みなさんは、歌ったり楽器の演奏をしたりするにあたって、目標とするシンガーやプレイヤーはいますか?
音楽は多分に自己表現ですから、最終的には精巧な物まねより自分らしさがある方が良いと私は思っています。(物まね芸を否定したり軽んじているワケじゃないです。)
世の中には始めの段階から際立って個性的な人もいるでしょうし、始めの段階からオリジナリティを追求するのも悪くないと思います。
しかし一方で、先人の知恵を借り、良いところを真似していく、ということが王道であるのは音楽に限ったことじゃないですよね。
みなさん、おそらく好きなシンガーやプレイヤーはいるかと思いますが、もし具体的に目標とする対象がないのであれば、一度それを定めてみるのもいいかもしれません。
そう言う私も、好きなシンガーやプレイヤー、さらには作曲家や編曲家はたくさんいても、そのうちの1人を目標と定めて熱心に研究して真似したということは、じつは多くはありませんが…。
さて、以前の私はサックスの演奏について、アドリブするときの音使いに関心が強かったけど、ここ何年も、もっぱら音色やニュアンス、そしてリズムに意識が向いています。
ちなみにここで言う音色とは、楽器やマウスピースなどのセッティングに由来するものではなく、あくまで吹き方による音色のコントロールのことです。
参考にしているのはスウィング期のプレイヤー。そしていわゆるムード歌謡を演奏していたプレイヤーです。
古いスタイルですが、逆に新鮮に聴こえるという方もいらっしゃるかもしれません。
ちょっとだけご紹介させていただきますね。
ベン・ウェブスター
レスター・ヤング、コールマン・ホーキンスと並ぶ、スウィング期の3大テナーマンの1人。暖かい音色、絹のようなピアニシモ…。息(音)の抑揚が心地よすぎ。
ジョニー・ホッジス
デューク・エリントンの右腕で、彼の楽団でソリストとして活躍しました。ベンドから入る流麗なフレージングが素晴らしい。
サム・テイラー
腕利きのセッションマンですが、日本では数多くの歌謡曲を録音し、ムードテナーの偉人として知られています。
じつは日本にもこういった素晴らしい音色、ニュアンス、リズムで演奏するプレイヤーがたくさんいました。(もちろんご存命の方、現役の方もたくさんいます。)
またあらためてご紹介したいと思います。