今回はプログレッシヴロックについて。
プログレっていうやつですね。
ざっくり言うと、高度な演奏技術に裏打ちされた複雑で実験的なロック、という感じです。
または、芸術性を追求したロックとでも言いましょうか。
元来、ブルースから発展してきたロックンロール~ロックは、ストレートさやシンプルさをある種ポジティヴな要素として有していましたが、そういった物とは真逆の趣向ですね。
かのビートルズもリズム&ブルースやロックンロールからスタートしましたが、徐々に実験的な作品(例えば、シングルではなくアルバムで1つの作品と考えるような)を作るようになっていきます。
プログレは、おそらく私よりもひと回りくらい上の世代の方がドンピシャ世代なのかな?
そのくらいの先輩方にはプログレ好き、プログレ経由の方が多いですね。
学生の頃の自分にとってプログレと言えば「上手い人がやっている」「変拍子が多い」というイメージでした。
実際そうだとも言えますが、まず実験的であることに重きがおかれるため、音楽性の幅は広いとも言えます。
ブルージーさよりもクラシカルな雰囲気、つまり白人的なルーツへの接近も特徴のひとつです。
それらのことから長尺の大曲も多くなり、仰々しくもなっていきました。
60年代後半から70年代にかけて隆盛したこのシーンもやはりイギリスから。
この時期のイギリスは本当にすごい。
プログレの代表的なバンドはほとんどがイギリスのバンドです。
キング・クリムゾン (King Crimson)、ピンク・フロイド (Pink Floyd)、イエス (Yes)、エマーソン・レイク&パーマー (Emerson, Lake & Palmer)、ジェネシス (Genesis)……
プログレは勢いそのままにヨーロッパを席巻します。
アメリカにも入っていきますが、アメリカではド直球のプログレよりももう少しポップにしたものの方がウケは良かったようです。
もちろん日本にも入って来ます。日本のプログレだと四人囃子とかですかね。
またプログレのシーンはプレイヤー単位で見ても、演奏技術が高い人が多くアイデアや個性も際立っていたので、歴史に名を残したプレイヤーがたくさんいます。
そんなプログレも、今度はプログレと真逆と言ってもいい「パンク」という新しい波によって衰退してしまいます。
これもカウンターカルチャーですね。
しかしプログレには、ロックおよびポピュラーミュージックを音楽の構造的にそして技術的にネクストレベルに押し上げた功績も少なからずあるはずです。
昨今のロック・ポップスバンドの楽曲を聴いていても、時おり、すごくプログレを感じる要素があったりします。