私的名曲選、今回は…
「Tie A Yellow Ribbon ‘Round The Ole Oak Tree」
です。
長いタイトルですね。
邦題は「幸せの黄色いリボン」です。
この曲をご存知ない方でも、高倉健さん主演の「幸福の黄色いハンカチ」という映画はご存知では?
じつはあの映画の元ネタはこの曲だそうです。
もっとも、この曲自体にも元ネタがあるようですが。(実話だとか。)
映画ではこの曲が挿入歌として使われていました。
私は大昔に映画館で観ました。ほとんど覚えていませんけど。
この曲のオリジナルは、トニー・オーランド(Tony Orlando)率いるアメリカのヴォーカルグループ「ドーン(Dawn)」。
1973年リリースの作品です。
ドーンは、メインのトニー・オーランド、コーラスのテルマ・ホプキンスとジョイス・ヴィンセントからなる3人組。実質はトニー・オーランドのプロジェクトと言っていいのかな?
ドーンには他に「ノックは3回(Knock Three Times)」や「恋のシーソーゲーム(He Don’t Love You (Like I Love You))」などのヒット曲がありますが、活動は1970年〜1977年とさほど長くありません。
しかし、いずれの曲も70年代のアメリカの雰囲気(知らんけど)をぎゅっと凝縮した良質なポップスになっています。
とりわけ「幸せの黄色いリボン」は大ヒットしました。
なんともエヴァーグリーンな曲ですよね。
モンキーズの「Daydream Believer」のような系譜と言ったらいいのかな。
作詞はアーウィン・レヴィン、作曲はL.ラッセル・ブラウン。
不勉強でして、お2人ともよく存じ上げません。すみません。
どちらにとっても、この「幸せの黄色いリボン」が代表作のようです。
コード進行と歌詞
この曲のフワフワした印象は、コード進行に秘密があります。
随所に散りばめられたモーダルインターチェンジによって、曲の途中でキーが曖昧になっていることから来ています。
歌詞の内容は、「刑務所を出所した男が故郷に帰ろうとしていた。男は出所前に手紙を出し「もし、自分の帰りが望まれるなら、木の幹に黄色いリボンを結んでおいてほしい」と頼んでいた。男は汽車に乗って故郷の近くまで来るが、勇気がなくて、車中で知り合った男に木を見てもらう。男が見たものは…」(Wikiより)というものです。
この主人公の期待と不安が入り混じった心境を、先述のコード進行によって上手く表していると思います。
先に元ネタがあり、それがこの内容だとすると、重たく暗い方向にもいきかねないような気がするんですが、作曲もアレンジも歌唱もとても軽快に仕上がっています。
素晴らしい。
名曲です。
テレビやなんかでもちょいちょい耳にしますね。
そして今また、三◯不動産のCMで使われています。(まぁそれを聴いてこれを書いているわけですけど。)
名曲といえばカバーですが、さすがにこの曲はいっぱいカバーされてます。
目立ったところでは、御大フランク・シナトラ!
同じく大物エンターテイナー、ペリー・コモ。
イケメンピアニスト、ハリー・コニック Jr.。
日本でもいろんな方がカバーしていますが、これ!という決定打がないせいか、日本語の歌詞が定まっていないようです。