「音楽が好きだし、本当は自分でも歌ったり演奏したりできたらいいなぁ」と思っているものの、まだその一歩を踏み出せずにいる方へ
「未経験者が気になる4つのポイント」
と、それについての私の考えを述べさせていただきます。
未経験の方がこれを読むことで、少しでも心が軽くなり、一歩を踏み出してみようという気になったとすれば、冥利につきるというものです。
今回は二つ目
2「楽譜が読めないから……」
はい、これ、未経験なら当たり前です。
学校の音楽の授業をよほど真剣に、そして楽しんで受けてでもいないかぎり、義務教育での音楽の授業で楽譜がスラスラ読めるようになった人はいないんじゃないでしょうか。
中高6年間英語の授業を受けても多くの人が英語を使えないように……。
でもまあ、ここでは学校教育について論じる気はありませんで、とにかく楽譜の読み書きは自然となんて出来るようにはなりません。
何でもそうですが初めからできる人はいないのです。当たり前ですね。
だから「楽譜が読めないから音楽を始めない」というのは倒錯していて、「音楽を始めないかぎりは楽譜は読めない」のです。「音楽を始めていないから楽譜が読めない」のです。
手前味噌ですが、私は幼少期にピアノやヴァイオリンといった習い事をしていませんでしたし、音楽の授業は自由時間だと思っていましたから、当然楽譜など読めませんでした。
10代の終わりくらいから、ちゃんと楽譜の読み書きができるようになろう!と思い少しづつ慣れてきた次第で、正直に言っていまだに楽譜は好きじゃありません。笑
たまに楽譜の読み書きにかぎらず、「先生なんだからできて当たり前」と生徒さんから言われたりします。でも、これを言ってしまうとまた、前回の「出来る人と出来ない人」=「0か100か」の思考になってしまうように思います。
今できる人にも、できなかった時が必ずあります。
ましてや私なぞ、気づいた頃には当たり前のように譜面の読み書きができていたタイプの人間ではありませんので。
前回の繰り返しになりますが、まず一歩を踏み出して「0」を「1」にするところからすべてが始まります。
——(ここからはすでに音楽を始めている方にも読んでいただければ)——
もうひとつ付け加えるなら、私は
音楽を楽しむうえで楽譜を読めることは絶対じゃない
と考えています。
未経験者の中には、楽譜が読めないと演奏が出来ないと思っている方がもしかするといらっしゃるかもしれませんが、全くもってそんなことはありません。
むしろ楽譜とにらめっこして演奏しているだけでは、楽しむことから遠ざかっていってしまう場合もあります。
楽譜とはそもそも、今のように簡単に録音できる機材やアプリが無かった時代、CDプレイヤーやMP3プレイヤーのように音楽をいつでも再生できるような環境が無かった時代に、作曲者が頭の中に思い描いた曲想を紙に記したものです。
なぜか?
それを忘れないように、演奏者をはじめとする第三者に伝えるために、何度でも再現できるように、です。
楽譜が先にあるのではなく、音楽が先にあるのです。
やりたいことは音楽ですから、紙に書いてある通りに体を動かすこととは本質的に違う、と私は思っています。
イメージを膨らませて、耳をよく使って、感覚を研ぎ澄まして、全身を使って音を楽しみましょう。
そうしていくと、どこかのタイミングで楽譜の読み書きができるようになりたいと思った時に、本来の目的で活用できるようになっていくはずです。
ということで「楽譜が読めないから……」は、全く心配におよびません!
↓私の手書き楽譜。自分だけが分かればいいやつ。w