
「なんとなく上手くなりたいって思ってレッスンに通ってる…」
そんなふうに目的がぼんやりしたままレッスンを受けていらっしゃる方、じつは多いんじゃないでしょうか。
でも、「何のためにレッスンに通うのか」が明確になると、レッスンの受け方も、満足度もぐっと変わってきます。
それは、上達のスピードが変わるというよりも、「自分に合ったペースで、心から楽しめるようになる」ということ。
それがひいては上達を促進させることにもつながります。
今回は音楽レッスンに通う目的を3つのタイプに分けてご紹介します。
「自分はどのタイプかな?」と考えながら読んでみてくださいね。
① 気分転換・癒しタイプ
「音を出すだけで心がほぐれる」
日々の仕事や家事、育児に追われて、自分のための時間がなかなか取れない。
そんな方にとって、音楽レッスンは「リフレッシュの時間」になります。
このタイプの方は例えば…
• 「今日は音が出せただけで満足」—そんなレッスンの日があってもいい
• 間違いを気にしすぎない、楽譜どおりじゃなくてもいい
• その日の気分で選曲やテンポを変えてもいい
そんなアプローチもありだと思います。
「正しく弾く」より、「気持ちをリセットする」ことが目的。
音楽が、心の深呼吸になるような時間をつくってくれます。
② 人とのつながりタイプ
「誰かとの音楽がいちばん楽しい」
音楽って、ひとりで楽しむのもステキだけど、誰かと音を合わせた瞬間に生まれる「なにか」はやっぱり特別なもの。
そんな方にとって、レッスンに通うことは「人とのつながりの時間」になります。
• アンサンブルやセッションで、音を通じた会話を楽しみたい
• 発表会やイベントで、仲間と一緒にステージに立ちたい
• レッスンの合間の雑談や、先生とのやりとりも楽しみのひとつ
「音楽を通じて人とつながる」ことが、レッスンの大きなモチベーションになるタイプです。
音楽はコミュニケーションツールとしてもとても有能だし、音楽でしか得られないコミュニケーションがあります。
③ 上達実感・向上心タイプ
「趣味でも、ちゃんと上手くなりたい」
「せっかくやるなら、ちゃんと上達したい」
そう思っている方は多いと思います。
そういう方はぜひ、「できるようになる喜び」を大切にしてください。
• 小さな目標を立てて、ひとつずつクリアしていく
• 録音や動画で自分の成長を「見える化」していく
• 「できた!」の積み重ねが次の挑戦への原動力になる
このタイプの人にとって、レッスンは「自分との対話」の時間のようなもの。
あまり他人との比較ばかりすることはオススメしません。
焦りも禁物です。
昨日より少しでも前に進めたら、それが何よりのご褒美と考えましょう。
「前はできなかったことが、今日はできた」その実感が、次の一歩を後押ししてくれます。
あなたは、どのタイプに近かったですか?
音楽レッスンの目的は、人それぞれ。
どのタイプが正解ということはありませんし、どれか1つということもないでしょう。
またこの3つ以外の目的だってありうるでしょう。
大切なのは、「自分は何を求めているのか」をあらためて考えてみること。
それがわかると、レッスンの受け方ももっと自分らしくなっていきます。
そして、目的は変わっていってもいいんです。
最初は気分転換だったのが、いつの間にか上達が楽しくなっていたり、ひとりで楽しんでいた音楽が、誰かと合わせたくなったり。
「今の自分」に合ったレッスンの受け方が、音楽を長く楽しむコツかもしれません。
そのためには講師との円滑な関係があるうえで、目的を共有していくことが重要です。