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音楽メディア①レコード

 

今回は音楽を記録するメディアについて。

 

ここ10年で音楽の聴き方(聴かれ方)もかなり変わりましたね。

今はストリーミングが主流、ということになるでしょう。

 

 

録音された音楽を再生して鑑賞する。

そこにはどんな歴史があるのでしょうか。

 

 

ずっと昔、もちろん音楽を録音・再生するなんてことはできませんで、音楽はライブで楽しむものでした。

それは特別な場所でであったり、特別な機会であったり、はたまた日常的なものであったり

 

人々がメディアを通していつでも音楽を再生できるようになる、その前夜には「シートミュージック」という、いわゆる楽譜が販売されていて、それを自らもしくは腕に覚えのある人間が演奏することで新譜やヒット曲を楽しむという状況があったようです。レコードプレイヤーが普及するまでは、これが一般的でした。

 

また、ご存知「オルゴール」も古くからありましたが、これは自動演奏をする楽器とも捉えることができ、音楽を記録するメディアと言えるのかどうか、ちょっと私には分かりません。

 

音楽を録音し、再生できるメディアとして最も古いものは、かのトーマス・エジソンによる蓄音機でしょう。

エジソンはすごい人ですよね、ホント。

たくさんの発明をしたエジソンが、自らもっとも驚き喜んだのが蓄音機の発明だったそうです。

 

それからしばらくして、円盤(ディスク)型の記録媒体「レコード」が一般化します。

レコードと言ってもいろいろで、素材や規格、回転速度などによって分けられています。

第二次世界大戦後しばらくまでは、固いプラスチック盤に溝を掘った、1分間に78回転するシェラック盤(SP盤)と言われるレコードが主でした。

この間に、記録(録音)されたわずかな振動(音)を増幅させるのに、電気信号が使われるようになったようです。

そして1950年代になると、より細かな音まで録音ができる、軽量で丈夫なビニール製のレコードに変わっていきます。回転速度は45回転か33回転に。今日、レコードと言えば、ヴァイナル盤やLP・EP、ドーナツ盤などと呼ばれるこれらを指すことが一般的です。

 

レコードはその後、CDなどに音楽メディアの主役の座を奪われますが、DJカルチャーの隆盛や、アナログの音を支持する人々、大きなレコードジャケットの魅力を支持する人々らによって、今もって姿を消すことはなく、新譜も発売されています。

 

 

さて、スクールにもターンテーブルを置いてレコードで音楽が聴けるようにしています。

生徒さんもお客さんも、その音を聴いて「やっぱりレコードの音はいいですね。」と言ってくださります。

何を「いい」とするかは人によりますが、デジタルメディアと比べたとき違いがあることは確かでしょう。

 

 

ストリーミングなんかに比べたら、はるかに面倒臭いレコード。

片面が終わったら、いちいち盤をひっくり返さなければならない。

途中で寝ちゃったりなんかすると、最後まで再生した後もずっと回り続け、ブツッ、ブツッと朝まで言い続けます。

盤に傷がついていると、プツプツとノイズが入るし、ヒドいと音飛び(針飛び)してしまう。だから盤の扱いにも注意しなければならない。

何度も何度も何度も何度も、繰り返し繰り返し聴いていると、そのうち盤が擦り切れて満足に聴けなくなってしまう。

そしてかさばる。そして重い。

 

そんなレコードですが、これを簡単にデメリットとして切り捨ててしまうのはいかがなものでしょう。

盤をひっくり返す手間を惜しむほど、何をそんなに生き急ぐことがありましょうか。

音楽の「ながら聴き」もいいですが、たまにはゆっくり腰を下ろしてレコードの温かい音に包まれるのも一興ですよ。

ノイズを含め、擦り切れたレコードは、それだけ気に入ってその曲を聴きこんだ証です。

大きなレコードジャケットは写真家やデザイナーにとって格好のキャンバスです。

レコード盤の大きさや質量から、歌手、バンド、作詞家、作編曲家、エンジニア、プロデューサー関わった人々の情熱に思いを馳せます。。。

 

レコードは、100年を超える音楽メディアの歴史の中でも、ある意味、究極のカタチだったのではないでしょうか。