前回のつづきです。
確実な演奏をするため、いったんグッとテンポを落としていった、その際に出てくる、
「遅すぎて元の曲がイメージできなくなり、リズムが分からなくなってしまう」という問題。
たとえば、米津玄師さんのLemon、Youtubeの設定で再生速度を0.25にしてみてください。
次の音へ移り変わるタイミングが分かりにくくないですか?
(今は、引き伸ばしすぎて音が劣化したり揺れたりしてしまうことには目をつぶっていきましょう。)
このタイミングを問題なく把握できる方は、今回の内容は読み飛ばしちゃってOKです。
初心者の方の多くは、遅すぎて分かりづらいと感じたんじゃないでしょうか。
これを、本筋で解決していこうとするならば、テンポやリズム、拍子、音符の種類、表拍・裏拍など、音楽の「時間」に関する要素を、しっかり理解しコントロールできるようにしていきましょう、となります。
何ごとも「急がば回れ」ですので、もちろん丁寧に学んで練習していくに越したことはありませんが、今回はちょっと先を急いでみようと思います。
どうするかというと、
アプリを使います。
もう、思いっきり道具に頼ります。w
Youtubeも再生速度を変えられて便利なんですが、遅くしようとしたとき、0.75、0.5、0.25の3段階しかありません。
試してみると分かりますが、けっこう極端にテンポが落ちてしまうんですね。
1段階でかなりイメージが変わって、分かりづらくなってしまう。
これをアプリで、もう少し細かい段階にしていこうというわけです。
そういった用途のアプリはいくつもありますが、私が持っているのは「Speed Pitch」というアプリです。(iOS)

シンプルなアプリですが、テンポを1%づつ100段階に変えることができます。
ついでにキーも±12と、どこにでも上げ下げできます。
Speed Pitch
Androidでは「ミュージックテンポチェンジャー」というアプリが、おそらく似たような物だと思います。

ミュージックテンポチェンジャー
前回ちらっと書いた
>> 目標設定と、現状把握、そして目標に近づくためには何をしていくべきか。
>> この3つを客観的に考えられる人が、もっとも上達するタイプです。
にも通じる話ですが、
『「ある点」と「ある点」を結ぼうとしたときに、いかにその「間」に細かい段階を設定できるか』
ということが効率よく物ごとを運べるか否かに、大きく関係しています。
上記のアプリを使って、焦らず少~しづつテンポを落としていきましょう。
そうやって段階を踏んでいくと、かなり遅くしてもまだリズムをキープできると思います。
演奏することを想定して、多少でも次の音までの猶予を持てるテンポまで落とせたら、それをしばらく繰り返し聴き込んでください。
焦ってすぐ演奏しようとせず、音もリズムもイメージできるように、よく聴き込みます。
元のテンポじゃなく、そのゆ~~っくりにしたテンポで、メロディを口ずさめるくらいにまでなったら準備万端です。
さあ、演奏です。気を抜かず集中して。
どうですか?
およそ間違えずに演奏できたでしょう?
あとはそれを繰り返していけば、勝手にテンポアップしていきますから。
ぜひ試してみてくださいね。
今回で「絶対に間違えないで演奏するには」のシリーズは終わりです。
個人的には、「間違えずに演奏できるかどうか」は大事な要素ではありますが、最重要かと言えば必ずしもそうではないと考えています。
「間違えずに演奏できるかどうか」以外のことにも目を向けてみると、もっと音楽の楽しさを、そして自由さも感じれるのでは、と思います。