去年の暮れに、当スクールにも晴れてドラム/パーカッションコースができましたので、ドラムのことも書いてみようと思います。
とりあえずは私の好きなドラマーをご紹介してみますね。
といっても、ドラムをやっている方にしたらよくご存知の名ドラマーばかりだとは思いますが。
まず1人目は
スティーヴ・ジョーダン
(STEVE JORDAN)
です。
現代最高のグルーヴドラマーと言えば必ず彼の名が挙がってくるのではないでしょうか。
24thストリート・バンドやブルース・ブラザーズをはじめ、ローリング・ストーンズ(キース・リチャーズ)、B.Bキング、エリック・クラプトン、ジョン・メイヤー、ソニー・ロリンズ、ハービー・ハンコック…。
参加セッションを調べるだけでめちゃくちゃ大変そうですが、とにかく極上のグルーヴを求める世界中の一流アーティストからのラブコールが絶えないドラマーです。
スタイルとしてはフュージョンからスタートし、やがてブルース、ロック、ファンクなどを叩くことが多くなった感じでしょうか。
小手先不用のシンプル、パワフル、ファンキーなドラミング。
気持ちがいい、それだけです。言葉もいらない。
Vic Firth(ドラムスティックのトップメーカー)の企画で、このドラムソロ!
グルーヴドラムでゴリゴリにゴリ押してます。スゲェ!
ウヒ〜〜!
レジェンド、バーニー・ウォレルとのセッション。
最新ワークは、ターンテーブリスト、ミックス・マスター・マイクとの共作。
カ、カ、カッコE〜!! ぶっ飛ぶわ。
グルーヴって?
さてここで、「グルーヴって何?」と思われた方もいらっしゃるでしょうが、彼のドラミングを聴いて気持ちいい、カッコいいと感じるようであれば、あなたはグルーヴィーなリズム・音楽が好きだと思っていいのではないでしょうか。
一方で普段、かっちりクォンタイズ(リズム矯正)された打ち込みのドラムなどを多く聴いている方の中には、もしかすると彼のドラムを聴いて「あれ?ちょっとズレたりしてない?」って思われる方もいらっしゃるかもしれません。
これはどちらが良い悪いという話ではないですが、じつは「ただ」機械的に正確なリズムは、一般的にはグルーヴィーと言われることはあまりありません。
何をもって聴いた人が気持ちいいと感じるかは、それこそいろいろだし、カッコいいグルーヴというのも1つではなくいろいろあるでしょうが、スティーヴ・ジョーダンの打ち出すグルーヴに多くの人が熱狂していることはまぎれもない事実です。
グルーヴという言葉は定義があいまいなのが実情ですが、いわゆる「ノリ」に近いもので、グルーヴィーなリズムというとリズムが有機的(あえて無機質にすることである種のグルーヴを狙うこともある)で、聴いていると思わず踊り出したくなってしまうようなリズムかなと私は思っています。
グルーヴはリズム的側面では、複数の音の発音タイミングのわずかなズレや、プッシュ/プル(タイミングの押し引き)、サイクルのヨレといった要素から生まれると考えられますが、それらのみならず、音の強弱や音色の変化、音価(音の長さ)といったさまざまな要素が絡み合って打ち出されるのでしょう。
スティーヴ・ジョーダンは、リズムパターンやフィルインのバリエーションといった、多くのドラマーが関心を寄せていることよりも、いかにグルーヴを生み出し、いかにグルーヴをコントロールするかを、先ほど挙げたようなさまざまな要素を研究し鍛錬することで追求しているようです。
ひたすらにグルーヴを追い求める求道者です。
音楽プロデューサーとしての手腕や功績もスゴイですが、やっぱりドラマーとしての彼が大好きです。