
70年代のロックはトピックが盛りだくさんですね。
今回はグラムロックについて書いてみます。
「グラム」の語源はグラマラス(魅力的な)。
このジャンルの特徴は音楽的なものよりも、衣装やメイク、ステージなどビジュアルによって世界観を打ち出している点にあります。
グラムロックのアーティストは個性的かつ中性的な衣装やメイクといった出立ちで、ロックスターという言葉がよく似合います。
グラムロックが生まれた背景には諸説あるようですが、ハードロックやヘヴィーメタルなどのマッチョなムーブメントへのカウンターともとれるかもしれません。
このムーブメントもやはりイギリスが発祥で、T-REX(マーク・ボラン)、デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック、スレイド、モット・ザ・フープルといった代表的なバンド/ミュージシャンはいずれもイギリス出身です。
中でも、グラムロックの立役者、マーク・ボラン擁するT-REX、そしてデヴィッド・ボウイの影響力は絶大でした。
しかし、1977年にマーク・ボランは事故で亡くなってしまいます。
グラムロックの象徴でもあったボランの死がきっかけかどうかは分かりませんが、この頃からグラムロックのムーブメントは衰退していきます。
デヴィッド・ボウイはと言うと、グラムロック以降も何度も自らのイメージを刷新して、ときに時代をリードし、ときに距離を取りながら確固たるアーティスト像を作りあげました。
ジャズの世界ではマイルス・デイヴィスが思いつきますが、そうやって表現方法は時代時代で変化させながらも常に唯一無二の存在感を放つ、まさにアーティストと呼ぶに相応しい、ボウイもまたそんなミュージシャンだと思います。
グラムロックの流行は70年代の終わりには収束してしまいますが、その後も根強い支持はあり、今現在も世界各地に「グラムっぽい」バンド/ミュージシャンがいます。
日本ではジュリーこと沢田研二さんや、忌野清志郎さんのメイク、衣装、ステージングにはグラムロックからの影響が見て取れますし、マルコシアス・バンプやイエロー・モンキーといったバンドにもグラムロックの影響は大きいと言えるでしょう。