今回は初心者の楽器購入について所見を書いてみようと思います。
以前、ギターやベースの記事でも書きましたが、
基本的に「初心者向けの楽器」というのは
存在しない
というのが私の考えです。
一般的に初心者向けの楽器として売られているものは、
「初心者にとって演奏しやすい楽器」ではなく「価格の安い楽器」であることがほとんどです。
アコースティックの西洋楽器は、とにかく精度が求められます。
(民族楽器についても言い始めるととめどなくなるので、ここでは西洋楽器に限ってのこととしておきます。また、デジタル楽器は今回のお話は対象外です。)
高い精度、そして耐久性などを担保しようとすると、どうしても楽器というものはそれなりに値が張ってきます。
ということは安い楽器には、パッと見の外見は大差なくとも、そういった精度や耐久性をある程度犠牲にしてその値段を実現させているところがたぶんにある、ということです。
そこへ行くと、楽器をコントロールする自力が高ければいざ知らず、
初心者の方こそ「良い楽器」を使って練習していくべきだとは思いませんか?
精度の高い楽器をきちんと調整して使う。
そうでないと、上手くいかないのは楽器のせい「かもしれない」という状態でもがき続けることにもなりかねません。
ですから、もし買えるなら高価な楽器をお求めになった方がいいと私は思います。
それってどれくらい?
じつは多くの楽器はある程度の価格帯から上は、素材や装飾など、直接的には精度や演奏のしやすさとは関係のない部分によって値段が釣り上がっていきます。ここはもう見た目の好み・サウンド的趣向の領域になってきますので、ここではタッチしないでおきます。
つまるところ、信頼できる精度と耐久性があり、それ以外にはさほどコストがかかっていない製品(グレード)があり、そのあたりが初心者の方へのオススメの楽器ということになります。
なお、初心者向けの楽器は存在しませんが、楽器によっては初心者向けのセッティングというのは考えうるので、それは購入時にご相談されるのがイイかと思います。
…と、ここまでは楽器経験者であり、ある程度有識である立場からの考えですが、一方でこれから楽器を始めようとされる方の立場に立って考えてみると、「いきなりそんなに高価な楽器を買うのはちょっと…」と躊躇されるのもよく分かります。
今はそれぞれの楽器でかなり安い価格帯の製品が売り出されていますので、まずはそういう楽器を使ってみて…と考えるのもごもっとも。
そもそも楽器がないことには始まりませんから、あまり予算をかけられない方にとって、こういった価格帯の楽器があることで音楽ライフをスタートできるのだとすれば、それはとっても有意義だと思います。
しかしながら、そういった楽器では「音楽の楽しさに触れる」までに余計に時間がかかってしまう可能性があることは、やはり否めません。
その間に楽器をやめてしまうようなことがあれば元も子もありません。
(ですから音楽を楽しむことを目的としたとき、今すでに音楽が楽しいと実感できていれば、もはやどんな楽器でもいいのだと思います。)
そう考えると、昨今は非常に安い価格帯の楽器もありますが、今もって「楽器というのはある程度高価なものだ」という概念はやはり崩れない、崩さない方がいいのかもしれません。
ただ、これだけは言わせてください!
しっかりした楽器を使って、こちらから一歩一歩音楽へ歩み寄っていけば、きっとその楽器の値段などすぐに「元が取れた」と思うはずです。
それくらい音楽や楽器の演奏は楽しいです!
逆に楽しくなりすぎて、音楽や楽器にお金をかけすぎてしまう、困ったな、でも楽しいからいいか…という人もいっぱいいます。w
ちなみに、エレキギターやエレキベースには、魅力的なフォルムやカラーリングをした楽器がたくさんあります。
これについては見た目も重要視してくださいね。
カッコイイ!と思える楽器を使うことは、それだけでモチベーションが上がりますから。