楽器を始めたい。でも、安い楽器じゃダメなのかな?
「安い楽器はやめた方がいい」よく聞く言葉です。
経験者は経験者の目線で、良かれと思ってそう言っているんだと思います。
たしかに、安価な楽器にはいくつかの難点があります。
でも、それが理由で”始めたい気持ち”を止めてしまうのは、あまりにももったいない。
今回は、音楽を始めるときの楽器選びについて、私の考えを書いてみます。
ぶっちゃけて言うと、楽器なんて最初は音が出てればいいと思っています。
演奏しにくいとか、耐久性が低いとか、音がイマイチとか、修理が難しいとか…
そういった安価な楽器の難点は後になって気になってくるかもしれません。
それでもなんでも、そもそも楽器がなきゃ始まりませんからね。
0には何を掛けても0なのです。
だから、楽器を始めたいと思ったら、なんとか楽器を入手してほしい。
ひととおりの音が出ればいい。
なんなら、少〜しくらい音程が悪くてもいい。
ちなみに、私が自宅でいつも弾いているローズピアノは、
中古で買ったときにはいくつかの鍵盤の音が鳴らず、音程もめちゃくちゃでした。
それでもなんとか自分で修理して、今はとっても愛着のある楽器になっています。
お店の入り口にある安価な楽器でも、
中古楽器店で見つけた楽器でも、
友人知人が使わなくなった楽器でも、
ヤフオクでも、メルカリでも、ジモティでも…
とにかく、楽器を入手しましょう。
もちろん、安価な楽器やコンディションの悪い楽器を使うことには、演奏性や耐久性、調整の難しさなどの難点があるということは頭の片隅に入れておきたいことではあります。
なお、個人売買では、まれにコンディションの悪い楽器をそこそこいい値段で掴まされることもあります。
だからこそ、購入前に周囲の識者に意見を求めることはとても大事です。
また一方で、初心者の方こそ、最初からある程度高い品質の楽器をお求めになった方がいいということも(一応)お伝えしておきます。
ただ、これはあくまで「もしお金が出せるなら」という話であって、高価な楽器が買えないということが、新しく素晴らしい音楽体験のスタートを妨げているとしたら、それはなんか違うかな…。
「始めたい」という気持ちを大切に、まずは音が出る楽器を手に入れてみてください。
スクールでレッスンをご受講くださっている生徒さんにも、
高級な楽器を使っている方もいらっしゃれば、比較的安価な楽器を使っている方もいらっしゃいます。
でも、高級な楽器を使っている方が必ずしも上級者というわけではありませんし、逆もまたしかりです。
ひとつ言えるのは、みなさんご自分の楽器を大切にされていて、マイペースで音楽を楽しんでいらっしゃる、ということです。
そうやって「安い楽器でも音楽はできる」という実感が持て、さらにだんだん「…けど、ここがもうちょっとこうだったらなぁ」という欲が出てくると、次に楽器を選ぶとき、ちゃんと”自分に合った楽器”を選べるようになるかもしれませんね。
結論。
初心者でも、もしお金が出せるなら、なるべく高品質な楽器を購入したほうがよい。
でも、安い楽器でも、しっかりと調整してありグッドコンディションならまったく問題ない。
もっと言えば、始めたい気持ちがあるのなら、とにかく何でもいいから楽器を入手すべし。
楽器がありさえすれば、どんな腕前でもあなたはもうプレイヤー(演奏者)です。
音楽を奏でる側の人間なのです。
そのはじめの一歩を、どうか止めないでください。