伴奏は、主旋律の動きに合った「場の雰囲気」を作ることに徹しており、その「場の雰囲気」を作っている大きな要素が「コード」ということでした。
もちろんコード以外にも「場の雰囲気」を作っている要素はあります。
リズムや音色、音数、強弱、音響などなど。
いずれも大切な要素です。が、今回はコードだけに焦点を絞ってお話ししていきますね。
唐突な例えですが、友達同士の4人がランチを食べているとしましょう。
この4人が集まると、いつもくだらない会話で盛り上がり笑顔が絶えません。
お店がどこであろうと、食べているものがなんだろうと、座る席順がどうだろうと関係ありません。
誰からともなく話し始め、順序もなくとも決まって盛り上がる。
どうですか?イメージできますか?
でもそのうちの1人が途中で帰ってしまうと、途端に空気が変わってしまったりすること、ありますよね。
コードが作る「場の雰囲気」とはこういうことです。
つまり、ある4つの音を集めると(これを音の和、つまり和音=コードと言います)明るく楽しい響が得られると。
リズムや音色や強弱には左右されません。
さらには音の順番も。つまり、「C, E, G, B」という4つの音の和であれば、オクターブ違いの音も使って音が低い方から順に「C, G, B, E」でも「C, B, E, G」でもOKということです。
でも、Cの音を無くしてしまうと、「E, G, B」の3つの音の和は、さっきまでの明るい雰囲気がなくなってしまいます。
「楽譜の音符を1つ1つ追っていく」という発想はいったん脇に置いておいてくださいね。
上記のことを踏まえると、「同じコード進行の曲でも、演奏のあり方はじつに様々」だということが言えます。
ここではみなさんご存知の「アルプス一万尺」を例に、コード演奏のバリエーションを聴いてみましょう。
これがすべて同じコード譜(コードが記されている楽譜)を見て演奏しているんだ、ということを理解してください。
今回作ったバリエーションではテンポはすべて同じ(変わらない)ですが、当然テンポが速くても遅くてもかまわないわけです。
①ピアノでジャーンとコードを弾いいただけのやつ
②ピアノでコードをアルペジオで弾いたやつ
③ギターでコードをジャカジャカ弾いたやつ
④ベースやドラムも入れてファンキーに
⑤ハードでパンクな演奏