上達のためには練習は不可欠です。
練習せずに上手くなった人を私は知りません。
上手い人というのは、例外なくよく練習しています。
それ(努力)を表面に出す出さないの違いはあれど。
ただし、なんと言うか、ただ練習すりゃいいってものでもないんですね。
漫然と練習するより、目的を明確にし、その点を意識して練習することで、効率よく成果をあげていけるのだと思います。
ふと、こんなエピソードを思い出しました。
先日他界された日本を代表するセッションドラマー、村上”ポンタ”秀一さんがおっしゃっていたことです。
(その昔ビデオで見たときの記憶なので、正確ではないかもしれません。)
ポンタさんは、ドラムをやろう!と思ってから、実際にスティックを握るまでに1年以上かけたそうです。
その間、いわゆるイメージトレーニングをずっとしていたそうです。
ドラムのパターンを口に出して歌い、それを実際に叩けるよう、何度も何度もイメージしていた。
だから初めてスティックを握ったときにはもう叩けたと。
それから4日後にはフォークグループ「赤い鳥」のドラマーオーディションで叩いていた…。
マジか。
その後の活躍は多くの方の知るところですね。
ポンタさんがスティックを握るまでにしていたこと
・パターン(フレーズ)をイメージすること
・それを歌うこと
・さらにそれにに沿って身体を動かすイメージをすること
ところが多くの場合
とにかく叩く→うまく叩けない→もっと叩く→まだうまく叩けない→もっと叩く→まだうまく叩けない→もっと叩く
というサイクルになりがちではないでしょうか。
つまりは、このサイクル中の
「もっと叩く」を(こそ)練習だと思っている方がほとんど
ではないでしょうか。
もちろんそれは練習の1つのあり方でしょう。
物量が物を言う、という側面はやっぱりありますから。
でもこの流れの中には、上記のポンタさんがスティックを握るまでにしていたことは入っていません。
誰しもがポンタさんのようにはいかないかもしれませんが、意識して行っていく価値は十分にありますよね。
生徒さんから「練習メニューをください」って言われることがたまにあって、もちろんこちらからもメニューを出したりもしているのですが、ただそれを「こなす」のと、目的意識を持って取り組むのとでは、成果に大きな違いが出てきます。
もっと言えば、目的意識を持つことができれば、練習メニューは自分で考えていくこともできると思います。
そうなってくれば上達も早いのではないでしょうか。