ロンドンパンク
アメリカでパンクの勃興を目の当たりにし、それを音楽やファッションの分野でイギリスに持ち込んだマルコム・マクラーレンという人がいます。
彼は自分の店に出入りしていた不良少年を集めバンドとして世に送り出しました。
それが
セックスピストルズ(Sex Pistols)
です。
彼らの放つ、反体制のメッセージや、攻撃的なサウンド、尖ったファッションは今日もあるパンクロックのイメージそのものです。
たびたび世間を騒がせた、ヴォーカルのジョニー・ロットンやベースのシド・ヴィシャスはその象徴的な存在でした。
実際のピストルズの活動期間は2〜3年とけっして長くありませんが、彼らがイギリス(ロンドン)にパンクの火をつけるには十分でした。
レゲエを取り込むなど幅広い音楽性と、強い政治的・社会的メッセージを持った
クラッシュ(The Clash)
ピストルズ、クラッシュと並びロンドンパンク3大バンドの1つで、後のハードコアなどに影響を与えた
ダムド(The Damned)
モッズのスタイルを継承し、パンクシーンでも独自性を貫いた
ザ・ジャム(The Jam)
ハードコア
70年代後半に起こったパンクムーブメントは短期間で収束していきますが、表舞台はニューウェイヴに入れ替わる一方で、アンダーグラウンドではパンクの過激で反体制的な側面をより押し進めた「ハードコア」のシーンが生まれます。
アメリカではブラック・フラッグ(Black Flag)、デッド・ケネディーズ(Dead Kennedys)、バッド・ブレインズ(Bad Brains)、イギリスではディスチャージ(Discharge)、G.B.H.といったバンドがハードコアを牽引しました。
さまざまなサブジャンル
ハードコアは、グラインドコア、クラストコア、メタルコア、エモ、メロコアことメロディックハードコア…とさまざまなサブジャンルに枝分かれしていきます。
パンクロックも80年代以降消えてしまったわけではなく、ポストパンク、オイ!パンク、スケートパンク、ポップパンク…やはりさまざまなサブジャンルを生み、現在ではすっかり1つのジャンルとして定着しています。
(このあたりのサブジャンルは細かすぎて、私には厳密に分けるのは困難でs…あしからず。)
中でもメロコアやポップパンクの人気は高く、バッドレリジョン(Bad Religion)、グリーンデイ(Green Day)、オフスプリング(The Offspring)、ブリンク182(Blink-182)といったバンドは商業的にも大きな成功を収めます。
日本のパンクロック
日本ではアナーキー、遠藤ミチロウ率いるザ・スターリン、町田町蔵率いるINU、東京ロッカーズの面々などが70年代末〜80年台にかけて登場し、1987年にデビューしたTHE BLUE HEARTSはバンドブームの先駆けとしてお茶の間にまでパンクロックを浸透させました。
また90年代に入るとHi-STANDARDがインディーシーンからメジャーを凌ぐ活躍を見せ、後のパンク、メロコアバンドに大きな影響を与えました。