今回は曲先でオリジナル曲を作っていくときのことをお話してみようと思います。
じつは曲先と言っても、その中にもいくつかバリエーションがあります。
曲先とは「音楽を詞以外のところから作ること」だとも言えるわけです。
メロディー、ハーモニー、リズム、音色といったいろいろな曲(音楽)の要素のうち、何を取っかかりにしていくかによって作り方もだいぶ異なってきます。
おそらくはもっとも従来の形と言えるのが、
メロディーから作る
手順でしょう。
まずメロディーを思い浮かべ、それにハーモニーやリズム的な要素を付け足していきます。
ざっと1990年代以降、徐々に増えてきたと思われるのが、
ハーモニーから作る方法。
ハーモニーとはここではコード進行だと思ってください。
4ないし8小節程度のコード進行をまず考えておき、それを繰り返し再生(ループ再生)させておいて、それに合ったメロディを考えていきます。
他にも、よりダンスミュージックに近いものになれば、
リズムから音楽を構築していく
ことが、むしろ自然だということもあります。
その他、素材のサンプリングや、ある1つの音色や音響など、
従来であればディティールと考えられていた要素を発想の出発点として曲を作っていく
こともあります。
なお、こういった方法では、DTM環境およびDAWなどのツールを使うことが前提にはなってくるでしょう。
ここではベーシックな歌ものポップスを想定して、メロディー先行かハーモニー先行かをもう少し掘り下げてみます。
メロディー先行の良さは、その自由度の高さにあります。
絵に例えれば、大きさも決まっていない真っ白なキャンバスに、本当に好きなように描いて良いわけです。
スマホのボイスメモなどを使って、思いついたメロディーを口ずさみ録音していけばOK!
ハーモニーやリズムなど他の要素は気にせず、気持ちのおもむくままに歌っていきましょう。
ただ、決まり事がなく「自由にやって良いよ」と言われると、意外と思うようにメロディーが出てこなかったりもします。
自由すぎてしまうというのもときに難しいのですね。
そこで、ハーモニー先行型というアイデアを試してみましょう。
ハーモニー、つまりコード進行にもオリジナリティを追求することはもちろんできますが、一方で定番と言われるコード進行がいくつも存在します。
なんと、コード進行には著作権がないのです!だから最初は、定番のコード進行をそのまま使ってみるのもアリだと思います。
もうひとつ、メロディー先行で考えた場合、問題になってくることがあります。
できたメロディーに対しハーモニー(コード進行)を付けていく必要があるのです。
これが初心者の方には荷が重いかもしれません。
やるのであれば、まずはあまり凝ったことをしようとせず、シンプルなコードを付けてみてください。
とにかくハーモニー先行であれば、その問題は解消されます。
ハーモニー先行のデメリットとしては、どこかで聴いたようなメロディーになりがちだったり、小節数なども決まってしまっているので、なんと言うか「小さくまとまった感じ」になりがちだったり、ということがあるかもしれません。
あと、完全に1曲分のメロディーを考えてからハーモニーを、もしくは1曲分のハーモニーを考えてからメロディーを、ではなく、ほぼほぼ同時に考えて作っていくということもあります。というか、そういう場合はけっこう多いんじゃないかな。