音楽のジャンルというのとは少し違うかもしれませんが、ビートルズの活動期間と重なるように、イギリスでは「モッズ」というユースカルチャーが隆盛します。
ファッションと音楽はいつの時代も密接な関係にありますが、モッズはそれの最たる例のひとつでした。
前髪を下ろし、イタリア製のタイトなスーツを着てスクーターに乗るモッズ。
彼らはアメリカのリズム&ブルースやモータウンサウンド、ジャマイカのスカなどを好んで聴きました。
そんなカルチャーを反映したのが、ザ・フーやスモール・フェイセスといったイギリスのバンドです。
初期ビートルズのファッションにもモッズの影響が見てとれます。
モッズは70年代に入ると、やはりイギリスのバンド、ザ・ジャムなどによってリバイバルします。
ちなみに当時のイギリスの若者カルチャーには、モッズに対抗するロッカーズなる存在がありました。
彼らは革ジャンにリーゼントのバリバリ系。
ストレートなロックンロールやロカビリーを好んでいたようです。
モッズとロッカーズはその美的感覚の違いからか折り合いが悪く、大きな抗争になったりしました。
じつはビートルズも、最初期にはロッカーズ風の出で立ちだったようです。
イギリスではのちに、パンクがロンドンを中心として一大ムーブメントとなります。
パンク自体はアメリカが発祥ですが、イギリスにはモッズやロッカーズをはじめとした、ファッションやライフスタイルと密接なロックの礎があったわけです。
また、このころのロックにはジャンルとしては、ガレージロックと呼ばれるものがあります。
ガレージロックと分類されなくとも、前述のムーブメントにおけるロックはシンプルで荒々しく衝動的なことが特徴で、これはやはりのちのパンクにつながっていきます。