フルートのレッスンを受けると、よく先生から勧められる教本やエチュード(練習曲)がいくつかあります。
アルテ(アルテス)
ソノリテについて / マルセル・モイーズ
17のメカニズムの日課 / タファネル&ゴーベール
フルートのための35の練習曲 第1~3巻 / ケーラー
フルートのための18の練習曲 Op.41 / アンデルセン
などなど。
1冊ずつのご紹介はここではちょっと省略しますが、初級~中級者、おそらく上級者にとっても基本を押さえ確認するうえでは、とっても有効な良い教材だと思います。
素晴らしい教材です。ええ。
しかし!
これからフルートを楽しんでいこうとする人にとって、これらはちょっと大変な、窮屈な練習素材なのではないでしょうか。
とくに「楽器は初めて」という方には。
また、普段聴いている音楽もポップス系ばかりで、クラシックはあまり聴かないなという方は、もっと聴きなじんでていて、頭の中にイメージできる、すぐに歌えるようなメロディーを吹いた方が良いように思います。
だって、その方が単純に楽しいでしょう。
ところで、なぜ上記の教本を先生が勧めるか、というとですね……
先生がそれを使って練習してきたから
なんですね。それしかありません。当たり前と言えば当たり前ですね。
自分がやってもいないことを勧められても、ね。
では、どうして先生はこれらの教本を使ってきたかというと、
先生の先生に勧められたから……いや、勧められたんじゃないですね、やらされたんですね。
なぜ?
それはきっと、音大に入るためだったり、将来フルートを吹く仕事ができるようになるためだったりします。
ようは、趣味で楽しむためではなく、専門的にガチでやるためです。
その道はけっこうな過酷な道です。それすらも楽しめるような人がその道を極めていくのでしょうが。
ましてや、そんな先生も、いきなりこれらの教本と向き合ったのではなく、おそらく先に吹奏楽部で辛くも楽しい思いをして、音楽やフルートを大好きになっていて、それから、なんじゃないでしょうか。
さて、これからフルートを始めようとする、もしくはすでに吹かれているあなたは、なんのために吹くのでしょうか。
どんなメロディーや曲を吹きたいですか?
もちろん「上達していくこと」は素晴らしいです。
私の人生の大大大先輩が「人間の喜びは習得していくことだ」と言っていました。
だから練習は大事です。
まわり道することも、時に必要だと思います。
でも、フルートの楽しみ方、音楽の楽しみ方はいろいろで、必ずしも上記の教本をやっていったその先にしか楽しみがないワケではないのではないでしょうか。
festina-lenteのレッスンでは、個々の生徒さんのレベルに合った、そして個々の好きな曲、吹きたいメロディーを題材にしていきます。
その中でも基礎を大切にし、しっかり積み上げて上達していけるよう、カリキュラムを組み、指導も工夫していきます。