私はマンガが好きです。
時間さえ許せば、1ヵ月くらいマンガ喫茶に寝泊りしてずっとマンガを読んでいたい。
そんな私にとって、
音楽×マンガ
の組み合わせは最強と言っていい
……はずなんですが、
残念なことに、「音楽×マンガ」の作品で
個人的に「これは!」というものは多くありません。
そもそも、音の鳴らないマンガというメディアで音楽というテーマを扱うこと自体が難しいのかもしれなく、分母がけっして大きくないんですよね。
でも、音楽マンガの映像化(アニメ化、ドラマ化)作品を鑑みるに、必ずしも作中で描かれる各シーンで音楽がついていることが良いとも思えません。
実際には鳴っていない音を、読者が想像を膨らませて自分の中だけで聴く。その音楽の方が素晴らしい場合もあると思います。
そういう意味では、音楽マンガの映像化において、重要な演奏シーンなどを「あえて無音にする」というのも有りなんじゃないでしょうか。
マンガが原作のものじゃなくても、音楽がテーマの映画などでも同じですね。
このアイデアどうでしょうか。すでにやっている作品もあるのかな?
話がちょっと逸れてきましたね。
まぁ、そんな音楽マンガですが、最近では若きジャズプレイヤーの成長の軌跡を描いた
「BLUE GIANT」
というマンガが話題となりました。
現在は続編の「BLUE GIANT SUPREME」が小学館のビッグコミックで連載中。
すでに多方面で紹介されているので、あらためて書くこともあんまりないんですが、私も続きを楽しみにしている作品です。

BLUE GIANT (1) (ビッグコミックススペシャル)
「BLUE GIANT」というタイトルからは、テナーサックス奏者のジョン・コルトレーンのアルバム「ブルートレイン」や「ジャイアント・ステップス」が連想されます。
演奏シーンでの音符の数を見ると、まさにシーツ・オブ・サウンドと言われたコルトレーンのようですが、理屈じゃなく気持ちを音に押せるようなその演奏は、同じテナー奏者でもどちらかというとソニー・ロリンズがモデルかな?
「バンド単位」での活動が当たり前のロックなどとは違い、ジャズでは「プレイヤー個人単位」でいろいろな現場に出入りすることがほとんどです。
ローリングストーンズのようなパーマネントなジャズバンドはあまり多くありません。
あっても〇〇オーケストラという具合に、バンド名はキープしながらも常にメンバーが入れ替わっていくようなバンドがほとんどじゃないかな。
その点、「BLUE GIANT」では、主人公が固定メンバーでの「バンド活動」にこだわります。
すると、漫画としては個々のキャラクターが引き立つし、それぞれの葛藤やすれ違い、信頼関係などが深く描けることになります。
バンドメンバーは主人公の頑固なまでの夢を追う姿勢に感化され、徐々に徐々に結束力を強くしていきます。
ということで、ひとことで言うと「熱いマンガ」です。
ですが、正直、この内容は必ずしも題材が音楽(ジャズ)じゃなくても描けるような気もしてしまいます。
十分に楽しませていただいてますが、今後「音楽ならでは」の展開やシーンがもっと見れたらと、期待を込めて。
動画はソニー・ロリンズ、50歳のときの演奏。
いや〜スケールがデカいっす。素晴らしい。