歌でも楽器でも、「やるからには上手くなりたい」という意識で取り組むのは、比較的多くの方にとって自然なことだし、ステキだと思います。
でも、やっぱり
一朝一夕にはいかない
もんです。
だから私は、例えば「これをやればスグ上達!」みたいなキャッチコピーを見かけたとしたら、そのコンテンツは眉唾だな…って思ってしまいます。
そもそもからして「上手さ」というのも1つじゃないですからね。とくにポピュラーミュージックの場合は。
「でも、ぶっちゃけ手っとり早く上手くなりたいんスよ〜〜」
という方に、今回は特別に耳寄りなアドバイスを。
といっても、何度も言いますが本質的に上手くなろうと思ったら一朝一夕にはいきません。
だから今からお話しすることは、言ってみれば「付け焼き刃的なやつ」です。
「上手い人っぽい雰囲気」。「上手い…かな?」みたいな。
そういうのがイヤだったら、やっぱりコツコツ地固めをしていくのがけっきょくは一番の近道です。
はい、ではいきますよ、それは何かと言いますと…
とにかく強弱をつける
です。
……あれ?肩透かしくらった感じですか?
以下解説
正確な、もしくは気持ちのいい音程やリズム、複雑なフレーズ、高速なパッセージ、細かいニュアンス、音色のコントロールなど、「上手い」と思わせる要素はいろいろありますが、そのどれもが一朝一夕(3回目)にはいきません。
でも、強弱ならどうでしょうか?
自由自在とまでいかなくても、どうにか多少コントロールできませんかね?
楽器によっては強弱のコントロールが難しいものもあるかもしれませんが、初中級者でも多少は強弱の差をつけられるのではないでしょうか。
上手な人の歌や演奏は往々にして、強弱のコントロールも素晴らしいでしょう。
逆に強弱の変化がない、いわゆる一本調子、セリフ棒読み状態では、拙く聴こえがちです。
(強弱だけが原因ではありませんが。)
ところがこの強弱、意外にも軽視されているようにも思います。
とくに楽器となると、それがギターでもピアノでも管楽器でもドラムでも、とかく任意のタイミングで任意の音を発音していくことにばかりに意識が向いてしまう。
強弱は0か100か。これではまるでON/OFFのスイッチによって演奏しているようです。
いかがですか?
身に覚えはありませんか?
私はありますよ……。
エレキギターなんかだと、けっこう弾ける人でも弾く音弾く音ぜんぶ同じ強さだったりしますからね。そういう演奏にはあんまりグッとこない。(私の場合)
一方、たいして難しいことなんかしなくても、強弱の幅が豊かだと、「おっ?やる…か?」ってなりますから。(私の場合)
もちろん、付け焼き刃的に、ということでなく正攻法でも強弱は超重要な要素です。
ということで、
ぜひ強弱を気にしてみてください!
練習では、試しに思いっきり大胆に強弱をつけてみてもいいと思います。
ただし、強弱をつけようとするあまり、今度は音程やリズムがめちゃくちゃになってしまってはプラマイでマイナスかもしれませんので、バランスよく意識配分できるようにがんばってみてください。