ヘヴィメタルというロックの新しい動きもやはりイギリスが先導しましたが、80年代になると、ついにアメリカからあのバンドが登場します。
ご存知、メタリカです。
ヘヴィメタルシーンのみならず、ロックバンドとしてセールス的にも最も成功したバンドのうちの1つです。
「ダウンピッキングの鬼」ヴォーカル&ギターのジェイムズ・ヘットフィールドと、強靭なリズムを叩き出すドラムのラーズ・ウルリッヒを中心としたメタリカは、高速なビートとザクザクと刻まれるギターリフによって「スラッシュメタル」というジャンルを確立します。
スラッシュメタルはハードコアパンクからの影響も大きく、攻撃的で荒々しいヴォーカルは、高音域でシャウトするようなヘヴィメタルのそれとはまた違った印象をもたらしています。
結成当時のメタリカのギタリストだったデイヴ・ムステインは、メタリカ脱退後にメガデスというバンドを作ります。メガデスには日本のTVでもおなじみのマーティ・フリードマン(Gt)も参加していました。
さらに時を同じくしてカリフォルニアからスレイヤー、ニューヨークからアンスラックスというスラッシュメタルバンドが始動します。
メタリカを含むこの4つのバンドは「BIG4」と言われました。
また、スラッシュメタルの影響下にありながら、スピードより「重さ」を求めたパンテラのようなバンドは後のミクスチャーロックへも繋がるサウンドを作りました。
こういったたくさんのバンドの人気に乗って、ヘヴィメタルの専門雑誌やテレビ番組が作られました。
ヘヴィメタルは非常に細分化されたサブジャンルを抱えています。
その1つであるスラッシュメタルは、よりハードコアな側面を強めた「デスメタル」や「メタルコア」、「グラインドコア」といったサブジャンルをさらに生んでいきます。
ところで、このあたりのバンドはサウンドに伴い見てくれもかなりイカツイです。強面ばっかり。
一方で、80年代のヘヴィメタルを思い描いたとき、その髪型やファッションは多くの人が共有するある種のイメージがあります。長髪で煌びやか?なやつ。
そういったイメージを作ったであろう、モトリークルーやポイズン、さらには初期のボン・ジョヴィといったバンドは、「グラムメタル」と括られたりもしました。
また、これらのバンドの多くがロサンゼルスのライブハウスで活動をスタートさせたことで、「LAメタル」という言葉もあります。
ヘヴィメタルはもちろんイギリス、アメリカだけでなく世界中に飛び火します。
中でも、スコーピオンズやハロウィンといったバンドが牽引したドイツの「ジャーマンメタル」は今でも根強い人気を誇っています。
また、スウェーデンからは速弾きギターといえばこの人、イングウェイ・マルムスティーンが登場します。
日本にもヘビメタバンドはたくさんあります。
代表的なのはご存知X JAPAN。さらに、海外にも進出したラウドネス、デーモン閣下率いる聖飢魔II、マキシマム ザ ホルモンなど。
最近ではBABY METALのワールドワイドな活躍が挙げられます。