アムロデビュー

 

今日は、2018年9月に惜しまれつつも引退した平成時代を代表する女性シンガー

安室奈美恵さん

について書いてみます。

 

アムラーという現象まで起こし、引退してなお熱狂的な人気を誇る彼女ですから、やすやすと「ファンです」なんて言えないんですが、デビュー当時から引退まで一貫して「けっこう好き」なスタンスの私。

親しみを込めて「安室ちゃん」と呼ばせていただきます。

 

 

さて、安室ちゃんは1977年、沖縄生まれ。

タレント養成スクール「沖縄アクターズスクール」出身であることは有名ですね。

小学校5年生のときに校長の牧野正幸氏にスカウトされたとのことです。

 

そこで見たジャネット・ジャクソン「Rhythm Nation」のビデオに衝撃を受け、歌とダンスに没頭したと。

確かに「Rhythm Nation」はカッコよかった。

 

 

このころに沖縄のローカル番組内のちびっこカラオケ大会に出場し、見事優勝します。

そのときの映像がこちら。

曲は「ゆうゆ」こと岩井由紀子さんの「-3℃」で、ジャネットからはけっこう距離を感じます。パフォーマンスにはすでに光るものがありますが、まだ原石という感じ。牧野氏エライ!

 

 

その2年後にはこんな感じに。

曲はボン・ジョヴィ!の「Runaway」を麻倉未稀さんがカバーしたものをカバー。渋っ…。

このとき14歳だそうで、デビュー直前ですね。アクターズスクール入校から3年ほど?だいぶ出来上がってきています。

 

 

 

そして1992年にSUPER MONKEY’Sのメンバーとしてデビュー!

 

 

さて、この映像を今見ても特別なことは何も感じないかもしれませんが、当時はこのパフォーマンスには目を見張るものがありました。

(この当時、生で2回ほど観る機会がありました。そりゃもうかわいかった。)

 

1992年より前の女性アイドルグループといえば、可愛らしくそこそこに歌って踊るのが定番。

もちろんソロで歌ったら上手い方も、踊りが上手い方もいたし、イイ曲はたくさんありますが。

1989年デビューのWink、CoCo、ribbonあたりが1つ前の世代と言えるでしょうか。

 

そこへ14歳の安室ちゃんをセンターに据えたSUPER MONKEY’Sのこのパフォーマンスでしたから、「スゲェ!」となりますよ、そりゃ。完全にネクストジェネレーションのネクストレベルですもん。

 

 

歌でもダンスでも、それまでのアイドルグループと顕著に違うのがリズムの取り方です。

 

いわゆる「16ビート」ってやつです。

16ビートの「16」は16分音符の「16」です。

ちょっと込み入った話ですが、1980年代までのアイドルソングに16分音符のメロディが無かったということではありません。

16ビートは、歌ったり踊ったりするときのリズムの感じ方、フィーリングの解像度が16分音符単位だということです。

SUPER MONKEY’Sにはこのフィーリングがある。

 

日本でも70年代からそういう音楽をやっていた人はいますが、一般的なところでは久保田利伸さんの登場(1986年デビュー)はやっぱり大きかったと思います。

 

 

80年代終わりのアメリカでは、ソウル、R&B、ファンク、ヒップホップなどの要素を新しい形で昇華した「ニュージャックスウィング」というジャンルが人気を博します。

前述のジャネットの「Rhythm Nation」は、そうした流れの中のヒット曲です。

 

 

また、80年代終わり〜90年代初めには「DADA」や「DNCE DANCE DANCE」、「ダンス甲子園」といったテレビ番組によりストリートダンスがお茶の間にまで浸透。

1991年には「DADA」に出演していたZOO「Choo Choo TRAIN」がヒットしました。

 

 

そういう意味では、「そういう」アイドルグループが出てくるのは時間の問題だったかもしれなく、満を持して登場したのがSUPER MONKEY’Sだった、と見ることもできます。

 

 

 

個人的にはこのころのSUPER MONKEY’Sの感じが好きでしたが、すぐにユーロビート路線へ行ってしまいました。

それからすぐに小室哲哉氏がプロデュースすることになり、その後の安室ちゃんの活躍はみなさんご存知のとおりなので、結果オーライだったのでしょうけど。

ニュージャックスウィングも90年代の中ごろにはいっときの勢いはなくなっていましたしね…。

ただ、ブラコンやニュージャックで抱いたブラックミュージックへの憧れや想いは彼女の中で消えてはおらず、後のヒップホップへの接近につながっていきます。

 

 

 

ダンサブルなナンバーでの歌唱の一方で、シングルのB面(カップリング)ではバラードを歌っています。

もちろんAuto-Tune(ピッチ補正)前夜のことですが、このピッチ、ダイナミクス、トーンの使い分け…。やはり当時のアイドルとしては突出しています。

ちなみに、「安室ちゃんはアイドルではない!」との見方もあると思いますが、個人的には彼女は引退するまで良い意味でアイドルの部分を持ち続けていたと思います。

 

 

 

いずれにしても小学生のころの映像からすると、わずか4年ほどで驚くべき成長を遂げています。

しかし、あの安室ちゃんでもやっぱり成長してきているわけです。

その裏には当然、並々ならぬ努力があったでしょう。

彼女のような人の才能は、その並々ならぬ努力を苦とせず、おそらくは楽しんでいけることにあるのだと思います。

 

 

 

そして2018年の「Finally Tour」の映像を見ると、25年で「すごい境地にまで行ったな」と感動を覚えます。

安室ちゃんは、紛れもなく日本の音楽シーンの最高傑作の1つでしょう。

彼女は2時間を超えるライブでも、途中でまったくMCをしないことで知られています。それでも最後までしっかりキープする強靭な喉、体力、集中力、プロ根性。

引き際もカッコよく、あっぱれ!としか言いようがありません。