はい、音楽理論講座の3回目ですね。
前回の終わりに、鍵盤上の任意の2つの音の響きを聴いて主観により気持ちが良い響きか否かを判断してみましょうということで、やり方をお話ししました。
いかがですか?やってみました?
ちゃんと実際にやってみてくださいね。
実際に音を聴いて感じていくことをすっ飛ばして、読んで理解しようとしてもロクなことがない気がします。
「理論が難しい」となってしまうのは、音を聴かずに理屈だけを理解しようとするからなんじゃないでしょうか。
前回も言いましたが、音楽理論て言ったって響きについてがほとんどで、その響きの正体(構造)を知ったり、いろんな響きを整理して使えるようにする、ということなんで、もうホント聴かないと話にならないですから。
逆に、ちゃんとそのつど響きを聴いて確認していけば、そんなに難解なものじゃないです。
ところで音楽理論なんてものは、この世に音楽が生まれたと同時にポンっと出来上がったものではありません。
あたり前かもしれませんが、音楽の発展は理屈が先にあるのではなく、実際の音を使った様々な試みにより推進されたものです。
ここを勘違いしないようにしましょう。
たくさんある既存の楽曲や演奏をくまなく分析したら、ある種の同一性が見えてきたので、それを体系だてて理論と呼ぶことにしたんですね。ようするに後付けの理屈です。
だから、あくまでも理論はセオリーであってルールではありません。
そこで「主観」についてなんですが、本来の音楽は人それぞれ自由に感じ取ればいいものなので、まさに主観が全てなのですが、音楽のような目に見えないものを理論と呼ばれるような体系だったものとして整理していこうとしたときには、多くの人が同じように感じていることがその指針になっています。
さて、基準の音ともう1つの任意の音との響き。
多くの人が気持ちが良いと感じたものでも、人によっては気持ち悪いと感じるということも、またその逆もあるかもしれません。
しかしそういう方がそのちょっと独特な主観をゴリ押ししてしまうと、それでは理論とはどうあっても相入れません。机上の空論てやつになってしまいます。
なので、たとえ自分は気持ちが悪いと感じても、「どうやら多くの人にとっては気持ちいいらしい…」というように、つど折り合いをつけていくことが必要になります。
でも私は、そういう他人とは真逆の感性を持っている方ってすごいと思ってます。
そういう方には、それこそ理論(セオリー)なんて気にせずに、思いのままに歌ったり演奏したりしていただきたいですし、作曲したものなんかもぜひ聴いてみたいです。
まぁ、ですので、この音楽理論講座は、そういう突き抜けた人向けではないかもしれないです。
フツーの人向け。笑
では、多くの方が「そう」感じるであろう、基準の音ともう1つの音との関係を整理してみましょう。
その前に鍵盤ですが、白い鍵盤と黒い鍵盤がありますね。
これ、文字通り白黒はっきりしているんですが、いったんこれらを違いのない同じものとして捉えてください。いったん白も黒もないと。
鍵盤は理論を学ぶのにはとても適していますが、唯一「白黒があることがすべての半音関係を分かりにくくさせている」という難点があります。
白黒関係なく、1つ隣への音程が半音となります。
前回は適当に選んでいただいた「基準の音に対してのもう1つの音」が、右側に、もしくは左側に、基準の音から鍵盤の数でいくつ分離れたところにあるか、そして一緒に鳴らしたときその響きがどうなのか、確認していきます。
ということで、いくつかピックアップしていきますので、ご自分の主観と照らし合わせてみてください。
※基準の音は鍵盤上のどれでもかまいません。(極端に低かったり高かったりしない方がいいと思いますが。)
まず1つ隣。これは右隣でも左隣でもいいんですが、基準の音と一緒に鳴らしてみてください。
はい。
どうですか?
これはですね……気持ちいい……とはされてません。一般的に。気持ち悪い。不協和です。
大丈夫ですか?笑
では次はさらにもう1つ隣、つまり2つ隣ですね。右でも左でもいいです。また基準音と一緒に鳴らしてみてください。
はい。
どうですか?
これは……さっきの1つ隣に比べればだいぶ良いんじゃないでしょうか。
まぁ、気持ちいいか、と言われれば「ん~~~」という感じ。
では次は一気に4つ隣までいきましょう。とりあえず右にしましょう。右側へ4ついきます。で、基準音と一緒に鳴らしてみてください。
…どうですか?
この組み合わせは今までの2つと比べて、はっきりと「気持ちがいい」と言えるんじゃないでしょうか。
さらに行きますよ。今度は6ついきましょう。また基準音と一緒に鳴らします。
これは…。
かなり気持ち悪くないですかね?さっきの4つ隣と比べてあきらかに。
これもいわゆる不協和です。
これが気持ちいいという方は、一般的には不味いと思われていると認識しておいてください。
さらに1つ隣にいって、基準音からは7つ隣ですね。
…どうですか?
これは…良いですよね。濁りがない。
最後は一気に飛んで、12個隣です。数え間違えないように。
はい。
こいつはなんと言うか、2つの音を鳴らしても、完全に1つに合わさっているような感じです。当然、気持ち悪くはないです。
これらの例を参考に、いま一度、基準音ともう1つの音の響き合いを、いろいろ試して聴いてみてください。
で、これらの関係それぞれに名前をつけていくんですが、それはまた次回に~。