フルートの素材についてお話ししましたが、それ以外のもう少し細かいことも書いておきます。
C管とH管
一般的にフルートと言われているコンサートフルートには
管の長さがほんの少しだけ違う、C管とH管という2種類があります。
C管は最低音がC(ピアノの真ん中のC)になります。
H管はC管よりも足部管がほんの少し長くて、最低音がC管より半音低いH(ドイツ音名です。英音名でBのこと。)になっています。
曲によっては、ごく稀にH管の最低音のH(B)が必要なことがあります。
最低音のことだけじゃなく、若干の音のキャラクターの違いから、C管を好む人とH管を好む人がそれぞれいます。
どちらでも良いと思いますが、個人的にはH管は重くなるのでC管が良いかな…。
カバードキーとリングキー
フルートには指先を置いておくキーに、カバードキーとリングキーという2種類があります。
キーに穴が空いているのがリングキー、穴が空いていないのがカバードキーです。
リングキーはキーの穴を指先でしっかり塞いでいく必要があります。隙間が空いていると鳴らないか音が鳴りにくくなってしまいます。
その点、カバードキーはラフに押さえてもパッド(タンポ)がしっかりトーンホール(管に空いた穴)を塞いでくれるのでイージーです。
その理由のみで、個人的には、初心者の方がフルートを楽しむ目的で楽器を購入するのであれば、カバードキーの楽器が良いかと思います。
ただ、初心者がカバードキー、上級者はリングキーというわけではないです。プロでもカバードキーを好んで使う人もいますし、初心者でも気に入ったのならリングキーから始めてもよいと思います。
リングキーの方が音抜けが良い……という話も聞きますが、実際のところ大差ないのではないでしょうか。
インラインとオフセット
キーの配置が一直線上にあるものをインライン、左手で押さえるGキーが少し外側にズレているのがオフセットと言います。
カバードキーの楽器は基本的にはオフセットです。リングキーの楽器はインラインもオフセットも見かけます。
この違いは、単純にフォーム、つまり手の大きさや指の長さによって選ぶべきです。
これまた、インラインの方が音抜けが良い……という話も聞きますが、実際のところ大差ありません。
↑カバードキー
↑リングキー/オフセット
↑リングキー/インライン
どうも世間的には
C管、カバードキー、オフセットが初心者向け
H管、リングキー、インラインが上級者向け
と思われているようですが、明確な理由はなく、べつに気にすることはないです。
Eメカ
フルートという楽器は構造上、どうしても音が当たりにくい(鳴らしにくい)ところが部分的に出てしまうのだそうです。
例えば、第3オクターブ(高音部)のEの音。
その音を当たりやすいように工夫した仕組みが「Eメカニズム」です。
今やほとんどの楽器には最初から付いています。
私の楽器は古いので付いていませんが、さほど苦労したことはありません。
リッププレート
どれも同じように見えるリッププレートやエッジ(息を吹き当てる部分)ですが、各メーカー、モデルによってビミョ~~に異なります。
最初のうちはこれが意外に大きく影響するかもしれませんが、一概にどれが良いということは言いづらいです。
ただ、どれであったとしても1本選んで購入したなら、その楽器に吹き方を合わせていくしかないので、鳴るポイントがつかめてしまえば問題ありません。
他にもトーンホールの作りとかいろいろありますが、マニアックになってくるのでこのへんで。