楽器の練習や上達において「歌えないフレーズは演奏できない」とはよく言われることです。
このブログでも過去に記事にしていますね。
これがどういうことか、少し掘り下げてみると「まずイメージがあり、そこに向けて運動することが大事だ」ということだと思います。
運動することが先行してしまうと、どのタイミングでどういう動きをすべきなのかがハッキリしないままに言わば闇雲な運動になってしまうことが考えられます。
これで回数を重ねても、ちゃんとした形にもっていくのはなかなか大変です。
けっきょく「上手くできない」という印象を持ったまま先に進めなくなってしまう。
だから歌うことでイメージを明確にしておき、タイミングや動きをそのイメージに合わせていくことが有効なのですが、これだって最初は簡単ではありません。
さんざん歌ってイメージを掴んだつもりでいても、いざ運動に起こそうとすると、さっきまでの歌・イメージがすっかりどこかへ消えてしまう。
イメージを維持したまま運動ができない。
そんな経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これはやはり誰しも最初からできることではないように思います。
練習が必要。
それもうんと初歩的なところからの練習です。
さて、「リトミック」というものをご存知でしょうか。
一般的には幼児に向けた「身体を使って音楽の楽しさを感じる」ためのプログラムです。
もう少し本質的には、音楽を手段として使い、豊かな人格形成を促すものだそうです。
これを読んでくださっているのは大人の方が多いでしょうし、ここでは音楽的なことに絞ってお話をしていきましょう。
リトミックでは
1. ソルフェージュ(声と動きの音感教育)
2. リズミックムーブメント(身体運動を伴うリズム・表現教育)
3. インプロヴィゼイション(即興演奏・即興表現による表現教育)
が3つの柱になっています。(Wikiより転載)
要は音(音楽)に合わせて声を出し、身体を動かし、自由に表現するということです。
これによって
・聴きながら歌う・聴きながら運動する・聴きながら考える
・歌いながら聴く・歌いながら運動する・歌いながら考える
・運動しながら聴く・運動しながら歌う・運動しながら考える
・考えながら聴く・考えながら歌う・考えながら運動する
ということができるようになっていきます。
そのうえで初めて「歌うことが演奏に活きてくる」のだと思います。
同じようなことを大人の方がやっていこうとしたとき、何が有効か。
いちばん簡単なのは、なにか音楽をかけて一緒に歌うことです。
そして歌いながら手を叩いてみましょう。
どのタイミングで叩くか?とか、細かいことは気にしません。
恥ずかしがらずに思いきり声を出して想いのままに手を叩きましょう。
座ってよりも立って行った方がいいですね。
なんならちょっと踊っちゃうくらいに、難しく考えずに楽しんでみてください。
ぜひ。
スクールでは、生徒さんによっては「歌えれば演奏できる」をテーマに掲げて、こういったリトミック的な要素も取り入れたレッスンを行っています。