「詞先・曲先」という言葉、聞いたことがありますでしょうか。
これは、曲作りにおいて作詞と作曲のどちらから先に着手していくか、ということを表しています。
詞が先か、曲が先か…。
その実態は、非常にざっくり言えば
「曲先で作る人(場合)の方がやや多い」
でしょう。
これはちゃんとした統計ではなく、私の肌感覚です。
くり返し申し上げているように、オリジナル曲の作り方なんて本当に人それぞれです。
ですから今回の記事は「作り方の手順を説明する」というワケじゃなく、「こんな手順もあれば、別のこんな手順もあるよ」というご紹介だと思ってください。
さて、「詞先・曲先」のお話は、掘り下げていけば「言葉と音楽」の2項の関係であり、「その歴史においてどちらが先に生まれ、リードしてきたか」という非常に興味深いテーマにもなり得るワケですが、
ここでは単純に関心の強い方から手をつけてみたら良いかと思います。
シンガーソングライターと呼ばれるような方々を見ていると、詞と曲のウエイトバランスが拮抗していて、結果として、ギターを抱え、もしくはピアノに向かいながら「詞と曲をほぼ同時に作っていく」ということも珍しくないようです。
一方で、従来の歌謡曲やポップスでは作詞と作曲が分業化されているのが一般的で、そういった現場では作曲が先であることが多くなっています。
ちょっと話は逸れますが、オリジナル曲を作るにあたってこのように誰かと共作をするのも良いかもしれません。例えば、自分は作曲だけを担当する、もしくは作詞だけを担当する。これも立派なオリジナル曲作りです。すべてを1人で作らなければいけないワケじゃありませんからね。
話を戻して、数人で作ると言えば、バンドでの曲作りも曲先の場合が多いでしょう。
ただし、詞先のアーティストやバンドも一定数いて、そういったアーティストやバンドの特徴として、やはり詞の世界観が際立っているということが挙げられます。
言わずもがなですが、これはどちらが良いということもありません。
これから曲を作ってみようとされている方は、まずは何を重要視するかを考えてみましょう。
また、何曲か作っていく中で、その手順を変えてみるのも面白いと思います。
いつも曲先で作っているなら詞先で、その逆なら曲先で。
意外にスッとマンネリが解消できたりするかもしれません。
つづきます。