ちょっと間が空いてしまいました。音楽理論講座の11回目です。
前回はキーというものについて、演目の種類、主役やキャストといった例えでお話ししました。
さて、みなさんは音楽においての「コード」というワードを聞いたことはありますでしょうか。
コードは日本語では「和音」ということになります。和音は「音の和」、つまり高さの違う音の集まりです。
音の数がいくつでも、どの音が組み合わさっても、「音の和」ではあるわけですが、一般的には3音から5音ほどの集まり(オクターブ違いで同じ音名が与えられているものは、それで1音と捉えます。)で、組み合わせもある程度バリエーションが決まっています。
そういう、ポピュラーミュージックを作ったり演奏したりする上でよく使われる組み合わせには、コードネームという、何を指しているのかすぐに分かるような名前がつけられています。
詳しくはおいおいお話するとして、まずは例によって演劇で言うと「コード」とは何に相当するものなのでしょうか。
コードとは1つのシーン(場面)のようなものです。
いくつかのシーン(場面)が移り変わって物語が進んでいくわけですが、シーンごとには登場人物のうち3人~5人くらいが場に出ていると思ってください。
実際の劇や映画では1人しか場に出ていないシーンなんてのもざらにあるとは思いますが、音楽では3人~5人くらいが常に場にいると。
その数人で1つのシーンを作っています。ゆったりした落ち着いたシーン、ハラハラするシーン、悲しいシーン、胸にジ~ンとくるシーンなどなど。
誰が場に出ているかで、シーンの性質が変わるわけです。
ある劇において、「この3人が出ているシーンは緊張感のあるシーンだ」という具合に、登場人物の組み合わせがシーンの性質と紐づいています。
前回お話ししたように、その劇の主役というのは1人いる(ドレミで言うと「Do」にあたる音、ディグリーでいうとⅠ(完全一度)です。)わけですが、シーンごとにもその中心となる人物がいます。
逆に言うとシーンによっては主役の「Do」にあたる音よりも、目立っている人物がいたりするわけです。
このシーンごとの中心人物を、音楽では「ルート」と言います。日本語では「根音」というやつです。
例えば、CMaj7(Cメジャーセブンス)というコードのルートは「C」である、というような用語の使い方になります。
そして、このシーン(場面)が移り変わっていくわけです。つまりコードが移り変わっていく。
これを「コードが進行する」と言い、その移り変わりのパターンを「コード進行」と言ったりします。
また、コードが進行すること、コード進行を含めて「ハーモニー(和声)」と言います。
つづきますーー