクールの体験レッスンにいらしていただければ、このあたりのお話もさせていただき、ぜひご一緒にトレーニングしていきたいと思います。
遠方だったり、なかなかレッスンに行けないよ~という方のために、本をご紹介しておきます。
※てきとうに音感トレーニングの本を買うと、だいたいが絶対音感を身に付けさせようとして(固定ドで)書かれている物なのでご注意を。大人になってからは身に付かないとされています。
ジャズ ソルフェージュ/宇野重行
著者・宇野重行さんのバークリーでの経験とご自身の考えをまとめた、移動ドによるソルフェージュの説明と練習メニュー。トニックソルファを使って、12音それぞれに名前をつけて歌います。
大人のための音感ドリル(CD付)/リットーミュージック・ムック
おそらく大手出版社では唯一の、移動ド、トニックソルファでの練習ドリル。筆者・友寄隆哉さんによる一連の「大人のための音感」シリーズから。
正しいドレミの歌い方/アルテスパブリッシング
著者の鳴海史生さんと大島俊樹さんはともにクラシック畑の出でありますが、まっとうな正しい見識で「固定ド」に異を唱え、この本を書いています。
相対音感を育てるー 移動ドのドリル/共同音楽出版社
アマゾンで調べてたら出てきました。持ってないのでポチッといってみます。
あ、この記事は、絶対音感そのものを否定する意図はありませんので、誤解なきようお願いします。
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