前回からのつづき
絶対音感がなければ音楽を楽しめないなら、既に成人していてその能力を持っていない人は、この先もずっと楽しむことができないことになります。
そんなわけありません。心配しないでくださいね。絶対音感がなくたって堂々と音楽やって良いんです。
クラシック音楽の世界は別にして、プロでもアマチュアでも、素晴らしい演奏をしている人、音楽を楽しんでいる人のうち、じつに多くの方が絶対音感を持っていません。
ただ、絶対音感を持っていなくても、先に述べた「歌える曲であれば演奏もできる」力を、彼らは持っています。
そしてそれはやはり、音を頼りにして、ということです。
絶対音感に比べると、かなり認知度が低いと思いますが、「相対音感」というものがあります。
聞いたことありますか?
この「相対音感」こそ、具体的な「音楽を楽しむための力」としての主だったもののうちの一つです。
具体的な話をすると言ってから、実に6回目にしてついに出てきました。でも、まわりくどいようでいて、全部大事なお話なんです。ホントに。
さて「相対音感」とは何なのか。なんとなく予想ができますか?
要は「絶対」に対しての「相対」ということなんですが、相対音感だけでは、絶対音感のように、ある高さの音を聴いてパッとその音の高さを判断することはできません。
しかしながら、一つでも基準となる音を与えられれば、それ以降に聴いた音の高さは、すべてその基準からの関係性、つまり相対的に判断ができます。
うまく伝わっていますでしょうか。
「この音がドだよ」と聞かされれば、その他は「じゃあこれはレだな、次はソだな」といった具合に分かるということですね。
どうですか?
「あ、オレ、相対音感持ってるわ」という方も中にはいらっしゃるかもしれませんね。