今回ご紹介するドラマーはドラムを叩いている方にはもちろん、ファンクやソウルなどがお好きな方にもよく知られた存在だと思います。
バーナード “プリティ” パーディ
(Bernard “Pretty” Purdie)
です。
60年代から活躍する、トップ・オブ・トップのセッションドラマー(いわゆるスタジオミュージシャン)で、
その参加セッション数は万単位とも言われています。
彼なしには、今や当たり前とされているようなドラミングも生まれてこなかったでしょう。
今もご存命のリヴィング・レジェンド。
ひかえめに言って神です。
パーディ老師のドラムはもう完全にグルーヴ重視。
体感がしっかりしていてノリがまったくヨレません。
非常にタイトなタイミングながらもけっして機械的ではなく、とにかく身体が動き出してしまうような躍動感があります。
聴いていただくのが早いですね。
近年の映像らしいのですが、とても80歳過ぎとは思えない。
超余裕で叩いていますが、ある程度ドラムを叩いたことがある方なら、このグルーヴを出すことがいかに難しいかお分かりだと思います。
ドラムのチューニングも素晴らしく、ハイハットの音色やスネアの粒立ちも極上。
ムダな味付け不用の極上ステーキドラムです。(?)
こりゃみんな呼びたがるワケだわ。
レコーディングセッションにおいて彼の最大の強みは、歌モノのバックでいっさい派手なことをせずとも、彼にしか出せないグルーヴで歌を引き立てられたことでしょう。
携わったレコーディングセッションは、ジェイムス・ブラウン、マイルス・デイヴィス、ボブ・ディラン、アレサ・フランクリン、キング・カーティス、スティーリー・ダン、ボブ・マーリー、モンゴ・サンタマリア、B.B.キング、ジェフ・ベック、ホール&オーツ、ニーナ・シモン、ギル・スコット・ヘロン、ハービー・ハンコック、ラスト・ポエッツ、はたまたSMAPまで、それはもう膨大な数。
そしてパーディと言えば、「ビートルズでリンゴ・スターの代わりに21曲を叩いた」というまことしやかな噂もあります。
というかこの噂、ご本人発信らしいですが、真偽のほどはいかに…?
ネット上ではいろいろな憶測が飛び交っているので、ご興味があれば調べてみてください。
まぁ…そんな話も出るくらいたくさんのセッションに参加している、と。
これはパーディ氏がリーダーのセッション。
フュージョン、ファンキー・ジャズの名手がズラリ。超贅沢なライブ。
ドラムの奏法では、今やファンキーなドラムで定番のフィルイン「ダチーチー」の生みの親。
さらに、ロックバンドTOTOのドラマーであるジェフ・ポーカロが叩いた「ハーフタイム・シャッフル」の元となった「パーディ・シャッフル」の発案などが有名です。
その素晴らしいグルーヴドラムは後年のドラマーに多大な影響をあたえただけでなく、ヒップホップやR&Bのサンプリングソースとして、今日もいたるところで聴くことができます。
その昔、トラックを作ったりDJをしたりするときに重宝した、パーディ老師のドラム・ブレイクス(ドラムビートだけが延々入ったレコード)。
私のドラムの師匠、狩野さんによるバーナード・パーディ・スタイルのドラミング。