私の好きなドラマーをご紹介。
2人目は
アッシュ・ソーン
(Ash Soan)
です。
あ、ちなみにご紹介する順番は必ずしも好きな順番ではないです。
思いついた順です。
アッシュさんは、知名度としてはめちゃくちゃ高いというわけじゃないと思います。
イギリスのスクィーズというバンドで活動しましたが、在籍期間は短かったようです。
ですが、イギリスの歌姫アデルの諸作品をはじめ、素晴らしい作品にをたくさん参加しているようです。
「ようです」と言うのも、私自身そんなにこの方について詳しくはありませんで、Youtubeのおかげで近年知ったしだいです。
アッシュさんは4、5年前から自宅でドラムを叩いた映像を自身のYoutubeチャンネルに頻繁にアップしています。
たまたまそれを見た私は一発で彼のファンになりました。
前回ご紹介したスティーブ・ジョーダンもそうですが、このアッシュ・ソーンもいわゆるグルーヴ系のドラマーです。
スタイルとしては少し違いますが、どちらもグルーヴに対するこだわりをめちゃくちゃ感じます。
ポケットについて
ドラムセットの、とくにスネアのバックビート(2・4拍で鳴るスネア)を絶妙に気持ちのいいタイミングで叩くことを「ポケットに入る」と表現し、そのタイミングを「ポケット」と言います。
ビートのある音楽では、この「ポケット」の感覚を掴むことが、ドラムのみならず様々な楽器のプレイヤーにとって大事なことだと言われています。
アッシュ・ソーンのバックビートは、じつに気持ちのいいタイミングで叩かれていると思いませんか?
彼のドラムを叩いている姿を見ると、上体や頭をドラムスローン(椅子)の上で踊らせているのが分かります。
ビート(拍)を気持ちよくサイクルさせていることの表れだと思います。
ジャズやロックがもともとはダンスミュージックだったことを考えると、踊るように演奏することはとても大事なことかもしれません。
また彼は、スティックさばきの技術から言えば複雑なフィルインも叩けるはずですが、むやみにそうすることを良しとしません。
彼の使うドラムセットも太鼓やシンバルの数が多くなく、シンプルなセット。
シンバルメーカーZildjianの企画に参加したこのライブ動画、他にもベテランから新進気鋭の若手まで素晴らしいドラマーが何人か参加していますが、こんなにシンプルなセットでグルーヴドラムに徹しているのは彼だけ。
4分過ぎ、曲のセクションの切り替わり目で多くのドラマーは派手なフィルインを入れてきそうなところですが、アッシュ先生はなんと「無音」を作ります。
これが最高にカッコE!!
思わず動画見ながら「 イェ~~!」と声出ちゃいます。
「間の美学」ですね。
イギリス人ということもあるかもしれませんが、Youtubeではちょいちょいレゲエ/ダブ系のリディム(リズム)も叩いていて、これがまた個人的に超ツボだったりします。