いよいよハードロックに入っていきます。
音楽ジャンルの特徴を一括りに定義するのはとても難しいですが、ハードロックの特徴を考えてみると…
・歪んだ音色のエレキギターが用いられる
・ドラムやベースも大きな音量でアンサンブルし、ヴォーカリストも負けじとシャウトする
・間奏でギターソロがフィーチャーされる
といったあたりでしょうか。
もちろん、ハードロックバンドでも曲によってはアコースティックでしっとりしたアプローチをすることもありますが、「ハードロックっぽさ」というとこんなところかと。
さて、ロックを広く見渡せば、ルーツであるブルースをさほど感じさせないようなスタイルも徐々に出てきていた60年代後半だと思いますが、ハードロッカーの元祖となるミュージシャンはブルースを愛し、ブルースフィーリングにあふれた演奏をしました。
イギリスでは、ジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズ、ヤードバーズ、フリートウッド・マックといったバンドが、アメリカでは白人ブルースマンのジョニー・ウィンターなどが、ロック色の強いブルースを展開しました。
彼らのスタイルはブルースロックとも言われ、デレク&ザ・ドミノス、オールマン・ブラザーズ・バンド、スティーヴィー・レイ・ヴォーンなどがそれに続き、今日でも根強い人気を持っています。
あと、この時期のポイントとして忘れてはならないのが、機材の発達です。
エレキ楽器、アンプ類、PAシステムの発達は、そもそもはより大きな会場でのライブ演奏を目的としていたと思われますが、それにより、耳をつんざくような大音量でロック(ブルース)を轟かすことができるようになってきます。
そんな中現れたのが、
ジミ・ヘンドリックス
です。
彼もまた、強烈なブルースフィーリングを持ったブルースマンでした。
ときは60年代後半。サイケデリックムーブメントのまっただ中です。
ルーツであるブルースに根ざしながらも、サイケデリック、歪んだ爆音ギター、圧倒的な技術とパフォーマンス。
それまでにない革新的なロックだったと想像できます。
時を同じくしてイギリスでは、ジャック・ブルース、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーからなるバンド、クリームが、やはりジミと同じようにブルージーでサイケなロックを大音量で鳴らし始めます。
当時、ジミとイギリスのミュージシャン(クラプトン、そしてストーンズやビートルズのメンバーたち)は交流があり、おそらく互いに影響をあたえあっただろうと思います。
ジミやクリームの演奏には、歪んだギター、大音量、ギターソロなど、先に挙げたハードロックの特徴と言える要素があります。
彼らの登場が後のハードロックにつながったことは間違いないでしょう。