もうひとつ60年代の音楽を語るうえで外せないのが、サイケデリックです。
サイケデリックというのはWikiによれば「LSDなどの幻覚剤によってもたらされる視覚・聴覚の感覚の形容表現」とあります。
そもそも50年代からあったビートニクと呼ばれた人々の、既存の価値観への反発やスピリチュアルな世界への傾倒が、そのままヒッピー(フラワーチルドレン)のムーブメントにつながっていきます。
このころアメリカでは長期化するベトナム戦争に人々は辟易し、一方で公民権運動は盛り上がりを見せます。
そうした混沌とした情勢に対しヒッピーたちはラブ&ピースを唱えます。
彼らはLSDや大麻などによってもたらされる感覚を音楽にも求めました。
グルグル、ゆらゆらしたそのサウンドは、ひとつの表現手法として今も受け継がれています。
1960年代半ばから、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレイン、クイックシルバー・メッセンジャー・サービス、といったアメリカのバンドがサイケデリック・ロックを展開します。
イギリスではビートルズやローリング・ストーンズも、このサイケデリックサウンドやヒッピーカルチャーに触発されます。
他にもクリームや、ジャニス・ジョプリンを要したビッグ・ブラザー&ザ・ホールディング・カンパニー…
そして革新的なギターヒーロー、ジミ・ヘンドリックスもサイケデリックなアプローチをしました。
1967年にはモンタレー・ポップ・フェス、1969年にはウッドストックという何十万人規模の大型音楽フェスが開催され、そのサウンドやムーブメントはピークを迎えます。