いよいよエレキギターに入っていきましょうか。
数ある楽器の中でも最もポピュラリティが高いと言っていいエレキギター。
すでに歴史も長くなり、メーカーの数、商品の数、小物類、ヒーロー、奏法、ウンチク……どれも群を抜いています。
そうなると、いわゆるオタクというかマニアックな方も大勢いらっしゃるでしょうから、あんまり不用意なことは書けないんですが、あくまで初心者向けということでいってみます。
あらためて、エレキギター(エレクトリックギター)とは何かというと、「電気仕掛けで大きな音量を得ているギター」ということになります。
(この定義で言えば、前回のエレアコもエレキギターの括りになりますね。でもエレアコは、あくまでもアコギを土台にしているので、アコギの延長でご紹介しました。悪しからず。)
その上で、多少サブカテゴリーに分かれていますので、そこからお話ししていきます。
ソリッドギター
まず、多くの方がイメージするであろう一般的なエレキギター。
これを「ソリッドギター」と言ったりもします。
ここでのソリッドとは「無垢の木」であるということで、アコースティックギターにあるようなボディの空洞や穴(サウンドホール)がないということを意味しています。
音を拾うためのピックアップ、ヴォリュームやトーン(音色)をコントロールするつまみ類が付いています。
フェンダーのテレキャスター、ストラトキャスターやギブソンのレスポールなどに代表されるタイプです。
ムチャクチャたくさんのモデルやバリエーションがあります。
詳しくは後ほど……。
テレキャスター
ストラトキャスター
レスポール
フルアコ
そして、ピックアップやコントロール類(ヴォリュームやトーンなど)はソリッドギターと同じものを用いつつも、アコースティックギターのようなホロウボディ(空洞のあるボディ)を持つ、「フルアコ(フルアコースティックギター)」と呼ばれるタイプ。
「箱物」と言ったりもします。
また、多くの場合、そのボディがヴァイオリンやチェロのように曲面になっていることから、海外では「アーチ(ド)トップ」と呼ばれます。そしてアコギのようなセンターホールじゃなく、F字孔が空いています。
しっかり胴鳴り感もあり、柔らかい音色が魅力です。主にジャズ系のプレイヤーが好んで使っていますね。
ギブソンのL-5やES-175が代表的で、グレッチやディアンジェリコといったメーカーもフルアコに力を入れています。
ギブソン L-5
ギブソン ES-175
グレッチ ホワイトファルコン
ディアンジェリコ ニューヨーカー
セミアコ
そして、完全なソリッドではなく、セミホロウという中心を残した両側(物によっては片側)に空洞がある作りの「セミアコ(セミアコースティックギター)」。
これも「箱物」の一種だと言えます。
多少でも空洞があるので、やはりソリッドとは違う膨よかさがあります。
一方でフルアコに起こりやすいハウリング(音の信号がループして「ピーーーッ!!」と鳴ってしまうこと)は比較的起きにくく、ソリッドとフルアコのいいとこ取りをしたようなタイプです。
ブルースやロックンロール、フュージョン系まで、幅の広いジャンルでプレイヤーに好まれています。
代表選手はギブソンのES-335ですね。
少しタイプが違いますが、リッケンバッカーの330、テレキャスターのシンラインモデルなども、一応セミアコという括りかと思います。
ギブソン ES-335
リッケンバッカー 330
テレキャスター シンライン (Thinline)
つづく