・間違えない
・音程が良い
・リズムが良い
・表情が豊か
良い演奏をするための技術的な面で、いずれも大事な要素ではありますが、
あえてこれに優先順位をつけてみると…
みなさんはどういう順番にしましたか?
私はですね…
1. リズムが良い
2. 表情が豊か
3. 音程が良い
4. 間違えない
としてみました。
いかがでしょうか。
もしかすると、みなさんが考えたのとだいぶ違うかもしれません。
おそらく「間違えない」が4番目であることに異論がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これについては、もちろん間違えないに越したことはないのですが、たとえ多少間違えてしまったとしても、その演奏の良し悪しにはさほど響かないと私は思っています。
たとえばライブや生放送で、稀に歌手が歌詞を間違えてしまうというアクシデントがあります。それに気づいた観客が、そのことによってその日のパフォーマンス(歌唱・演奏)を「良くなかった」と判断することはあんまりないでしょう。
実際のところライブなどでは、歌手だけでなく楽器奏者もちょこちょこ間違えていたりします。気づかれない程度のものもあれば、思いっきりやらかしてしまうこともある。(ちょっとした間違いであれば、それがバレないうようにするのもスキルだったりします。)
もちろん、少しでもお金をとってパフォーマンスを披露するのであれば、間違えないように最善の準備をして緊張感を持って本番に臨むべきです。
でもそのうえでやっぱり間違えることもある。にんげんだもの。(byみつを)
その間違いに対し目くじらを立てるのではなく、ある程度の寛容さを持って、「間違えずに演奏できるかどうか、以外のこと」にも興奮し心揺さぶられる方が、音楽の聴き方としては健全なような気がしますし、多かれ少なかれみなさんそうやって聴いていることと思います。
他の例を出すなら…
初心者・初級者の方がある曲を繰り返し繰り返し練習してなんとか間違えない演奏ができたとします。
ただ、「間違えていない」ということ以外は、音程も悪く、リズムも悪く、抑揚もない、そんな演奏…。
練習している様を見ていてその苦労を知っている人が聴けば(あるいはそれを想像して聴けば)十分に感動に値する演奏だとは思いますが、パッと聴いただけの人がその演奏をどう判断するか…。
ということで、「間違えずに演奏できるかどうか、以外のこと」にももっともっと関心を持っていきたいと自分でも思っていますし、それをみなさんにも促すつもりで「間違えない」を4番目にしました。
ところで、初心者の方ほど「間違えてはいけない!」という強迫観念にも近い考えを持っているように感じます。
「間違えるかもしれない、と思うと怖くて人前で演奏できない」という方もいらっしゃることでしょう。
それについては、
「どんどん間違えちゃってください!」
と私は思っています。
十分に準備して間違えない状態を作れたと思っても、いざという時にあっさり間違えてしまったりします。これはもう、準備がどうこうという問題ではなくて、「間違えてはいけない!」という思いが間違いを誘発するという、なんとも恐ろしいスパイラルにハマっている場合がほとんどです。
そういう意味では、準備が不十分と思える状態でもどんどん人に聴いてもらうような機会を作って、どんどん間違えましょう。
簡単に言えば、聴いてもらうことに慣れるということですね。
これに関しては「間違えながら間違いを減らしていく」方が気が楽だしスムーズなんじゃないかと思っています。
そして、間違えないようにしていくのと同時に、音程やリズム、表情のつけ方にも意識を向けていくのが良いと思っています。
やはり初心者の多くは、間違えないことに必死で、音程・リズム・表情については「後回しでいい」と考えているように感じます。
はたしてその順番は絶対なのか…。
間違えないようにするには、先日こんな記事も書きましたのでよかったら読んでみてください。
絶対に間違えないで演奏するには①