アメイジング・グレイス

 

先日、弊社の研修と称してアレサ・フランクリンのライブ映画「アメイジング・グレイス」を鑑賞してきました。

 

いやー素晴らしかった…。

 

説明不要でしょうが、アレサ・フランクリンはソウルミュージックの女王。

惜しくも2018年に亡くなってしまいましたが、1960年代以降のソウルミュージックを牽引した偉大なシンガーです。

 

そんなアリサのルーツは「ゴスペル」

 

1972年当時、すでに最高のソウルシンガーの名を欲しいままにしていたアリサが、原点回帰で望んだこのライブ。

ロサンゼルスの教会で行われたその模様は公開レコーディングされ、ライブアルバム「アメイジング・グレイス」はソウル・ゴスペルの大名盤となっています。

 

 

じつはこのライブ、レコーディングだけじゃなく撮影もされていたんですね。

 

監督はたくさんの映画を撮っているシドニー・ポラック。

ただ当時は、技術的な問題で公開に至らなかったのだとか。

そんな幻の映像作品が49年の時を経て、ついに公開!とあいなったわけです。

 

ストーリーのある映画ではないので、ネタバレなどさほど気にせずレビューしてみます。

前情報なしに鑑賞したい方は、ここからは読まずに映画館へ直行してください。

 

 

さて内容ですが、先述のアルバム「アメイジング・グレイス」と同じライブを撮影したものですので、そちらを既聴されている方にとっては、その場の空気感をよりいっそう感じることになります。

「実際、こんな感じだったのか!」とアルバムを聴いたときの興奮が何倍にもなってよみがえってきます。

 

アメリカの教会と言ってもいろいろでしょうが、このニューテンプル・ミッショナリー・パブティストはライブ会場としてはさほど大きくはありません。

教会は開演前から既に異様な熱気に包まれています。

 

ジェームズ・クリーブランド(Vo / Pf)はゴスペルミュージックの王と言われる存在で、牧師でもあり、アリサの師匠でもあります。

彼のジョークまじりの前説からスタート。

 

最高のライブを支えるミュージシャンは、コーネル・デュプリー(Gt)、チャック・レイニー(B)、バーナード・パーディー(Dr)、ケニー・ルーパー(Org)、パンチョ・モラレス(Per)と超豪華。

 

まずはクリーブランド率いるサザンカリフォルニア・コミュニティ聖歌隊(指揮はアレキサンダー・ハミルトン)が入場。

 

そしてアレサ登場!

 

最初はピアノに座り、弾き語りからスタート。

第一声で、ブワッと込み上げてくるものがありました。

 

映像付きの素晴らしさよ!

 

そこからはじわじわと高まっていくテンション。

 

アレサのヴォーカルは本当に上手いけど、「上手いなぁ〜」って感想より胸に強く訴えるものがあって、何度も涙が…。

 

そしてコーラス。素晴らしい!

お行儀の良い聖歌隊という感じではなく、1人1人の個性を持ったシンガーの集まりです。

思い思いに声を上げて、身体を動かして、それでいて強固な塊にもなっています。

 

それは会場のお客さんにも言えることで、このライブは本当に演者と客の垣根がなく、お客さんも歌い、声を上げ、リズムを刻み、ダンスを踊ります。

これこそが一体感というやつではないでしょうか。

この映画でもっとも感動したのは、このことかもしれません。

優劣はありませんが、どうしたって文化の違いを認めざるをえません。

宗教的なギャップも感じますが…。

 

タイトルにもなっている「アメイジンググレイス」は中盤のハイライト。

このアメイジンググレイスはやっぱスゴイ。

 

2日目には客席にミック・ジャガーとチャーリー・ワッツの姿も。

でもVIP待遇って感じじゃなくて、やはり会場の一体感を作る一員。

 

先に述べたように演奏陣は超強力なプレイヤーが集まっていますが、その演奏はけっして主張することなく、完全に「歌」に合わせにいっています。

プロだわ〜。いや、プロと言うか、彼らもゴスペルをよく知っているということなのかもしれません。

 

 

説教、アリサの歌声、コーラス、お客さんの歓声…。

このライブは「歌」、いや「声」がすべてのような気もします。

神を、親を、兄弟を、子を、友人を思って発する「声」の強さに、映画を観終わったあともしばし言葉が出ませんでした。