はい、音楽理論講座の6回目です。
基準の音と、任意に選んだもう1つの音との響き合い、そのそれぞれに名前をつけてきました。
その名づけ方としては、「響きの気持ちよさ」がポイントでした。
響きの気持ちよさは、周波数比によるわけですね。
ということで、響きが気持ちいいところから名前をつけていきました。
周波数比がシンプルな(響きが良い)「1, 4, 5, 8」はパーフェクトインターバル(完全音程)と言います。
完全音程でない「2, 3, 6, 7」については「メジャー/マイナー(長/短)」という表現を使い、それぞれに2つのポジションがあるわけです。
残るは周波数比が45:32のところですね。
パーフェクト4th(完全4度)とパーフェクト5th(完全5度)の間に挟まれているところです。
そもそも大昔は、この関係(基準音と6つ隣の音)は、非常にマズい響きだとして嫌がられていました。
「悪魔の音程」なんて言われていたそうです。
でも、パーフェクト4thとパーフェクト5thの間が離れていたので、いちおうここにも1つポジションは与えられていたんですね。
ある意味、パーフェクト5th(完全5度)より「短い」わけですので、「短5度」といきたいところですが、5度は完全音程ですので「短」になることはありません。
困りましたね。
困ったあげく、これを「短」ではなく、「減」という表現をすることにしました。
「減5度」というように。
で、ここを5度から「減」で「減5度」であるならば、4度から「増」という表現を使って「増4度」とも言えるわけです。
英語では「増4度」は「オーギュメンテッド4th」、「減5度」は「ディミニッシュト5th」と言います。
長短音程が2つのポジションを有しているのに対し、完全音程は完全ってくらいなので基本はそのポジション1つですが、どうしてもというときは「増/減」するわけですね。
各音程の関係を整理するとこんな感じです。
はい。
これでそれぞれの関係に名前がつけられました。
これらの基準音との関係をして、インターバル(音程)といいます。もう少し厳密に言うと、基準音ともう1つの音との音高の隔たりを表すものです。
そして、インターバルをこうやって数字を使って言い表すことをディグリー(Digree)と言います。
で、表記についてなんですが、完全とかパーフェクトとか書くのが大変なので、これを「P」としていきます。
パーフェクト(完全)→「P」
メジャー(長)→「M」
マイナー(短)→「– 」(マイナスです。小文字の「m」を使ったりもしますが、メジャーの「M」との混同を避けるために「–」にします。)
オーギュメンテッド(増)→「♯ 」(シャープは本来的にオーギュメンテッドを指すものではありません。この場合、完全音程が半音高くなったことを簡略化して表すために使っています。augと書くこともあります。)
ディミニッシュト(減)→「♭」(フラットは本来的にディミニッシュットを指すものではありません。この場合、完全音程が半音低くなったことを簡略化して表すために使っています。dimと書くこともあります)
何かに名前をつけておくというのは、整理して理解するため、そしてコミュニケーションを潤滑にするためには不可欠です。
M3とかP5と言われて、それが何を意味するのか、パッとわかるようにして、この先のお話に進みましょう。
ちなみに、M3はメジャー3rd(長3度)で、基準音とそこから4つ隣(半音で4つ)の音との関係およびその響きのことですね。
今回はここまでです~。