通常、音楽を奏でるにあたっては、もちろん身体を使います。
上手に歌ったり演奏したりしたいけどそれがままならないとき、理由はいろいろだと思いますが、その1つに
「思うように身体を動かせない」
ということがありますよね。
今回はそういった「運動」について考えてみます。
さて、つき詰めると、歌もどんな楽器の演奏も「全身を使う」ということになってくるでしょうが、単純に考えると、ピアノは両手と片足(ペダル)、ギターは両手、サックスは両手と口(息)、ドラムは両手両足…といった具合に、楽器によって身体の使う部分は異なります。
ですが、利き手の人差し指だけで演奏する楽器というのは、なかなか珍しい。
ちょっと考えたくらいじゃ思い当たりませんでした。(近いところでカリンバとかかな…。)
利き手の人差し指と言ったのは、おそらくは身体の中で最も動かしやすい、器用な部分だからです。
利き手の親指や中指も器用な部類だと言えると思います。
もちろんこの「器用さ」にも個人差はありますが、音楽を奏でるにあたって利き手の人差し指しか使わないのであれば、「思うように身体を動かせない」ことによるやりにくさはさほど問題にはならないのではないでしょうか。
しかし、実際は違う。
薬指や小指、手のひら、手首、そして利き手じゃない方の手、さらには左右の足、目に見えない口の中……と、普段の生活では意識して使うことがほとんどないような部分をコントロールしていかなければなりません。
だから、最初は上手くいかない(上手く動かせない)のは当たり前です。
大事なのは、どうやったら思ったように身体を動かせるようになるかを考えて実行していくことです。
どうしたらいいでしょうか。
ここからは私の考えです。
私の場合は「そう」だったのですが、器用な部分も不器用な部分も合わせて身体を動かそうとしたとき、よくよく観察すると、まず器用な部分がリードし不器用な部分がそれに従ってついて行くような関係が見られました。
例えばギターのコードを押さえるとき、人差し指や中指などの器用な指が先行し、薬指や小指が後を追うような動きです。
しかしこれでは、いつまでたっても不器用な部分を器用な部分と同じように使うことができるようになんてならないよ!と思ったわけです。
専門的なことは分かりませんが、感覚的には、不器用な部分というのは、脳からの命令信号を伝達するための回線が細い・遅いというイメージがあります。
これをブロードバンド化してやらにゃーいけません。
実際には回線工事などできませんから、むりくりにこの細い回線を広げて太くしていくのです。
そのためには、
不器用な部分に対して、なるべくたくさん脳からの命令信号を流し込むしかない!
と。
私の場合、具体的には、かれこれ20年以上「あらゆる場面で利き手じゃない方の手を使うように」しています。
最近は、だいたいのことは左右で同じように出来るようになってきました。手前味噌ですみません。
(利き手の矯正にはいろいろと弊害もあると聞きますが…。子供の場合はとくに、ですかね?)
あと、思い通りに動かすための最低限の筋力も必要でしょうが、これは意識的に動かしていくうちに付いてくると思っています。
単なる筋トレはさほど意味を持たないと言うか、むしろやらない方がいいような気がします。
筋のストレッチはした方がいいような…。
このあたり、ちょっと裏が取れていないので、歯切れが悪くすみません。
と言うことで、もちろんいろいろな考え方があると思いますが、
歌ったり演奏したりするにあたって「なんとなく身体を動かしている」という方は、試しに不器用な部分に意識をフォーカスしてみてはいかがでしょうか。