昨晩、ある演奏のお誘いをいただきました。
それというのが歌謡ポップスのカバーなのですが、サックスがけっこうな割合で入っているんですね。
いつもだったらアドリブというか自分なりに吹いてしまうところですが、今回はなるべく原曲に寄せていこうかな、と、ひとまず原曲の音源を聴きながらそんなことを思っていました。
ちょうどそのときは五線紙がなく…。
で、やったことがこれ。
これはサックスフレーズのリズムだけを耳コピしてササっとメモしたものです。
音高がない、リズム譜というやつです。
今は自然にこうやって「とりあえずリズムだけでもメモっとくか」と思えますが、ずっと以前の自分にはまず考えられないことでした。
当時の私にとって「コピー」とは、決まって「楽器を手にしながら音(音の高さ/音高の推移)を探していくもの」だったからです。
でも、得意ではなかったですね。難しくて途中で匙を投げたことも何度となくあります。
じつは、耳コピしたいものの内容にもよりますが、サックスはシングルノート(単音のメロディ)ですので音高の推移は比較的容易に追えるんです。
何と比較してかといえば、「リズム」です。
慣れていない人にとって、リズムをコピーすることは簡単ではありません。
これはギターソロなど他の楽器にも言えることかと思いますが、フレーズの耳コピがスムーズにできるかどうかのポイントは「リズムを把握できるかどうか」であることがほとんどではないでしょうか。
よく言われていることですが、フレーズの耳コピをしようとしたとき、「そのフレーズを口に出して歌えるようにする」というのはとても有効です。
というかむしろ、歌えない状態でコピーするのは大変だと思います。
しかし、楽器によるフレージングって歌のメロディとは少し違うので、場合によっては歌いにくいものもあります。
歌いにくい要因もいろいろですが、やはりリズムであることは少なくないでしょう。
逆にリズムが分かってしまえば、聴き取りの半分以上は完了したと言ってもいい。いや、2/3かそれ以上かもしれません。
リズムを把握し再現する力が弱いと、耳コピだけでなく、たとえ楽譜があったとしてもそのフレーズを演奏することは難しいでしょう。
どうしたらいいか……
答えはシンプルで、「基本から丁寧に身につけていく」しかありません。
複雑に思えるリズムも、基本のシンプルなリズムが発展したものと捉えれば必ずできるようになります。
基本ってどのくらいかと言うと、「幼児でもできるようなリズム遊び」くらいです!
ごく簡単にできることと思いますが、この段階をバカにしていると一生リズムは分からないままです。
ごく簡単にできることから着実に発展させていく。
「幼児でもできるリズム」と「難しくて再現できないリズム」を地続きで考えることが大切だと思います。