リズムのお話の続きです。
今回も「休符を歌う」ということについて。

こんなリズムがあったとします。
これを歌っていこうとしたとき、音符のタイミングだけを狙い撃ちしようとする方がいらっしゃいます。
イメージ的にはこんな感じでしょうか。

これを私は「モグラ叩き的」と言っています。
この感覚ではリズミカルな演奏をするのは、なかなか難しいと思います。
では、どうするか。
この場合はすべての休符をいったん音符にして考えます。

そうすると、「ターターターター、ターターターター」となり、
それをテンポを崩さずに歌うことは比較的イージーだと思います。
次にそれを、実際には声に出さずに、心の中(頭の中)で同じように歌ってみてください。
声に出さずに、いかに鮮明に心の中(頭の中)で歌えるかがポイントです。

どうですか?
それができたら、声を出して歌うことと心の中(頭の中)で歌うことを交互に繰り返してください。
さらに、テンポをキープして1小節(4拍)ずつ、声に出すのと心の中とを交互に繰り返します。
外には音を出さないけど自分の中では鳴っている状態と、実際に発音している状態とを、1つの線上で切り替えるようなイメージです。
これをしばらくやった後、最初のリズムを歌ってみましょう。
お分かりだと思いますが、休符のところを心の中(頭の中)で歌うわけですね。

どうでしょうか?
こうやって歌うことで、モグラ叩き的な感覚ではなく、「自分の中にずっとテンポがキープされていて、そのときどきで音を出すか出さないかをチョイスするような感覚」になってくると思います。
ちなみにこれは1拍ずつのグリッドを自分の中に整備するということです。
歌いたい(演奏したい)フレーズや曲調に合わせて、このグリッドを1/2拍や1/4拍に整備していく、というのがその先のお話です。
まずは1拍から、確実にこの感覚を掴んでみてください。